SMITサービスマネージャ試験 午後Ⅰ
平成27年度秋期 ITサービスマネージャ 午後Ⅰ 問3
事例を読んで設問の答えを考えてから、解説のポイントとIPA公式の解答例・採点講評で確認しましょう。
問題




解き方のヒントを見る
判断の前提条件をそろえて考える
この分野を学ぶときは、判断の前提条件がそろっているかという一つの観点に絞って考えましょう。目立つ用語から結論を急がず、与えられた情報のどこまでが判断の根拠になるかを丁寧に確かめます。
この問題で問われていること
検討の焦点は、ある判断を支える前提が、与えられた条件と合っているかどうかです。自分の経験や一般的な印象で条件を補っていないかを振り返り、明示された情報と自分が置いた仮定を区別して考えましょう。
視点
判断を検討するときは、その判断がどのような前提に基づいているかを意識します。明示された条件と、自分が補った仮定を区別すると、根拠の範囲を整理しやすくなります。
確認ポイント
- 判断の前提は、与えられた情報のどこに示されているか。
- 明示されていない条件を、自分で補っていないか。
- 判断の根拠として使う情報と、置いた仮定を区別できているか。
正解と解説を見る
解説
販売管理システムの移行における、オンライン処理終了後・バックアップ前の注文情報送信、移行後の連携確認、切り戻しに備えた現システムへの生産実績情報の反映が要点です。初期サポート活動では、インシデントの発生状況に基づく終了判断と、回避策のFAQへの反映が求められます。
問題の全体像
E社は、相互に情報を連携する生産管理システムと販売管理システムを順次移行します。販売管理システムは小売店も利用し、移行日の停止時間は1時から4時までと合意されています。出題趣旨では、利用者への影響を最小限に抑える措置と、展開の判断基準及び初期サポート活動の終了基準の確認を重視しています。通常のバッチ処理が移行中にどう扱われるか、移行に失敗しても予定時刻にサービスを再開できるか、移行後の支援をどの状態で終了するかを読み取る問題です。
設問1
表2では、販売管理システムが毎日2時に、直前6時間に作成された注文情報を生産管理サーバへ送信します。一方、表3では1時にオンライン処理を終了し、バッチ処理の自動起動も停止するため、通常の2時の送信は自動実行されません。そこで、1時10分のアでは、前日20時以降に作成された未送信の注文情報を送信します。これはオンライン処理終了後、1時20分のバックアップ前に行う作業です。公式解答例では、注文情報の送信、又は通常2時に開始するバッチ処理の実施を挙げています。40字以内の答案例は「前日20時以降の注文情報を生産管理システムに送信する。」です。
設問2
表2には、生産実績情報を生産管理サーバから販売管理サーバへ送る連携と、注文情報を販売管理サーバから生産管理サーバへ送る連携があります。表3では移行中に生産実績情報を新販売管理システムへ反映しますが、移行後には注文情報の送信も正常に行えることを確認する必要があります。確認項目①の正常稼働や②の注文処理性能だけでは、他システムへの送信成功までは確認できません。公式解答例では、注文情報を販売管理サーバから生産管理サーバへ正常に送信できていることを示しています。40字以内の答案例は「注文情報を販売管理サーバから生産管理サーバへ正常に送信できている。」です。
設問3(1)
表3の3時の作業では、生産実績情報を新販売管理システムだけに反映し、現販売管理システムには反映していません。3時50分からの判定で移行結果が不可となった場合、現システムへ切り戻しても、そのままでは在庫情報が更新されていないため、生産実績情報の反映が必要になります。3時55分からの再開作業には5分しかなく、この追加作業によって合意した4時のサービス再開に間に合わなくなることが問題です。公式解答例では、切り戻し時のサービス開始の遅れ、又はSLAを満たせなくなることを挙げています。40字以内の答案例は「切り戻し時に生産実績情報の反映が必要となり、サービス開始が遅れる。」です。
設問3(2)
設問3(1)の原因は、切り戻し先の現販売管理システムに最新の生産実績情報が反映されていないことです。移行結果の判定前に現システムにも反映しておけば、不可と判定された後に追加の反映作業を行わずに済みます。公式解答例では、現販売管理システムにも生産実績情報を反映させておくことを示しています。30字以内の答案例は「現販売管理システムにも生産実績情報を反映しておく。」です。採点講評では、安易に移行作業時間を延長する答案が多かったと述べ、限られた時間内で利用者への影響を抑える対策を検討するよう求めています。
設問4(1)
K氏は、生産管理システムが移行後6日目から落ち着いた実績を参考に、販売管理システムの初期サポート活動を5日間としました。しかし、販売管理システムでは5日経過してもインシデント数が移行前の平均より多い状態が続いています。このため、日数だけで終了する計画では、安定稼働に達したことを確認できません。公式解答例では、インシデントの発生状況を加味して終了時期を判断することを示しています。40字以内の答案例は「インシデントの発生状況を加味して初期サポート活動の終了時期を判断する。」です。採点講評でも、システムの特性に応じ、安定稼働に達したと判断する終了基準を検討することを重視しています。
設問4(2)
事前に引き継いだFAQだけでは対応できない問合せが度々発生し、サービスデスクは展開チームに回答を依頼しています。また、展開チームは初期サポート活動中に暫定的な回避策を作成しています。その対応内容をFAQへ反映すれば、サービスデスクが問合せに対応するための知識を引き継げます。公式解答例では、初期サポート活動で実施した回避策をFAQに反映し、整備することを示しています。40字以内の答案例は「初期サポート活動で実施した回避策をFAQに反映し整備する。」です。採点講評でも、展開チームの対応内容をFAQへ反映する必要性に言及しています。
学習のポイント
通常運用と移行時の処理順序を照合し、切り戻し時の情報整合性、サービス再開期限、初期サポートの終了基準を具体的に検討する力を養います。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成27年度秋期 ITサービスマネージャ試験 午後Ⅰ 問3(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例 / 採点講評)
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