SMITサービスマネージャ試験 午後Ⅰ
平成29年度秋期 ITサービスマネージャ 午後Ⅰ 問3
事例を読んで設問の答えを考えてから、解説のポイントとIPA公式の解答例・採点講評で確認しましょう。
問題




解き方のヒントを見る
評価に使う前提をそろえる
サービスデスクに関する判断では、評価に使う前提がそろっているかに注目しましょう。何を基準として考えるのかを整理し、途中で別の前提へ移っていないかを確かめると、論点を追いやすくなります。
この問題で問われていること
この問題では、扱われている内容を評価するときの前提に焦点を当てて考えてみましょう。自分が置いた前提と与えられた条件を区別し、その条件を同じ意味のまま使えているかを丁寧に確認してみてください。
視点
前提とは、判断を進める際に土台として置く条件です。内容を整理するときは、明示された条件と自分で補った条件を分け、評価の途中で土台が変わっていないかを振り返りましょう。
確認ポイント
- 判断の土台となる条件を把握していますか。
- 与えられた条件に独自の前提を加えていませんか。
- 評価の途中で条件の意味を変えていませんか。
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解説
本問は、FAQの活用によるサービス要求の削減、回答確認と確認待ちによるSLA未達のリスク、訓練に伴う問合せ集中への対策を、本文の具体的な条件から説明する問題です。
問題の全体像
P社は、顧客のサービスデスクを受託し、電話によるサービス要求に対応しています。顧客増加に備えて増員とIVRによる振分けを行いますが、利用者の選択による問合せの偏りや、回答品質を確保するための確認待ちが生じます。また、FAQの改善とH社の標的型攻撃メール訓練への対応も求められています。公式の出題趣旨では、サービスデスクの組織化、FAQなどの支援ツール、インシデント及びサービス要求管理、情報セキュリティインシデントを想定した訓練への対応能力が挙げられています。各設問では、施策や事象をサービスデスクの負荷、回答時間、利用者への影響に結び付けて説明します。
設問1(1)
着目するのは、FAQに「サービスデスクを利用しなくても利用者自身で解決可能な内容」を掲載している点です。利用者がFAQで自己解決すれば、サービスデスクへ電話する必要が減ります。したがって、公式解答例では「サービス要求件数の削減が期待できる」としています。30字以内の答案では「サービス要求件数の削減が期待できる。」と、サービスデスクにとっての効果を直接示します。採点講評でも、利用者の自己解決によってサービス要求を減らせることへの着目が求められています。
設問1(2)
改善前には、FAQの項目数が少ないという苦情に加え、Webサイトのアクセス履歴からFAQのアクセス数も少ないことが分かっています。改善では対象を初心者から全利用者へ広げたので、今回作成したFAQが実際に閲覧されているかを確認します。公式解答例では、Webサイトのアクセス履歴を使った閲覧の確認を挙げています。40字以内の答案例は「Webサイトのアクセス履歴で今回作成したFAQの閲覧を確認する。」です。項目数が増えたという実施結果だけでなく、利用されていることを確かめるのが要点です。採点講評でも、アクセス履歴の閲覧件数による確認に言及しています。
設問2(1)
下線(ア)は、電話のつながりやすさだけでなく、対応の開始から終了までを調査した上で特定したSLAのリスクを問うています。表1では、1日のサービス要求の95%以上について、回答時間を15分以内とする目標が定められています。回答時間は、受付後に対応を開始してから最終的な回答を終えるまでの経過時間です。公式解答例では、この回答時間のサービスレベル目標が未達となることを挙げています。30字以内では「回答時間のサービスレベル目標が未達となる。」とまとめられます。採点講評では、サービスレベル目標を達成できず顧客に影響が出る点への着目が求められています。
設問2(2)
理由の根拠は、中堅者が電子メールの問合せに回答する際、熟練者による確認が必要であり、熟練者が全員対応中なら確認開始を待つという追加手順です。表2の問合せの平均回答時間10分に確認作業5分が加わり、さらに確認待ちが発生すると、15分以内という目標を超えるおそれがあります。公式解答例では、確認が必要なことと確認待ちの発生を併せて示しています。40字以内の答案例は「中堅者の電子メール対応では熟練者の確認が必要で、確認待ちも発生するから。」です。採点講評では、問合せ件数の増加や熟練者の作業負荷だけに言及した誤答が多かったとされています。回答時間が延びる具体的な仕組みを示すことが重要です。
設問3(1)
過去には、H社が把握した標的型攻撃メールの受信10件に対し、サービスデスクへの問合せが2件ありました。この事実から、訓練メールを受信した利用者の一部も問合せをすると考えられます。今回は約100名を二つのグループに分けて2日間で実施するため、問合せが集中するおそれがあります。ただし、過去の割合が訓練でもそのまま成立すると断定する必要はありません。公式解答例では、訓練メールに関する問合せ件数が増え、電話がつながりにくくなることを挙げています。40字以内では「訓練メールの問合せ件数が増え、電話がつながりにくくなる。」と、理由と運営への影響を一文で示します。
設問3(2)
対策は、訓練メールへの問合せが短期間に集中するという設問3(1)の原因に対応させます。公式解答例では、訓練実施日を増やし、1回の訓練対象者を少なくすることを挙げています。30字以内の答案例は「訓練実施日を増やし、1回の訓練対象者を少なくする。」です。対象者を分散すれば、問合せの集中を抑えながら全員への訓練を実施できます。本文では、サービスデスクが切分け手順に従って正しく対応できるかを確認する機会とも位置付けています。採点講評では、事前周知などの誤答が多かったとされており、訓練の目的を保ちながら運営への影響を小さくする視点が求められています。
学習のポイント
施策の効果と測定方法、リスクと発生理由を区別し、回答時間の定義と訓練の目的を踏まえて考えることが重点です。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成29年度秋期 ITサービスマネージャ試験 午後Ⅰ 問3(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例 / 採点講評)
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