SMITサービスマネージャ試験 午後Ⅰ
平成27年度秋期 ITサービスマネージャ 午後Ⅰ 問1
事例を読んで設問の答えを考えてから、解説のポイントとIPA公式の解答例・採点講評で確認しましょう。
問題


解き方のヒントを見る
検討の前提となる範囲をそろえる
IT資産管理について考える際は、まず、扱っている内容がどこまでを対象にしているかに着目しましょう。知っている用語の印象だけで判断せず、示された条件から検討の範囲をそろえることが手掛かりになります。
この問題で問われていること
考えるときに意識したいのは、自分が想定している対象の範囲と、示された条件の範囲が一致しているかという点です。条件に書かれていることと、自分が補っている前提を分け、対象を広げすぎたり狭めすぎたりしていないか確認しましょう。
視点
対象の範囲は、考察の前提です。ある場面についての考えを別の場面へそのまま当てはめる前に、同じ範囲を扱っているかを確かめると、知識と条件を結び付けて整理できます。
確認ポイント
- 対象の範囲を、示された条件に基づいて捉えているか
- 条件にない範囲まで、自分の判断で広げていないか
- 考える途中で、対象の範囲が変わっていないか
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解説
本問は、IT資産管理のシステム化による工数低減、申請台帳と実態情報の照合、ライセンス利用状況の確認、安全なソフトウェア配付、個人所有PCの識別と管理を問う。設問の除外条件を守り、本文の手順と管理目的を結び付けて答えることが要点となる。
問題の全体像
H社では、約1、000台の貸与PCと業務用ソフトウェアを台帳で管理し、各事業所のPC管理者が四半期ごとに棚卸を行っている。しかし、利用中止の未報告によるライセンスの過剰購入、台帳と実際の導入先の不一致、不適切なダウンロードによるマルウェア感染が発生した。そこで、PCの情報を収集する資産管理システムと電子決裁の手順を整備し、個人所有PCによる遠隔保守も管理対象に加える。公式の出題趣旨では、ライセンス管理、資産管理プロセスの手順整備及びシステム化を通じて、組織内のIT資産管理に関わる能力を問うとしている。
設問1
着目するのは、従来はPC管理者が棚卸調査表に基づいて調査・報告していたのに対し、導入後はエージェントプログラムが情報を収集し、サーバへ送信する点です。これにより、棚卸などに必要な作業工数を減らせる。設問は下線(ア)の内容を除いているので、管理精度の向上や適切なライセンス購入を答えることはできない。公式解答例では「IT資産管理に関わる作業工数の低減」としており、20字以内ではこの効果に絞る。採点講評でも、管理精度だけでなく、PC管理者の棚卸作業の工数低減を認識してほしかったと述べている。
設問2
監査後の調査で、ソフトウェア管理台帳に登録された基本ライセンス使用先のPC管理番号と、実際の導入先のPC管理番号が一致していなかった点に着目する。ソフトウェア管理台帳は申請・許可に基づく情報を持ち、資産管理台帳はエージェントが収集した実際の導入情報を持つ。日次バッチでは、両台帳をソフトウェアごとに照合し、不一致の状況をPC管理者へ通知する。公式解答例では「ソフトウェア管理台帳と資産管理台帳とのソフトウェアごとのPC管理番号の不一致の状況」としており、50字以内に比較する台帳、照合項目、結果を含める。採点講評では、マルウェア感染の有無などを答えた誤答を挙げ、二つの管理台帳を使う照合処理の内容を求めている。
設問3(1)
空欄aの直後に、使用数が契約上の基本ライセンス数に達していれば、契約を更新してライセンス数を追加するとある。この判断には、現在の基本ライセンスの利用状況を確認する必要がある。本文では、情報システム部がソフトウェア管理台帳で基本ライセンスの使用数を管理しているため、確認方法もこの台帳の参照となる。公式解答例では「基本ライセンスの利用状況をソフトウェア管理台帳で確認」としている。30字以内では、確認内容である利用状況と、確認方法である台帳の両方を押さえる。
設問3(2)
社員が販売元とは別のWebサイトから誤ってダウンロードし、マルウェアに感染した事例に着目する。情報システム部が配付用の写しを社内ファイルサーバに準備すれば、社員がインターネット上のサイトから個別に取得する必要が減り、その際の危険を抑えられる。公式解答例では、マルウェアの侵入防止、又はフィッシングサイトへ誘導されるリスクの低減を挙げている。40字以内の答案では、例えば「インターネットからの取得に伴うマルウェアの侵入を防ぐため」と、取得経路に伴うリスクと防止目的を結び付ける。指定した版を使う目的は設問で除外されている。
設問3(3)
ソフトウェアの使用には、使用数に応じた基本ライセンスと使用許諾契約が必要である点に着目する。利用規程を守らずに導入すると、必要なライセンスの確認や追加を経ずに使用され、契約違反となるリスクがある。公式解答例では、基本ライセンスに関する契約違反、使用許諾契約違反、業務用ソフトウェアの不正利用を挙げている。20字以内では「使用許諾契約違反となる。」のように、ライセンス上のリスクを端的に示す。監査人が指摘した過剰購入による余分な費用は、設問の除外条件に当たる。
設問4(1)
個人所有PCは申請と承認を経て使用を認められ、申請書にはMACアドレスが記載される。表1でも、MACアドレスは資産管理台帳の管理項目となっている。この情報を照合する目的は、社内LANに接続するPCが、申請して承認されたPCと一致するかを判断することです。公式解答例では、接続するPCと申請したPCの一致確認、又は接続中のPCのMACアドレスと申請内容の同一性の判定を挙げている。40字以内では「社内LANに接続するPCが申請したものと一致するか判断するため」と、識別対象と照合目的を示します。
設問4(2)
資産管理システムは、PC上のエージェントプログラムが情報を収集し、資産管理サーバへ送信する構成です。個人所有PCについても、資産情報やセキュリティ関連情報を継続して収集するには、このプログラムを導入する必要がある。公式解答例では、空欄bは「エージェントプログラム」としている。20字以内では、この名称を答えればよい。接続環境に必要な設定とソフトウェアの導入は後続の手順④に記載されており、空欄bは資産管理のための導入内容として読む。
学習のポイント
台帳の役割と照合対象を区別し、ライセンス管理とセキュリティ対策の目的を、字数内で具体的に説明する練習をする。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成27年度秋期 ITサービスマネージャ試験 午後Ⅰ 問1(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例 / 採点講評)
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