SMITサービスマネージャ試験 午後Ⅰ
令和3年度春期 ITサービスマネージャ 午後Ⅰ 問1
事例を読んで設問の答えを考えてから、解説のポイントとIPA公式の解答例・採点講評で確認しましょう。
問題





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記述の対象範囲をそろえて考える
この分野を学ぶときは、扱っている内容の対象範囲が途中で変わっていないかに注目しましょう。似た用語が現れても、同じ範囲について述べていると決めつけず、与えられた条件との対応を確かめることが大切です。
この問題で問われていること
考える際は、与えられた情報がどこまでを対象としているのかを確認してください。広い意味の話と限られた条件での話を同じものとして扱っていないか、対象範囲という一つの観点で整理してみましょう。
視点
対象範囲とは、今考えている内容が及ぶ範囲のことです。用語の印象だけで範囲を広げたり狭めたりせず、示された条件の中で捉えると、考える対象をそろえやすくなります。
確認ポイント
- 対象としている範囲を確認したか
- 示された条件を越えて範囲を広げていないか
- 途中で別の範囲に置き換えていないか
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解説
複数の外部供給者に委託した検索サービスについて、顧客の復旧要求を支える契約調整、利用者への通知、パーセンタイルによる実績評価、インシデントモデルとフォーラムによる改善を考える問題です。
問題の全体像
K社は研究職員向けの検索サービスを提供し、サービスデスクをL社、機器管理をM社、AP管理をN社に委託しています。情報システム部は、研究部の要求を踏まえてサービスレベル目標を合意し、その達成を支える契約と対応体制を整える立場です。サービス開始後にはLBの不具合による応答遅延が発生し、復旧対応と実績評価を経て、各社が改善活動を検討します。公式の出題趣旨では、社内顧客や外部供給者との調整能力と、インシデント発生に備えた調整能力を問うとされています。各設問では、要求事項、契約条件、担当者の役割、評価指標を具体的に結び付けて読むことが重要です。
設問1
研究部の要求事項にある「2時間以内で検索サービスを利用可能な状態にしてほしい」と、表1のM社の部品交換条件を比較します。契約案では、平日の18時以降に部品交換が必要と判明すると、対応は翌営業日になります。検索サービスは22時まで提供するため、この条件では2時間以内に回復できず、表2の項番⑤のサービス回復時間遵守率にも影響するおそれがあります。公式解答例では、2時間以内の回復要求を満たせないおそれ、又は項番⑤の目標を達成できないおそれを理由としています。40字以内の答案では「2時間以内に利用可能にする要求を満たせないおそれがあるから。」とまとめられます。採点講評では、具体的な要求事項やサービスレベル項目に着目した解答が少なかったとされています。
設問2
下線(イ)の直前で、情報システム部は、検索サービスを一旦停止してLBを再起動する回避策の実施を決めています。この停止は検索サービスを使う研究職員にも影響するため、サプライヤ各社への通知に加え、利用者への通知が必要です。公式解答例では、通知先を利用者とし、通知内容を「インシデントの内容」「サービス停止時刻」「回復予定時刻」としています。利用者が状況と利用できない時間帯を把握できる情報をそろえるのがポイントです。40字以内の答案では「利用者に、インシデントの内容、サービス停止時刻と回復予定時刻を通知する。」とまとめられます。
設問3
表2の注では、90パーセンタイル値は、応答時間を速い順に並べたときの90%の位置に当たる値と説明されています。10月の検索件数は5、000件なので、対象は5、000×0.9=4、500番目の検索です。表3の件数を累積すると、2.3秒までが500+750+1、000+1、000+750=4、000件、2.4秒までが4、000+550=4、550件です。したがって、4、500番目は2.4秒の範囲に入り、90パーセンタイル値は2.4秒となります。表2の目標は「5秒以内(90パーセンタイル値)」であり、2.4秒は5秒以内なので達成です。公式解答例でも「2.4」「達成」が示されています。8秒台の検索が含まれていても、今回の目標は全件の応答時間ではなく90パーセンタイル値で判定します。
設問4(1)
〔検索サービスの改善〕には、インシデントモデルで役割、インシデントプロセスの活動、エスカレーションの手順などを定義し、それに従って定義した時間内に解決を図るとあります。事前に対応を決めて共有すれば、再発時に各担当者が行うべきことを把握し、速やかに対応を進められます。設問はサービス提供者にとっての利点を問うので、手順を整備すること自体ではなく、時間内の解決につながる効果を述べます。公式解答例では「事前に定義した時間内にインシデントの解決を図ることができる。」とされており、40字以内の答案として使える粒度です。採点講評でも、モデルの整備によって早期回復できることへの理解が示されています。
設問4(2)
初回の事例では、サービスデスクは指示書に従って再検索を案内し、最初の問合せから20分経過して情報システム部へ連絡しています。その後、M社は「10分間で3件以上」の応答遅延の問合せがあれば、LBの動作が不安定と判断できると示しました。表4ではこの条件が既に書かれているため、空欄aには、条件を満たした際のサービスデスクの判断と連絡を入れます。公式解答例の「インシデントと判断して情報システム部に電子メールで連絡を行う。」は35字以内に収まり、判断、連絡先、連絡手段を押さえています。採点講評では、LBの再起動などの解決方法に着目した解答が多かったとされています。ここでは、サービスデスクが早期回復につなげるために実施する内容を答える必要があります。
設問4(3)
サプライヤ各社は各社間で直接契約を締結しておらず、検索サービスの目標達成には、K社が各社の活動を調整する必要があります。フォーラムでは、インシデントモデルの共有や各社の改善案を討論し、P氏が各社の賛同を得て今後の活動を決定しています。この経緯から、フォーラムの意義は、情報を交換するだけでなく、各社が協調して実施する活動を決められることです。公式解答例では「サプライヤ各社が協調して活動を決定できる場」とされ、30字以内で中心要素を表しています。採点講評でも、単なる情報共有や達成状況の確認にとどめず、サービス品質の維持・向上に向けて各社が協調して活動を決定する点を答えてほしかったとされています。
学習のポイント
顧客とのサービスレベル目標と供給者の契約条件を結び付け、担当者の役割に沿った対応と、各社が協調して活動を決める意義を理解しましょう。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)令和3年度春期 ITサービスマネージャ試験 午後Ⅰ 問1(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例 / 採点講評)
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