SMITサービスマネージャ試験 午後Ⅰ
平成29年度秋期 ITサービスマネージャ 午後Ⅰ 問1
事例を読んで設問の答えを考えてから、解説のポイントとIPA公式の解答例・採点講評で確認しましょう。
問題





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判断の前提となる条件をそろえる
検討を始める前に、何を対象として、どの範囲や期間について考えるのかを整理しましょう。与えられた情報を同じ前提で捉え、途中で条件の取り方が変わっていないかを確かめることが大切です。
この問題で問われていること
この問題では、判断に使う情報の前提がそろっているかという一点に注目しましょう。対象や範囲、期間の捉え方を自分の中で固定し、考えを進める途中でも、その前提からずれていないかを振り返ってください。
視点
情報は、前提となる条件が変わると捉え方も変わります。まず与えられた条件を整理し、明示されていることと自分で補ったことを区別すると、考察の前提をそろえやすくなります。
確認ポイント
- 判断の対象を途中で広げたり狭めたりしていないか
- 範囲や期間を一貫した捉え方で扱っているか
- 示されていない条件を無意識に付け加えていないか
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解説
本問は、POSサービスの可用性を、サービス稼働率の計算、診断情報の絞り込み、故障兆候の通知、経時保守の追加、修理体制の見直し、委託先とのサービスレベル合意から改善する問題です。
問題の全体像
U社はZ社にPOSサービスの保守を提供し、店舗での作業をC社に委託しています。事例の店舗ではPOSレジが1台だけで、自動釣銭機の硬貨搬送ベルトが摩耗して破損し、サービスを利用できなくなりました。故障は21時に発生し、対応は24時に終了しており、故障発生から対応終了までに3時間を要しました。公式解答例の出題趣旨では、障害回復手順の整備、修理時間の短縮、予防保守を通じた可用性と回復力の向上、供給者管理の実務能力が問われています。各設問では、停止時間の算定と、本文の事実に基づく具体的な改善策を考えます。
設問1(1)
表2のサービス時間は営業日の7時から23時までなので、1日16時間、30日間の計画サービス時間は480時間です。故障発生から対応終了までは21時から24時までの3時間ですが、サービス時間内の停止は21時から23時までの2時間です。したがって、サービス稼働率は(480-2)÷480×100=99.583…%となり、小数第2位を四捨五入すると99.6%です。公式解答例でも99.6と示されています。この店舗はPOSレジが1台なので、この値が店舗のサービス稼働率になります。
設問1(2)
V氏は表3の全データを収集したため、情報収集に30分掛かりました。しかし、故障部位の特定に役立ったのは機器の状態と故障エラーログで、その他のデータは役立ちませんでした。表4の注記には、情報収集ツールでデータの種類と期間を指定できるとあります。この機能を使い、診断に必要な情報に収集範囲を絞るのが改善策です。公式解答例では「情報収集ツールを利用するときに、データの種類と期間を指定する。」と示されています。40字以内の答案では、ツールの利用と種類・期間の指定を押さえます。採点講評でも、故障の切分けに必要な情報を優先して収集することが診断時間の短縮に直結すると指摘されています。
設問2(1)
監視データの分析で、自動釣銭機の故障前に釣銭詰まりが頻発することが分かっています。現在も軽微な障害の情報は通知されていますが、機能変更では、発生回数を基に故障の兆候を捉え、予防保守を促せるようにします。公式解答例では、釣銭詰まりの障害が一定回数以上になった場合、その情報を通知情報に加えると示されています。50字以内の答案例は「釣銭詰まりが一定回数以上発生した場合、予防保守を促す情報を通知情報に加える。」です。発生回数の条件と、予防保守につなげる通知の追加を具体的に書きます。
設問2(2)
硬貨搬送ベルトは一定期間ごとの定期保守で交換されていましたが、このPOSレジは利用頻度が高く、摩耗して破損しました。一方、分析結果では経時保守で交換する部品の故障発生頻度が低いとされています。経時保守は累積動作時間・累積動作回数を基準にするため、利用量に応じた点検につなげられます。公式解答例では「硬貨搬送ベルトの点検に経時保守を追加する。」と示されています。30字以内の答案では、対象部品と追加する保守方法を押さえます。採点講評でも、部品に適した予防保守を考えるため、定期保守と経時保守の違いに着目するよう求めています。
設問3(1)
空欄の直前では、部品の欠品防止によって部品手配時間を短縮し、保守員の適正配置によって駆け付け時間を短縮すると述べています。また、C社が従来見直していた対象も、修理用部品の在庫と保守員の配置でした。今回はU社から利用状況と故障傾向の情報を得て、この二つを定期的に見直すことになります。公式解答例の「修理用部品の在庫及び保守員の配置」は20字以内であり、空欄にそのまま対応します。
設問3(2)
U社はZ社に対して月間99.5%以上のサービス稼働率を約束しているため、C社との部品手配時間・駆け付け時間の目標値も、その約束を支えられる内容にする必要があります。公式解答例では、目標値をZ社のSLAと整合させ、サービスレベルについてC社と合意すると示されています。40字以内の答案例は「Z社のSLAと整合する目標値を設定し、C社とサービスレベルに合意する。」です。採点講評でも、顧客とのSLAを支えるために供給者とサービスレベルを合意することの理解が求められています。単に時間を短くするという説明ではなく、顧客とのSLAとの整合とC社との合意を押さえます。
学習のポイント
SLAに基づく停止時間の数え方、定期保守と経時保守の違い、顧客とのSLAを支える供給者管理を学びます。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成29年度秋期 ITサービスマネージャ試験 午後Ⅰ 問1(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例 / 採点講評)
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