SMITサービスマネージャ試験 午後Ⅰ
令和7年度春期 ITサービスマネージャ 午後Ⅰ 問3
事例を読んで設問の答えを考えてから、解説のポイントとIPA公式の解答例・採点講評で確認しましょう。
問題



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判断の前提条件をそろえる
この分野を考えるときは、判断の前提となる条件がそろっているかに注目しましょう。用語の印象だけで結論を急がず、何を対象に、どのような状況を想定しているかを整理すると、考えるための軸が定まります。
この問題で問われていること
考える際には、与えられた条件と自分が補った想定を分け、判断の土台が途中で変わっていないかを確認してください。曖昧な部分はすぐに埋めず、どの条件を前提として考えているかを意識しましょう。
視点
同じ言葉でも、対象や想定する状況によって検討の前提は変わります。まず条件を短い言葉で整理し、その条件を保ったまま考えを進めることが大切です。
確認ポイント
- 判断の前提となる条件を整理できているか
- 与えられた条件に独自の想定を足していないか
- 考える途中で前提条件を変えていないか
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解説
BCPの変更に合わせ、クラウドの待機系を用いて事故受付業務を早期に再開する事例です。バックアップ方針との整合、実現可能な復旧目標の合意、利用部門による業務復旧確認、S社との連携体制が要点です。
問題の全体像
Q社は、災害時の事故受付業務を12時間以内に再開するため、損害調査システムの継続計画を見直しています。システムのRTOを障害発生から10時間以内、RPOを被災時点とし、Sクラウドの待機系による暫定復旧を検討する事例です。公式の出題趣旨では、BCPと連携した継続計画の策定、目標達成に向けた課題認識と復旧方式の検討、発動から暫定回復までの実施項目の検討・評価を問うとしています。技術的な復旧だけでなく、業務上必要な水準と関係者の体制まで計画に組み込むことが重要です。
設問1(1)
毎日0時時点のデータを24時間間隔でフルバックアップし、そのバックアップをSクラウドにも保存している記述に着目します。Sクラウドに保存したフルバックアップから戻せるデータの時点は、直近のバックアップ時点です。公式解答例では「被災当日の0時」としています。本文には更新ログを使って被災時点まで復旧する手順もありますが、被災によって更新ログが使用不能になる場合も示されています。この設問では、Sクラウドに保存したバックアップが保持する時点を答えます。10字以内なので「被災当日の0時」と簡潔に示します。
設問1(2)
復旧作業に必要な最新版の手順書であるFファイルが、DCの文書管理システムに保存されている点に着目します。文書管理システムが被災すると、復旧方法を確認できず、作業に支障が出ます。公式解答例では、FファイルをバックアップしてSクラウドへ転送・保存し被災時に参照可能にする方法と、最新版の手順書を印刷して使用する拠点に配備する方法が示されています。50字以内の答案では、例えば「最新版のFファイルをSクラウドにバックアップして保存し、被災時にも参照可能とする。」のように、最新版の手順書を被災時にも利用できる対策を具体化します。
設問2(1)
確認対象は、待機系システムの稼働中に、S社の責任範囲で実施されるバックアップ運用です。Q社は既に、DCのフルバックアップを遠隔地のSクラウドにも保存しています。一方、Sクラウド自身のバックアップはS社データセンターに保存すると記されており、待機系の稼働場所からさらに遠隔地へ保管されるかは明らかではありません。公式解答例では「バックアップの遠隔地保管の有無」と「SクラウドのRPO及びRTO」が示されています。待機系稼働中の障害や災害に備え、保管場所と復旧可能な時点・時間が要求に合うかを確認する趣旨です。20字以内では、公式解答例の各確認事項を簡潔に表せます。採点講評でも、自社の災害対策方針とクラウドサービスの対応内容の整合を確認する重要性が述べられています。
設問2(2)
正式なRTOを、テスト結果の評価後に自動車保険部と合意するという順序に着目します。計画上の目標だけでは、実際の復旧作業で達成できるか判断できません。テストで復旧に要する時間や作業上の条件を確かめ、その評価を基に利用部門と合意することで、実現可能な目標を定めます。公式解答例は「実現可能なRTOとするため」です。20字以内では、この目的をそのまま簡潔に示せます。採点講評では、単にテスト結果を目標値へ反映するという説明にとどまらず、実現可能な目標を設定するための合意形成を理解することが求められています。
設問3
待機系のテストでは、事故受付リクエスト全件の95%が応答時間10秒以内に収まっています。通常時のサービスレベル目標は95%に対して5秒以内ですが、代替運用フェーズでは、業務継続に必要なサービス水準を自動車保険部と協議する必要があります。ここで問われるRLOは、復旧までの時間ではなく、復旧後に提供するサービスの水準です。公式解答例では「事故受付リクエスト全件の95%の応答時間が10秒以内」としています。30字以内の答案では、対象となるリクエスト、95%という割合、10秒以内という応答時間を押さえます。
設問4(1)
図1では、事故対応サービス担当が損害サービス拠点及び本社に対して、業務影響確認と業務復旧の確認を行う関係が示されています。見直し後は各拠点と本社のPCを待機系へ接続するため、システムの起動だけでなく、利用者が業務を行える状態になったかを確認する必要があります。公式解答例は「損害サービス拠点及び本社での業務面の復旧確認」です。25字以内では、確認する場所と業務面の復旧確認という内容を示します。採点講評では、業務影響や業務再開可否をサービス利用者側で確認する役割について、事前に合意して計画に組み込む重要性が述べられています。
設問4(2)
テスト結果の「データ回復作業の一部で、S社担当者と連携して作業を進める必要がある」という記述が根拠です。緊急時にも連携して復旧できるよう、訓練で連絡や作業分担を確認し、実際のデータ回復を担うS社の体制を確保する必要があります。公式解答例では「S社担当者の緊急事態対応訓練への参加」と「データ回復作業を行うS社体制の確保」の二つが示されています。20字以内では、例えば「S社担当者の緊急事態対応訓練への参加」のように、S社に要請する体制面の内容を具体的に示します。
学習のポイント
RPO・RTO・RLOを区別し、バックアップの遠隔地保管、復旧手順の参照性、利用部門とクラウド事業者の役割を本文から具体化する力を養いましょう。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)令和7年度春期 ITサービスマネージャ試験 午後Ⅰ 問3(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例 / 採点講評)
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