SMITサービスマネージャ試験 午後Ⅰ
平成28年度秋期 ITサービスマネージャ 午後Ⅰ 問3
事例を読んで設問の答えを考えてから、解説のポイントとIPA公式の解答例・採点講評で確認しましょう。
問題





解き方のヒントを見る
判断の根拠と前提を確かめる
対応を検討するときは、判断の根拠と自分が補った前提を区別しましょう。日常の経験や印象をそのまま当てはめず、与えられた条件のどこが判断を支えているかに注目すると、考えを整理しやすくなります。
この問題で問われていること
この分野では、知っている用語から先に結論を決めず、その判断を支える条件が示されているかを確かめることが大切です。考えを進める際は、明示された内容と、そうだろうと想像した内容を分けて捉えましょう。
視点
考えに自信があっても、経験から補った前提が混ざっていることがあります。判断を支える箇所を確かめ、明示された条件だけでどこまで考えられるかを意識しましょう。
確認ポイント
- 判断の根拠を、与えられた条件に結び付けているか
- 経験や印象から補った前提が混ざっていないか
- 明示された内容と自分の推測を区別できているか
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解説
本問は、インシデント対応手順と実際の行動を比較し、緊急連絡と早期回復の不足を指摘する問題です。併せて、KEDBの活用目的、標的型攻撃メールへの初動対応、サービス要求の変更に伴う優先度判定ルールの見直しを確認します。
問題の全体像
M社は、24時間365日の販売サービスと、毎日6時から23時までの配送管理サービスを提供しています。販売システムのCPU使用率上昇を調べる過程で標的型攻撃メールによる不正プログラムが判明し、その対応と防御システムの導入が進められます。また、配送管理サービスには24時間稼働と30分以内の回復が新たに求められます。出題趣旨では、合意したサービス目標と時間枠内で回復するための一貫したインシデント管理を重視しています。対応手順の遵守、早期回復、セキュリティ対応への引継ぎ、要求変更に応じた手順の見直しが問われています。
設問1(1)(①)
表2の「段階的取扱い」には、優先度が「高」又は「中」の場合、開発チームへ直ちに緊急連絡することが定められています。Y氏は販売サービスの「警告」に優先度「中」を割り当てましたが、緊急連絡を行わず、KEDBの参照と原因調査へ進みました。後でZ氏に調査を依頼したことでは、直ちに連絡するという要件を満たしません。公式解答例では、この緊急連絡の欠落を問題点としています。30字以内では「優先度に従って開発チームに緊急連絡を行っていない。」と、連絡先と優先度に応じた行動の不足を示します。
設問1(1)(②)
表2の「解決」では、サービスを早期に回復させるために回復を試み、KEDBから回避策を探して必要な処理を行うことが求められています。一方、Y氏は他の4台で警告が発生していないことから利用者への影響は小さいと判断し、原因の調査を続けました。Z氏の確認では実際に応答遅延が発生しており、早期回復を優先すべき状況でした。公式解答例では、原因調査を回復より優先したことを問題点としています。30字以内では「サービスの早期回復を優先せずに原因の調査を続けた。」とまとめます。採点講評でも、段階的取扱いと解決に関する問題点の指摘を求めています。
設問1(2)
本文では、KEDBに過去のインシデントの発生原因、回復方法、有効な回避策を登録し、サービスの早期回復に利用すると説明されています。Z氏が強制終了の手順を登録する目的も、同類のインシデントが再発した際に、その手順を参照して迅速に回復できるようにすることです。公式解答例では、再発時の早期回復を目的としています。40字以内では「同類のインシデントが再発した場合に、サービスを早期に回復させるため」と示せます。回避策の登録を、根本原因の除去や再発防止そのものと混同しないことが重要です。
設問2(1)
〔標的型攻撃メールの検出〕の③には、メールサーバのログから、Web管理者宛ての受信記録と、同じ添付ファイルを含むメールが他部署の社員にも送信されている記録を確認したとあります。K氏が類似メールの送付先を調べる際も、この記録を利用できます。公式解答例では「メールサーバのログ」としています。15字以内の答案には、この調査元をそのまま示します。感染した機器の一覧ではなく、メールが届いた社員を特定するための記録に着目する設問です。
設問2(2)
添付ファイルを開封した社員には、開封した機器をLANから切り離し、不正プログラムを確認するよう指示しています。空欄bは、添付ファイルをまだ開封していない社員への指示です。この場合は、そのメールを今後開封して感染することを防ぐため、メールを削除させます。公式解答例では「標的型攻撃メールの削除」としています。20字以内ではこの表現を用いれば、本文の「をすること」にもつながります。開封済みの場合の機器隔離と、未開封の場合のメール削除を区別して読み取ります。
設問3
表1では「警告」は調査が必要な事象であり、インシデントとして扱います。今回の通知は、一定以上の危険性がある不正な通信の検出なので、情報セキュリティインシデントのおそれがあります。本文の規定に従い、情報セキュリティ担当要員へ連絡し、迅速な対応につなげる必要があります。公式解答例では、この連絡と早期対応の必要性を理由としています。40字以内では「情報セキュリティ担当要員に連絡して、早期に対応する必要があるから」と示します。採点講評では、単に「記録を残すため」とする解答を誤りとして挙げ、影響範囲の確認や被害拡大防止につながる対応の理解を求めています。
設問4
変更後の要求は、システム停止を伴うインシデントを30分以内に回復させることです。ところが、表4では配送管理サービスの「異常」の優先度は「中」であり、表5の目標復旧時間は2時間です。表5で30分の目標復旧時間に対応する優先度は「高」なので、配送管理サービスの優先度判定ルールを変更する必要があります。公式解答例では、「異常」の優先度を「高」に変更するとしています。40字以内では「配送管理サービスの優先度判定ルールで『異常』を『高』に変更する。」と示せます。採点講評でも、サービス変更に応じて優先度に基づく解決目標時間を見直す方法と必要性を重視しています。
学習のポイント
早期回復と根本原因調査の目的を区別し、優先度、緊急連絡、目標復旧時間を一連の対応として読み取ることが重点です。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成28年度秋期 ITサービスマネージャ試験 午後Ⅰ 問3(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例 / 採点講評)
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