SMITサービスマネージャ試験 午後Ⅰ
令和3年度春期 ITサービスマネージャ 午後Ⅰ 問2
事例を読んで設問の答えを考えてから、解説のポイントとIPA公式の解答例・採点講評で確認しましょう。
問題








解き方のヒントを見る
判断の前提となる条件を確かめる
生産システムの情報セキュリティについて考える際は、判断の前提となる条件に注目しましょう。知っている用語から結論を急がず、与えられた条件を、自分が補った想定と分けて整理すると、検討の土台を確かめられます。
この問題で問われていること
この問題では、考えた内容と与えられた条件とのつながりに注目してください。普段の経験や用語の印象から前提を補っていないかを振り返り、判断の根拠として使っている条件がどれなのかを確かめながら検討しましょう。
視点
与えられた情報と、自分の知識や経験から補った想定を区別して整理しましょう。考えた内容の根拠をたどり、判断の前提に自分の想定が紛れ込んでいないかを点検することが、検討の土台になります。
確認ポイント
- 与えられた条件と自分の想定を区別できているか
- 用語の印象から前提を付け足していないか
- 考えた内容がどの条件に基づくかを説明できるか
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解説
本問では、ランサムウェア感染時の安全な復旧と、その後の管理改善を考える。副サーバ群の隔離状態、バックアップサーバの感染確認と再接続、訓練の開封率、構成情報によるパッチ管理、バックアップデータの保護が要点となる。
問題の全体像
B社では、不審メールの添付ファイルを開いたPCがランサムウェアに感染し、感染拡大を防ぐために業務LAN上のサーバとPCを切り離した。その結果、生産システムが停止し、当日18:00までの再稼働が必要になった。通常の正サーバを使う復旧では期限に間に合わないため、保守LAN上の副サーバ群とバックアップデータを使う計画を立てている。出題趣旨では、この事例を通じて、情報セキュリティインシデントへの対応と訓練計画の立案に関する管理能力を問うとしている。ネットワーク構成と対応の時系列を読み、安全に復旧できる条件を説明し、訓練・構成管理・バックアップ保護へ改善をつなげる問題です。
設問1(1)
表1の副サーバ群の接続状態と、表2の13:00の報告に着目する。副サーバ群は土曜日の日中以外、業務LANから切り離されている。一方、今回のランサムウェアは、感染した機器からLANに接続された他の機器へ感染を広げる。今回の感染が始まった月曜日には副サーバ群が業務LANに接続されていないため、感染拡大の経路から隔離されていたと判断できる。公式解答例では、業務LANに接続しておらず、ランサムウェアに感染していないことを理由としている。40字以内では「業務LANから切り離されており、ランサムウェアに感染していないから。」とまとめられる。最新のOSパッチ適用は設問で除外されている。採点講評では、通常の災害対策の説明に寄せず、今回のセキュリティインシデントに着目することが求められている。
設問1(2)(a)
作業対象はバックアップサーバです。表2では、副サーバ群とバックアップサーバに最新のOSパッチが導入済みだと確認している。しかし、バックアップサーバは感染拡大の可能性があった業務LANに接続されていたため、パッチ適用済みという事実だけでは感染していないことまで確認できない。復旧用データを利用する前に、今回のランサムウェアに対応する最新のマルウェア定義で感染の有無を確認する必要がある。その定義が16:00に提供されるため、復旧作業も16:00から開始する。公式解答例に沿う40字以内の表現は「マルウェアに感染していないことを最新のマルウェア定義で確認する。」となる。採点講評では、別のサーバを対象にした解答が多かったとされており、バックアップサーバへの作業として答えることが重要です。
設問1(2)(b)
表2の10:30では、業務LANに接続されていた全サーバと全PCを切り離している。バックアップサーバもこの対象なので、感染していないことを確認した後、復旧に使うための再接続が必要になる。続く手順④では保守LANを業務LANに接続し、⑤と⑥ではバックアップサーバからDBサーバ(副)へデータを復元する。この通信を可能にするため、空欄bではバックアップサーバを業務LANへ接続する。公式解答例は「業務LANに接続する。」で、20字以内に収まる。保守LANの切替えは手順④に既に記載されているため、ここではバックアップサーバ自身の接続を答える。
設問2(1)
表3の項番2は、不審メールの添付ファイルを誤って開く社員がどのくらいの割合でいるか把握できていない、という問題です。図4では、訓練メールの添付ファイルを開くと、開封した社員のメールアドレスが集計サーバへ自動送信される。この情報から開封した社員数を把握し、訓練メールを送った社員数に対する割合を計算すれば、現状を数値で把握できる。公式解答例に沿う30字以内の表現は「集計サーバへの送信情報から開封率を計算する。」となる。単に訓練を実施する、開封者を確認するという説明にとどめず、設問が求める割合を開封率として算出することまで示す。
設問2(2)
表1の構成管理システムの説明に着目する。全サーバと全PCの構成情報を登録しており、その情報にはOSパッチの適用状況も含まれている。したがって、最新のOSパッチが適用されていないPCを把握するには、この構成情報を参照すればよい。公式解答例は「構成管理システムの構成情報」で、15字以内に収まる。図3ではパッチのインストールイメージを配付しても、実際の適用はPCの再起動時に行われる。このため、配付したという事実だけで適用済みと判断せず、構成情報で適用状況を把握することが重要です。
設問2(3)
表3の項番4は、バックアップサーバ自身が感染すると、そのサーバに保存したバックアップデータまで利用できなくなるという問題です。対策では、バックアップサーバが被害を受けても使える復旧用データを残す必要がある。公式解答例では、外部記憶媒体にバックアップを複写し、業務LANからアクセスできない場所に保管する方法を挙げている。50字以内では「バックアップを外部記憶媒体に複写し、業務LANからアクセスできない場所に保管する。」と表現できる。公式解答例には、週次バッチ処理と定期バッチ処理でバックアップをライトワンス光ディスクに複写する方法も示されている。採点講評では、マルウェアが動作するサーバやPCからデータを隔離する必要性への理解が不足していたとされている。バックアップを作成するだけでなく、そのデータを感染時の被害から守る点を押さえる。
学習のポイント
対象機器と作業順序を正確に読み取り、感染予防・感染確認・データ保護の役割を区別して学ぶ。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)令和3年度春期 ITサービスマネージャ試験 午後Ⅰ 問2(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例 / 採点講評)
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