SMITサービスマネージャ試験 午後Ⅰ
平成26年度秋期 ITサービスマネージャ 午後Ⅰ 問3
事例を読んで設問の答えを考えてから、解説のポイントとIPA公式の解答例・採点講評で確認しましょう。
問題



解き方のヒントを見る
判断の前提となる範囲を確かめる
運用に関する事柄を検討するときは、判断の前提となる範囲に注目しましょう。対象や状況の捉え方が途中で変わっていないかを確かめ、与えられた情報と自分で補った想定を分けて考えることが手掛かりになります。
この問題で問われていること
考える際は、いま扱っている対象や状況が、与えられた条件のどこまでに含まれるかを確認しましょう。別の場面で得た知識を当てはめる前に、その知識が想定する範囲と今回の範囲が同じかを意識して整理してみてください。
視点
範囲を整理するとは、判断の対象がどこまでかを意識することです。与えられた条件に含まれる内容と、経験や印象から補った内容を区別し、同じ範囲を保って考えてみましょう。
確認ポイント
- 判断の対象としている範囲は明確か
- 与えられた条件を超える想定を加えていないか
- 考える途中で対象の範囲が変わっていないか
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解説
本問は、データセンタの運用手順と実際の作業を照合し、専門部署への対応依頼、温度上昇の早期警告、入室者の本人確認、変更成功後のCMDB更新という管理上の要点を問う問題です。
問題の全体像
U社のデータセンタで、空調機のインシデント、外部保守作業者の入室、新規システムの受入れに伴う構成情報の不一致が発生しています。公式の出題趣旨では、インシデント対応、入室管理、設備・機器管理を通じて、ITサービスマネージャの実務的管理能力を問うとしています。解答では、表に定めた対応条件、入室を許可された人物の確認、変更作業とCMDB更新の順序を、本文の事実に結び付けることが重要です。
設問1(1)
表1の「段階的取扱い」と実際の対応を照合します。障害対応マニュアルに対応指示がなかったため、専門部署への依頼条件①に該当します。また、警告は優先度「低」で目標復旧時間は8時間以内なので、22時に受け付けた場合の期限は翌朝6時です。翌朝8時の会議まで依頼しなかった対応は、期限内に回復できないおそれがある場合の条件③にも反します。公式解答例では、①及び③の状況なのに専門部署へ回復処理を依頼しなかった点を挙げています。50字以内の答案例は「対応指示がなく目標復旧時間内の回復も危ぶまれるのに、専門部署に回復処理を依頼しなかった。」です。
設問1(2)
表2では、定期的な温度状況表示は「通知」であり、インシデントとして扱われません。一方、温度基準値を超えてからの表示は「異常」です。温度上昇を早期発見するには、異常になる前に注意を促す仕組みが必要です。公式解答例では、温度警告用のしきい値を設定し、定期表示の測定値がそれを超えた場合にメッセージの種類を「警告」に変更します。60字以内の答案例は「温度警告用のしきい値を設定し、定期表示時に測定温度がしきい値を超えたら、表示メッセージを警告に変える。」です。しきい値の設定と、超過時の表示種類の変更をセットで書きます。
設問2
表3の作業手順④では、入室受付票と承認済み申請内容の照合が既に規定されています。しかし、書かれた内容が一致しても、来訪した人物が承認された作業者本人とは限りません。そこで、入室カードを発行する前に本人確認を行います。公式解答例では「作業者が本人であることの確認を行う」又は「作業者の識別情報を認証する」としています。30字以内の答案例は「作業者が本人であることの確認を行う。」です。採点講評では、事前申請者への確認やアクセス権の設定内容確認は誤った解答として挙げられており、確認対象が来訪した作業者本人であることを明確にします。
設問3(1)
V氏がCMDBを更新した時点に着目します。本文では、変更が承認された後、変更を展開する前に、新規収容機器の情報を登録しています。その後の展開作業は失敗し、保守端末の収容も中止されて元に戻されたため、CMDBの登録と実物が食い違いました。公式解答例では、変更の展開前にラック収容情報を登録し、CMDBを更新したことを原因としています。50字以内の答案例は「変更の展開前に、新規収容機器の情報をラック収容情報として登録し、CMDBを更新したから。」です。作業ミスだけを述べず、設問が指定するV氏の更新作業とその時点を示します。
設問3(2)
再発防止では、変更の承認と展開の成功を区別する必要があります。承認は作業を実施してよいという判断であり、予定した機器が実際に収容されたことを示しません。成功する前にCMDBを更新すると、今回のように作業が失敗して元に戻された際、実際の構成と記録が一致しなくなります。公式解答例では「CMDBの記録は、変更の展開の成功後に更新する。」としています。この内容は30字以内に収まります。採点講評では、サービスマネジメントのプロセス間のインタフェースの理解不足を指摘しています。変更管理で確認した展開の成功を、構成情報の更新条件として明確にすることが要点です。
学習のポイント
手順の適用条件と時刻を照合する力、本人確認の役割、変更管理と構成管理をつなぐ更新順序を学びましょう。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成26年度秋期 ITサービスマネージャ試験 午後Ⅰ 問3(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例 / 採点講評)
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