SMITサービスマネージャ試験 午後Ⅰ
令和4年度春期 ITサービスマネージャ 午後Ⅰ 問1
事例を読んで設問の答えを考えてから、解説のポイントとIPA公式の解答例・採点講評で確認しましょう。
問題






解き方のヒントを見る
判断に用いる前提をそろえる
この分野を学ぶときは、結論を急ぐ前に、判断に使う前提がそろっているかを確認しましょう。同じ言葉が使われていても、その意味や適用される範囲まで同じとは限らないため、文脈に沿って捉えることが大切です。
この問題で問われていること
考える際の焦点は、判断の前提が途中で変わっていないかという一点です。示された情報を扱うときは、最初に置いた前提と、その後の判断で用いる前提を対応させ、同じ条件として扱ってよいかを立ち止まって確かめましょう。
視点
用語や情報の意味は、それが置かれた文脈によって変わることがあります。理解したつもりの前提を短く言い直し、その前提のままで考え続けているかを確認すると、判断の土台を整理できます。
確認ポイント
- 判断に使う前提を言葉にできているか
- 同じ前提として扱う根拠があるか
- 考える途中で前提が変わっていないか
正解と解説を見る
解説
新サービスのSLAは、仮目標に対する実績を測定して達成可能性を確認した上で正式に決定する。計画サービス時間は427時間、稼働率は99.2%となり、目標達成には修理時間の短縮に向けた保守契約の調整と、検出の遅れへの着目が必要です。
問題の全体像
Q社は受注システムを再構築し、可用性と保守性の向上を目指して、営業部との間で初めてSLAを設定する。開始後1か月は仮目標で実績を測定したが、稼働率と1回当たりの計画外停止時間に課題が生じた。公式の出題趣旨では、目標の達成可能性や調整の必要性を確認し、外部供給者との調整を通じてサービスレベル管理の実務能力を問うとしている。目標の設定、実績の計算、回復手順の改善、契約の調整をつなげて読むことが重要です。
設問1(1)
営業部の要望を基に目標値を作成し、開始後1か月の達成状況を評価してから正式に決定する点に着目する。サービス提供者であるシステム部には、その目標を実際に達成できるかを確認する必要がある。公式解答例では、達成可能なSLAの確認や営業部との合意、改善の必要性の確認が挙げられている。30字以内の答案例は「現実的に達成可能なSLAであることを確認するため」。採点講評では、正式決定までの期間確保などを述べた誤答が多く、初期の達成状況を確認する観点が求められている。
設問1(2)
表1のサービス時間は営業日の7時から23時までなので、1日当たり16時間です。ただし、計画停止時間はサービス時間から除く。3月の営業日は27日で、計画停止は第1土曜日の5時間だから、計画サービス時間は16×27-5=427時間となる。公式解答例の値は「427」。計画外停止時間は稼働率を求める際に使うため、ここでは差し引かない。
設問2
本文の稼働率の式と、表5の3回の計画外停止時間を使う。停止時間の合計は150+30+20=200分であり、計画サービス時間427時間を分に直すと25、620分となる。したがって、稼働率は(25、620-200)÷25、620×100=約99.219%。小数第2位を四捨五入すると、公式解答例の「99.2%」になる。表1の目標99.3%以上には届いていない。
設問3(1)項番
表6の所要時間は、検出20分、診断20分、修理90分、復旧10分、回復10分で、合計150分です。表1の計画外停止時間の目標は1回当たり2時間以内、つまり120分以内なので、一つの手順で30分以上短縮する必要がある。90分を要している修理が改善対象となり、公式解答例の項番は「3」です。
設問3(1)理由
150分の停止時間を目標の120分以内にするには、少なくとも30分の短縮が必要です。修理は90分と最も長く、他の手順はいずれも所要時間自体が30分未満なので、一つの手順だけで必要量を短縮できる可能性があるのは修理です。公式解答例では、30分以上短縮できる可能性や、最も時間を要する点が示されている。25字以内の答案例は「30分以上短縮できる可能性があるから」。採点講評では、単に時間が長いと述べるだけでなく、目標達成に必要な定量的な改善効果を踏まえることが求められている。
設問3(2)
修理の90分は、表4項番2にあるS社の部品交換期限「依頼から交換まで90分以内」と対応している。修理以外の手順は合計60分なので、停止時間を120分以内にするには、部品交換の期限を60分以内に変更する必要がある。公式解答例でも、この期限の変更が示されている。30字以内の答案例は「表4項番2の部品交換期限を90分以内から60分以内にする」。採点講評では、変更対象の契約事項だけでなく、変更内容まで具体的に記述することが求められている。
設問4
表6項番1では、営業部から利用できないという連絡を受けた後、監視システムのアラート検知まで15分が経過し、検出手順全体に20分掛かっている。常時監視しているにもかかわらず、利用者側の連絡より検知が遅れている点が、停止時間を長時間化させないための調査対象となる。公式解答例では、検出に20分掛かったこと、又はアラート検知が営業部の連絡より15分遅いことが挙げられている。30字以内の答案例は「アラート検知が営業部の連絡より15分遅いから」。
学習のポイント
計画停止を除いた稼働率の計算、停止時間の定量的な分析、SLAを支える保守契約の具体的な調整を学ぶ。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)令和4年度春期 ITサービスマネージャ試験 午後Ⅰ 問1(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例 / 採点講評)
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