SMITサービスマネージャ試験 午後Ⅰ
平成30年度秋期 ITサービスマネージャ 午後Ⅰ 問2
事例を読んで設問の答えを考えてから、解説のポイントとIPA公式の解答例・採点講評で確認しましょう。
問題




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手順を捉える前提条件の確認
手順について考えるときは、その手順がどのような前提条件の下で扱われているかに注目しましょう。知っている事例をそのまま当てはめず、示された条件を手掛かりに、今回の状況に沿って考えることが大切です。
この問題で問われていること
今回意識するのは、考える際の前提が与えられた条件と合っているかという一点です。判断に迷ったら、自分が当然だと思っている条件を振り返り、実際に示されていることと自分の推測を分けて確かめましょう。
視点
前提条件は、考えを組み立てる際の土台です。自分の経験から無意識に条件を補うこともあるため、判断の根拠にしている条件が、与えられた情報のどこに対応するかを確認しましょう。
確認ポイント
- 考える際に置いている前提条件は何か
- その前提条件は与えられた情報に示されているか
- 経験から別の条件を付け加えていないか
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解説
AP展開ツールによるサービス停止の回避、時差を踏まえた作業計画、不具合修正とデータ修正の順序を理解する問題です。さらに、適応保守と是正保守で共通プログラムを変更する際の環境整備、修正内容の反映、想定外の影響の確認が問われます。
問題の全体像
W社は、東京本社と欧州支社で利用する受注管理サービスを提供しています。従来の一斉停止を伴うデプロイから、APサーバを1台ずつ更新する自動化へ移行し、その後、業務ルール変更による適応保守とインシデントによる是正保守が重なります。公式の出題趣旨では、利用者や開発者の要求に対応する改善能力、適応保守・是正保守に対する環境管理能力、リリース及び展開計画に関する能力が問われています。本文の時系列と表1~3を結び付け、誰が、どの環境に、何を実施するかを整理することが解答の軸です。
設問1
表1では、従来の稼働環境へのデプロイ時に要求をSorryサーバへ振り分け、全APサーバのサービスを停止しています。一方、表2・表3のAP展開ツールは、対象サーバを閉塞して1台ずつ更新するため、ほかのAPサーバでサービスを継続できます。公式解答例では、稼働環境へのデプロイ時にサービスを停止しなくて済む場合があることを利点としています。ただし、データベースのテーブル定義変更などでは停止が必要なので、常に無停止とはいえません。40字以内では「稼働環境にデプロイするときにサービスを停止しなくて済む場合がある。」とまとめられます。設問で除外された作業ミス防止や要望の実現は答案に含めません。
設問2(1)
インシデント対応①では、プログラムの不具合が在庫管理ファイルの誤りを生んだと説明されています。また、表3の手順5では、AP展開ツールが更新後に閉塞を解除し、要求の受付を再開します。先にファイルだけを修正すると、その後の展開中に未修正のプログラムが要求を処理し、再び誤りを発生させるおそれがあります。そのため、全APサーバへの修正版の展開を終え、改めて閉塞してからファイルを修正します。公式解答例では、誤りが再発することと、ツールがLBの閉塞解除を行うことの二つの記述が示されています。30字以内なら「プログラムの不具合によって再度誤りが発生してしまうから」と表せます。要員や資源の不足ではなく、処理順序が生む問題に着目します。
設問2(2)
〔ツールによるデプロイの自動化〕にある、東京本社の22時は欧州支社の14時であり、東京本社の20時から1時間は欧州支社の休憩時間帯という記述に着目します。今回の作業は、AP展開ツールによるデプロイに加え、サービス要求を遮断して行う在庫管理ファイルの修正を含みます。22時開始では欧州支社の業務時間に影響するため、休憩時間帯に合わせて20時へ前倒しします。実際の作業は20時50分に完了しています。公式解答例でも、欧州支社の利用者が利用中の時間帯であり、業務に影響することを理由としています。40字以内では「22時は欧州支社の利用時間帯に当たり、業務に影響するから」と具体化できます。
設問3(1)
問われているのは、開発課がテストを行えるように運用課が実施する環境整備です。図1の注では、適応保守のテストは開発環境、是正保守のテストは保守環境で行います。インシデントで修正した売上プログラムと共通プログラムを開発環境へ展開し、業務ルール変更のテストに使える状態を整える必要があります。公式解答例では「売上プログラムと共通プログラムをテスト用サーバの開発環境にデプロイする。」としています。この表現は40字以内です。採点講評では、運用課の役割に着目せず、開発課が行うソースコード修正やテストを書いた誤答が多かったと指摘されています。対象プログラム、展開先の開発環境、デプロイという作業を押さえます。
設問3(2)
業務ルール変更では請求プログラムと共通プログラムを修正し、その後のインシデント対応では売上プログラムと共通プログラムを修正しています。両方の変更に共通プログラムが含まれる点が重要です。10月3日にテストを完了していた業務ルール変更用の共通プログラムには、10月4日の不具合修正がまだ含まれていません。そのまま展開して修正内容を失わないよう、業務ルール変更用の版にも反映します。公式解答例では「共通プログラムの不具合修正内容を反映すること」としており、25字以内では、対象を共通プログラムに絞ってこの内容を示します。
設問3(3)
表1の開発課の役割には、新しいPGの誤りを検出するテストに加え、PGの更新によって想定外の影響が出ていないかを確認するテストが示されています。業務ルール変更用の共通プログラムに不具合修正を追加したため、以前のテスト結果だけでは変更後の影響を確認できません。追加修正によって、それまで正常だった処理などに影響が生じていないかを確認する回帰テストが必要です。公式解答例でも、不具合修正による想定外の影響の有無を確認するとしています。40字以内では「不具合修正によって想定外の影響が出ていないことを確認する。」とまとめられます。採点講評では、不具合が直ったことの確認だけを指摘する解答は誤りとされており、確認範囲を修正箇所以外への影響まで広げることが要点です。
学習のポイント
表に示された担当部署と環境の用途を区別し、作業順序の理由と共通プログラム変更後の回帰テストを説明できるようにしましょう。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成30年度秋期 ITサービスマネージャ試験 午後Ⅰ 問2(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例 / 採点講評)
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