SMITサービスマネージャ試験 午後Ⅰ
平成26年度秋期 ITサービスマネージャ 午後Ⅰ 問2
事例を読んで設問の答えを考えてから、解説のポイントとIPA公式の解答例・採点講評で確認しましょう。
問題



解き方のヒントを見る
判断の前提となる条件の整理
この分野を学ぶ際は、判断の前提となる条件が何かという一点に注目しましょう。扱われている事柄と、その判断が成り立つ条件を分けて捉え、条件が明示されているのか、自分で補っているのかを確かめます。
この問題で問われていること
判断に必要な条件を、与えられた情報の中で確かめることに集中してください。知識や経験から自然に思い浮かぶ前提も、ここで示された条件とは区別し、どの条件に基づく判断なのかを意識して考えましょう。
視点
同じ話題でも、判断の前提が異なれば検討の範囲は変わります。まず条件として示されている内容を押さえ、書かれていない条件を無意識に加えていないか振り返りましょう。
確認ポイント
- 判断の前提となる条件を捉えているか
- 示された条件と自分の想定を区別しているか
- 考えている判断がどの条件に基づくかを意識しているか
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解説
本問は、合意した応答時間を守る回線・運用対策、需要増加に伴う必要台数の計算、新サービスの需要予測と配付時の影響を問う。設備増強の目的と数値的な根拠を示し、事業の変化に合わせて計画を見直すことが要点となる。
問題の全体像
R社は、加盟店とオンラインサイトにカード決済サービスを提供している。オンライン利用の拡大で共有回線に遅延が生じ、計画外の大口サイト追加で保管容量が増え、さらに電子サインサービスの導入も予定されている。出題趣旨では、事業計画を将来の要求に反映する事業のキャパシティ管理、合意した応答時間などを満たすサービスのキャパシティ管理、設備の能力・容量を計画するコンポーネントのキャパシティ管理を挙げている。各設問では、サービス目標、要求基準による計算、需要や運用の変化という観点を使い分ける。
設問1(1)
着目するのは、加盟店決済サービスの応答時間について営業部と合意している点と、一括決済サービスのデータ増加によって共有回線で遅延が発生している点です。一括決済の要求と回答を増設回線に通す目的は、加盟店決済サービスへの影響を抑え、合意した応答時間を保証することにある。公式解答例でも、このサービス目標の保証を理由としている。採点講評では、サービスのキャパシティ管理では応答時間などのサービス目標の達成が重要であると指摘している。40字以内の答案例は「営業部と合意した加盟店決済サービスの応答時間を保証するため。」となる。
設問1(2)
着目するのは、一括決済のバッチ処理を現在は1時間に1回起動していることと、処理結果の回答期限には余裕があることです。0時から12時までの受付分は18時まで、12時から24時までの受付分は翌日6時までに回答すればよく、毎時間結果を返す必要はない。したがって、回答期限を満たす範囲で繁忙時間帯を避けてバッチ処理を実行すれば、リアルタイム決済との回線利用の集中を緩和できる。公式解答例では、繁忙時間帯にはバッチ処理を起動しないとしている。40字以内の答案例は「一括決済サービスのバッチ処理を繁忙時間帯には起動しない。」となる。
設問2
表1の2013年12月末の予測値と、表2の要求基準を使って、当初計画と大口サイト追加後を比較する。当初の業務サーバへの要求は、加盟店200店×0.1件/秒+オンライン20サイト×1件/秒=40件/秒で、1台30件/秒なので2台必要です。追加サイトは既存サイトの5倍なので、追加後は45件/秒となり、2台のままで足りる。DBサーバはカード利用者500万人で、増設基準の750万人を超えないため1台のままです。ディスク容量は、会員情報が500万人÷1万人×20Mバイト=10、000Mバイト、加盟店の利用履歴が200店×100Mバイト=20、000Mバイト、オンラインサイトの利用履歴が20サイト×500Mバイト=10、000Mバイトで、当初は合計40Gバイト、4台を計画する。追加サイトの利用履歴は利用頻度5倍により2、500Mバイト増えるので、必要容量は42.5Gバイトとなり、当初計画より2.5Gバイト不足する。公式解答例では、この不足を根拠にディスク装置を1台増設するとしている。採点講評でも、単に余裕を持たせるのではなく明確な根拠を示すことを求めている。50字以内の答案例は「2013年12月末に容量が2.5Gバイト不足するため、ディスク装置を1台増設する。」となる。
設問3(1)(a)
着目するのは、L氏が加盟店の1割の利用を前提に容量を計算している一方、営業部は導入キャンペーンで利用を拡大する予定である点です。電子サインは利用履歴の一部としてディスク装置に保管されるため、利用加盟店が想定を上回れば必要容量も増える。さらに、増設予定は2014年5月だが、営業部の詳細な需要予測は6月であり、増設計画に最新の需要が反映されないおそれがある。公式解答例では、1割を想定した計画によるディスク容量の不足をリスクとしている。40字以内の答案例は「加盟店の1割を前提とした計画では、導入拡大でディスク容量が不足する。」となる。
設問3(1)(b)
対策は、営業部が更新する需要予測を必要容量に反映し、適切な時期にキャパシティ計画を見直すことです。本文では2014年6月に需要予測と詳細計画を策定し、7月からサービスを開始する予定なので、更新された需要と確保済み容量を比較する必要がある。また、増設作業はあらかじめ決めたサービス停止期間中に行う条件があるため、見直しの時期には必要な増設を実施できるかも考慮する。公式解答例も、営業部の需要予測に基づく適切なタイミングでの計画見直しを挙げている。40字以内の答案例は「営業部の需要予測に基づき、適切な時期にキャパシティ計画を見直す。」となる。
設問3(2)
着目するのは、加盟店が営業している日中に、1台当たり5Mバイトのプログラムを配付する点です。加盟店の回線は64kビット/秒であり、配付通信と通常の決済通信が同じ回線を利用すると、決済の応答時間に影響するおそれがある。電子サインデータの送信について回線見直しが不要という判断は、プログラム配付時にも影響がないことを意味しない。公式解答例では、配付開始による加盟店向けサービスの応答時間への影響をリスクとしている。採点講評では、リリース計画段階で影響や関連リスクを評価することに触れている。40字以内の答案例は「プログラム配付の通信が決済通信と競合し、加盟店向けサービスの応答が遅れる。」となる。
学習のポイント
サービス目標と設備増強を結び付け、処理能力・増設基準・保管容量を区別して計算する。需要予測の更新とリリース時の既存サービスへの影響も押さえる。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成26年度秋期 ITサービスマネージャ試験 午後Ⅰ 問2(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例 / 採点講評)
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