SMITサービスマネージャ試験 午後Ⅰ
令和4年度春期 ITサービスマネージャ 午後Ⅰ 問3
事例を読んで設問の答えを考えてから、解説のポイントとIPA公式の解答例・採点講評で確認しましょう。
問題





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判断の前提をそろえて考える
この分野を学ぶ際は、判断の前提がそろっているかに注目しましょう。示された情報を整理し、それぞれがどの条件の下で成り立つのかを確かめると、異なる前提を混ぜずに考える練習になります。
この問題で問われていること
検討するときは、扱う情報の前提条件を同じ意味で捉えているかを確認してください。条件が明示されている部分と、自分で補っている部分を区別し、結論を急ぐ前に、前提の読み取りにずれがないかを振り返りましょう。
視点
前提とは、情報を解釈したり判断したりする際に置いている条件のことです。学習では、示された条件と自分の想定を分けて整理し、判断の途中で前提が変わっていないかを確かめましょう。
確認ポイント
- 示された前提条件を把握しているか
- 明示された条件と自分の想定を区別しているか
- 検討の途中で前提の意味が変わっていないか
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解説
PaaSへの移行では、基盤のサービス目標だけで販売サービス全体の品質を判断せず、事前案内や復旧後の確認時間まで検討します。データ保護・返却、需要に応じた5年間の総費用、障害時の経過連絡も含めてB社と調整することが要点です。
問題の全体像
A社は、ハードウェアの保守期限切れに伴って販売システムを更改し、オンプレミスとB社のPaaSを比較しています。現行のサービスレベル目標を継続し、5年間の需要と費用を考慮することが前提です。公式の出題趣旨では、クラウドサービスの制約を認識し、利用者に提供するサービスの目標に照らして移行を計画する能力と、外部供給者との調整能力を問うとされています。各設問では、サービスカタログの数値だけでなく、案内・確認作業・データ管理・連絡まで含めて販売サービスが成立するかを検討します。
設問1(1)
表1の注記では、計画停止を15日前までにA社のWebサイトで利用者に案内すると定めています。一方、表4には計画停止を除くサービス時間は記載されていますが、B社がA社へ計画停止を案内する時期はありません。A社が利用者への案内期限を守れるか判断するには、B社からの通知時期を確認する必要があります。公式解答例では、B社が計画停止の何日前にA社へ案内するかを挙げています。40字以内では「B社が計画停止の何日前にA社へ案内するか。」という粒度で、通知する相手と時期を押さえます。
設問1(2)
表1の販売サービスと表4のPaaSは、どちらもサービス回復時間が4時間以内です。しかし、PaaSが復旧した時点で、販売サービスが正常に使えると確認できたことにはなりません。A社には、復旧後に販売アプリの稼働を確認する作業時間が必要です。B社の復旧に4時間を要すると、その後の確認まで含めた販売サービスの回復が目標を超えるおそれがあります。公式解答例では、この稼働確認時間を確保できないことを理由としています。40字以内では「PaaS復旧後の販売アプリの稼働確認時間を確保できないから。」とまとめられます。採点講評でも、A社による作業時間の確保に気付く必要性が示されています。
設問1(3)
本文の他社事例では、本番データとバックアップデータを同一の機器に保存していたため、単一のハードウェア障害でバックアップも失われました。バックアップを取得していても、本番データと同じ障害で利用不能になる配置では復元できません。表4の「日次」という取得頻度だけでは、この危険を判断できないため、取得場所を問い合わせます。公式解答例では、本番データとバックアップデータが同時に利用できなくなる可能性を理由としています。40字以内では「本番データとバックアップデータが同時に利用できなくなる可能性があるから」と、両方が同時に使えなくなる点を押さえます。
設問1(4)
本文では、PaaSの利用終了後にデータが消去されることは既に確認しています。問われているのは、その消去前の取扱いです。A社のデータを失わないためには、A社へ適切な形で戻されることを確認する必要があります。公式解答例もデータの返却を要点としています。35字以内では「消去前にA社へデータが適切な形で返却されること。」とまとめられます。採点講評では、完全な消去を求める誤答が多かったとされています。既に確認済みの消去ではなく、その前の返却に着目します。
設問2(1)
表3のオンプレミス費用について、2023年度から2027年度までの年間費用と一時費用を合計します。年間費用は336×2+696×3=2、760百万円、一時費用は移行費用500百万円と容量・能力強化費用200百万円で、計700百万円です。したがって、5年間の総費用は2、760+700=3、460百万円となります。表3は年間費用を示しているので、月額のリース費用という本文の説明を理由に、さらに12倍する必要はありません。公式解答例では「3、460」です。
設問2(2)
表2の各年度のピーク時処理件数を、表5の料金区分に対応させます。2023年度の1、200件は240百万円、2024年度の1、700件は336百万円、2025年度の2、200件は432百万円、2026年度の2、700件は504百万円、2027年度の3、200件は600百万円です。年間費用の合計は240+336+432+504+600=2、112百万円となります。これに本文で示された移行費用を含む一時費用100百万円を加えると、総費用は2、212百万円です。公式解答例では「2、212」です。各年度の需要に応じて料金区分を選び、一時費用を加える点が重要です。
設問3
現行運用では、発生時と解決時の連絡に加え、解決に時間が掛かる場合の経過連絡も行っています。一方、表4のB社の連絡条件には、発生時と解決時の連絡しかありません。PaaSの障害対応はB社が行いますが、営業部への説明責任はA社の情報システム部に残るため、対応の進捗をB社から得る必要があります。公式解答例では「PaaS障害対応状況の経過連絡に関する方法とタイミング」を挙げており、30字以内で必要な要素を表しています。採点講評でも、解決に時間が掛かる障害では経過連絡が必要で、その方法とタイミングが重要とされています。
学習のポイント
基盤と利用者向けサービスの目標の違い、データの管理と返却、総費用の計算、外部供給者との連絡条件を学びましょう。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)令和4年度春期 ITサービスマネージャ試験 午後Ⅰ 問3(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例 / 採点講評)
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