SMITサービスマネージャ試験 午後Ⅱ
令和5年度春期 ITサービスマネージャ 午後Ⅱ 問1
事例を読んで設問の答えを考えてから、解説のポイントとIPA公式の解答例・採点講評で確認しましょう。
問題
解き方のヒントを見る
判断の前提をそろえる視点
この分野を学ぶ際は、判断の前提がそろっているかという一点に着目しましょう。扱われる事柄について、何を前提として考えているのかを整理し、根拠のある情報と自分が補った想定を分けて捉えることが大切です。
この問題で問われていること
検討するときは、ある判断がどの前提に基づいているのかを確かめてください。自分にとって自然な想定でも、そのまま当てはめず、示された内容に根拠があるかを確認すると、考えを整理しやすくなります。
視点
考えるための前提には、示された情報と、読み手が補っている想定が混在することがあります。まずその区別を意識し、判断に用いている前提の根拠をたどりましょう。
確認ポイント
- 判断に使う前提を意識できているか
- その前提を支える情報を確認できているか
- 自分が補った想定を事実として扱っていないか
正解と解説を見る
解説
顧客ニーズを把握し、組織の制約やサプライヤとの整合性を踏まえてサービスレベルの合意に至る取組を論述する問題です。サービス開始後の条件・目標の再定義とSLA見直しの仕組み、取組の評価、今後の課題まで具体的につなげます。
問題の全体像
本問は、共通の具体的な事例を読み解く形式ではなく、自分が携わったITサービスの経験と考えに基づいて論述する問題です。問題文は、顧客の要求が多様化・複雑化・高度化する一方、組織には設備・体制・費用などの制約があり、サプライヤの目標又は契約との整合性も必要になる状況を示しています。添付資料の問1には具体的な公式解答例はなく、出題趣旨が示されています。出題趣旨では、利害関係者のニーズを把握し調整する能力、課題認識能力、問題解決能力を評価するとしています。採点講評では、顧客の要求する目標を正しく理解し、顧客及びサプライヤと積極的に調整した論述を評価する一方、提供者が一方的にサービスレベルを定義した解答を問題視しています。したがって、作業の経過だけでなく、顧客ニーズを踏まえて自分がどう考え、調整したかを中心に記述します。
設問ア
800字以内で、携わったITサービスの概要、顧客との交渉で討議の対象となったサービスレベル項目、討議を要した背景の三点を述べます。問題文の『顧客の視点』と、事業環境・社会環境の変化や情報技術の進展による要求の変化に着目します。サービスの用途と顧客の業務を簡潔に示した上で、どの項目について、どのような要求があり、なぜ討議が必要になったのかを結び付けます。組織の制約やサプライヤとの整合性が背景に関係する場合は、その事情も具体的に記述します。問題文のQRコード決済の耐障害性や個人情報を扱うサービスのセキュリティ性は例示であり、その題材を選ぶことが必須ではありません。出題趣旨が求める項目と背景を、自分の経験に即して示し、設問イで説明する調整の必要性が伝わるようにします。
設問イ
800字以上1、600字以内で、設問アの項目について、合意に向けた取組と、SLAの見直しに関わるサービスレベル管理の仕組みの両方を具体的に述べます。合意への取組では、顧客ニーズをどう把握し、組織の設備・体制・費用などの制約を踏まえてどう調整したかを示します。問題文が明示するサプライヤのサービスレベル目標又は契約との整合性、サプライヤとの協議・調整も、自分の事例に即して説明します。その結果、どのようなサービスの条件及び目標を定義し、文書化して顧客と合意したのかまでつなげると、判断と調整の内容が伝わります。見直しの仕組みでは、問題文の『目標を満たせない事態の発生又は兆候を認識した場合』に着目し、必要に応じて条件及び目標を再定義する仕組みを説明します。例えば、未達をどの情報で把握し、誰が顧客やサプライヤと見直しを協議するかは、仕組みを具体化するための任意の記述候補です。特定の報告方法、例外条件、変更承認手順などが公式資料で必須とされているわけではありません。採点講評を踏まえ、提供者の一方的な目標設定に終わらず、顧客の要求を理解した上での調整と合意を記述することが重要です。
設問ウ
600字以上1、200字以内で、設問イに記述した合意への取組をどう評価するかと、サービスレベル管理における今後の課題を述べます。出題趣旨が求めているのは、取組の評価と課題の具体的な論述です。顧客ニーズをどの程度満たせたか、組織の制約を踏まえた合意になったか、サプライヤとの整合・調整が適切だったかなど、設問イの取組に対応する観点から、自分の評価とその理由を示します。これらは問題文と採点講評から導かれる評価の観点であり、全てを同じ分量で書く必要はありません。合意後の実績や顧客の反応は評価を具体化する任意の材料で、特定の指標を使うことは指定されていません。今後の課題は、評価で判明した不足や、顧客の要求の変化に対してサービスレベルを実現・維持する上で残る問題に結び付けます。採点講評では、作業状況の記述に終始し、自分の考えが希薄な解答も指摘されています。AI・自動化の活用やデータによる予兆検知は必須の論点ではなく、自分の事例に必要性がある場合の任意の記述候補です。
学習のポイント
顧客の視点で要求を理解し、利害関係者との調整における自分の判断を、背景・取組・評価・課題の流れで説明する練習が重要です。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)令和5年度春期 ITサービスマネージャ試験 午後Ⅱ 問1(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例 / 採点講評)
関連する過去問一覧
IPA Advancedは非公式の学習サイトです。解説にはAIによる補助生成を含む場合があります。公式の問題冊子・解答例・採点講評を優先し、誤りは確認後に訂正します。運営・編集方針