SMITサービスマネージャ試験 午後Ⅱ
平成29年度秋期 ITサービスマネージャ 午後Ⅱ 問1
事例を読んで設問の答えを考えてから、解説のポイントとIPA公式の解答例・採点講評で確認しましょう。
問題
解き方のヒントを見る
検討の目的を一つにそろえる
まず、何のための検討なのかという目的に着目しましょう。扱われている情報を、その目的との関係から整理すると、印象や一般論に引きずられず、与えられた条件に沿って考えるための足場になります。
この問題で問われていること
検討の中心に置くのは、与えられた状況で何を目指しているかという一点です。自分の経験から目的を補わず、明示された内容を手掛かりに、考えようとしている事柄と目的とのつながりを確かめてください。
視点
目的は、考える方向を定めるための基準として扱います。まず目的を短い言葉で捉え、その言葉が与えられた内容に基づいているかを振り返りましょう。
確認ポイント
- 検討の目的を短く表せているか
- 目的に自分の思い込みを加えていないか
- 考えている事柄を同じ目的に照らしているか
正解と解説を見る
解説
本問は、自身が携わったITサービスについて、顧客とのコミュニケーション、サービス報告でのレビュー、顧客満足向上の活動を一貫して論述する問題です。要求事項の達成に加えて顧客の期待を深く理解し、その把握方法や活動への反映を具体的に示すことが要点です。
問題の全体像
本問は、受験者自身が携わったITサービスを題材に、顧客満足の向上を図る活動を論述する問題です。問題文は、顧客とのコミュニケーションによる期待・要求事項の理解、サービス報告でのレビュー、不満足な内容に対する活動計画の策定と実施を求めています。添付の公式資料は具体的な答案例ではなく出題趣旨であり、顧客満足を、顧客の期待が満たされている程度に関する顧客の受け止め方として説明しています。また、問題分析能力、方策実施能力、顧客関係と顧客満足を管理する能力などを評価するとしています。問1の採点講評では、顧客が真に期待する内容の深掘りと、コミュニケーションの仕組みにおける独創的な内容や工夫が乏しかったと指摘しています。設問アで仕組みを示し、設問イでサービス報告の内容を具体化し、設問ウでその仕組みから把握した期待と満足を活動につなげる構成が必要です。
設問ア
着目するのは「あなたが携わったITサービスの概要」と「顧客とのコミュニケーションの仕組み」です。800字以内で、サービスの目的、顧客、提供範囲、自身の役割など、後続の論述を理解するための背景を簡潔に示します。その上で、誰と、どのような場や頻度で、何を共有し、顧客の意見をどう把握する仕組みだったかを具体化します。問題文の定例サービス報告会は仕組みの一例です。出題趣旨では、顧客の期待や要求事項を理解するための仕組みを論述するよう求めています。したがって、会議を開催したという説明にとどめず、対話を通じて期待を把握できる理由まで示すことが大切です。問1の採点講評で指摘された工夫の不足を踏まえ、実際に行った聞き方や参加者の選び方など、その仕組みにおける自身の工夫を説明するとよいでしょう。
設問イ
着目するのは、サービスの報告で「レビューした」サービス目標の達成状況、課題、課題への対策という三つの内容です。800字以上1、600字以内で、SLAで定義したサービス目標と実績を示し、その比較から何を課題と捉え、どのような対策を検討したかを具体的に論述します。問題文に挙げられたインシデントや変更などの情報は、課題の背景や対策の必要性を説明する場合に関連付けられます。単なる数値や対策の列挙ではなく、報告の場で顧客と何を確認し、どのような判断に至ったかを示すと、レビューの内容が明確になります。出題趣旨では問題分析能力と方策実施能力などを評価するとしています。問1の採点講評では、課題に対して適切な対策を検討した良質な論述が多かったと述べています。主要な課題に絞って、達成状況から課題、対策へ至る理由を説明することが、字数内で具体性を確保する書き方です。
設問ウ
着目するのは「設問アで述べたコミュニケーションの仕組みを使って把握した」という条件です。600字以上1、200字以内で、顧客が何を期待していたか、サービスをどう受け止めていたか、その把握に基づく活動計画と実施状況を具体的に述べます。問題文は、サービスの価値や費用も含めて期待と満足の状態を把握することを求めています。したがって、SLAの達成状況や満足度の数値だけで説明を終えず、対話などで得た顧客の発言や業務上の事情を根拠に、満足・不満足の理由を明らかにします。問1の採点講評では、顧客が真に期待している内容を深掘りする論述が少なかったと指摘しています。表面的な要望の背景にある期待まで掘り下げ、それに対応する活動の内容、担当、時期などを計画として示し、実際にどこまで実施したかを説明するとよいでしょう。確認できた反応や成果を述べる場合も、自身の経験に基づいて記述し、計画と実施済みの内容を明確に区別します。
学習のポイント
サービス目標の達成と顧客の満足を区別し、顧客の期待を深掘りする対話の工夫と、それに基づく活動計画・実施状況を説明する力を養いましょう。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成29年度秋期 ITサービスマネージャ試験 午後Ⅱ 問1(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例 / 採点講評)
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