SMITサービスマネージャ試験 午後Ⅱ
平成25年度秋期 ITサービスマネージャ 午後Ⅱ 問2
事例を読んで設問の答えを考えてから、解説のポイントとIPA公式の解答例・採点講評で確認しましょう。
問題
解き方のヒントを見る
判断に用いる前提をそろえる
品質について考えるときは、判断の前提がそろっているかに注目しましょう。与えられた情報から確かめられることと、自分で補った想定を区別し、同じ前提のまま検討できているかを確認すると、考えを整理しやすくなります。
この問題で問われていること
この分野では、経験や一般的なイメージを、与えられた条件と混ぜずに扱うことを意識してください。判断の理由を振り返り、その理由がどの情報に支えられているかを確かめるという、一つの観点で考えを点検しましょう。
視点
前提とは、考えを進める土台となる条件です。自分の知識から補った想定が含まれる場合は、与えられた条件と区別して意識すると、判断の根拠を見失いにくくなります。
確認ポイント
- 判断の理由を、与えられた情報に結び付けられているか
- 明示された条件と、自分が補った想定を区別しているか
- 考える途中で、判断の前提を無意識に変えていないか
正解と解説を見る
解説
本問は、外部委託業務の品質がITサービスに及ぼす影響を踏まえ、双方での協議と品質の合意、継続確保上の課題と施策、実行時に把握した問題と対策を具体的に論述する問題です。委託元又は委託先のITサービスマネージャとして、業務遂行面と管理面の両方を説明することが要点です。
問題の全体像
本問は、ITサービスの提供に必要な業務の一部を外部委託する状況を扱っています。委託業務の品質は顧客や利用者に提供するITサービスの品質に影響するため、委託元と委託先で品質を協議・合意し、継続的に確保する必要があります。添付の公式資料は答案例ではなく出題趣旨であり、特定の事例や施策を唯一の正答として示してはいません。出題趣旨では、委託元又は委託先のITサービスマネージャの立場から具体的に論述することを求め、折衝能力、課題把握能力、対策立案能力などを評価するとしています。設問アでサービス・委託業務・立場・品質への影響を示し、設問イで協議事項・合意品質・課題・施策を説明し、設問ウで施策の実行時に把握した問題・経緯・対策を述べる構成です。採点講評では、要求事項への回答漏れや管理面の対策の不足を指摘しており、各設問の要素を具体的に書くことが重要です。
設問ア
着目するのは、「ITサービスの概要」「外部委託業務の概要」「品質がITサービスの品質に与える影響」「あなたの立場」の四つです。800字以内で、まず委託元か委託先かを明示し、ITサービスマネージャとしての役割を説明します。次に、誰にどのようなサービスを提供しているか、その提供に必要な業務のうち何を外部委託しているかを述べ、委託業務の品質がサービスの品質にどう影響するかを結び付けます。例えば、委託業務の遅延や誤りが利用者の業務やサービス水準に及ぼす影響を説明すると、品質確保の必要性が伝わります。これは記述の観点の例であり、自分の経験に合う内容を選びます。採点講評では、ITサービスの概要としてシステム構成、アプリケーション機能、顧客ビジネスなどの説明に終始する答案を指摘しています。そのため、背景説明は必要な範囲に絞り、提供しているITサービスと委託業務の品質との関係に字数を配分してください。
設問イ
「品質の合意に当たって協議したこと及び合意した品質」と「継続的に確保する上での課題及び品質確保策」を分けて整理し、800字以上1、600字以内で具体的に述べます。問題文は、委託業務の内容だけでなく、ITサービスの特徴や顧客とのSLAへの影響を考慮して協議する必要があるとしています。したがって、何を重視して双方で協議したか、その理由は何か、協議の結果どの品質に合意したかを説明します。数値目標がある経験なら、その対象や測定条件も示すと合意内容が明確になります。続いて、合意品質を維持する際の課題と、それに対応する施策を述べます。問題文に挙げられた作業プロセス、要員確保、品質管理体制などから、自分の事例に該当する課題を具体化し、なぜその施策が必要なのかを説明してください。採点講評では、合意に至る協議内容がない答案や、品質確保上の課題が不明な答案を指摘しています。合意結果や施策の列挙だけで終わらず、協議の判断理由と課題・施策の対応を示すことが、出題趣旨にある折衝能力、課題把握能力、対策立案能力を伝えるポイントです。
設問ウ
対象は、設問イで述べた品質確保策を実行する中で実際に把握した品質上の問題です。「問題」「把握した経緯」「講じた対策」を600字以上1、200字以内で述べます。まず、どの施策の実行時に、合意品質の確保を妨げるどのような問題が生じたかを明確にします。次に、報告、記録の確認、点検など、自分の経験に即して問題を把握した経緯を説明し、問題の原因に対応する対策を述べます。問題文の「業務遂行上の観点だけでなく管理上の観点も含めて」に着目することが重要です。作業手順の修正や個別の教育といった業務遂行面に加え、責任分担、要員配置、確認体制、報告・監視の仕組みなど、該当する管理面の対策を具体化してください。これらは記述の観点の例であり、全てを盛り込む必要はありません。採点講評では、業務遂行面の対策はほぼ論述できていても、管理面の対策を論述した答案はほとんど見受けられなかったとしています。担当者の個別対応だけで終わらず、自分がITサービスマネージャとして品質確保のために何を判断し、どう管理したかを示すことがポイントです。
学習のポイント
各設問の要求を漏れなく整理し、品質の合意に至る協議、課題に対応する施策、問題の把握と管理面を含む対策を、自分の経験と判断に結び付けて説明する練習を重視してください。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成25年度秋期 ITサービスマネージャ試験 午後Ⅱ 問2(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例 / 採点講評)
関連する過去問一覧
IPA Advancedは非公式の学習サイトです。解説にはAIによる補助生成を含む場合があります。公式の問題冊子・解答例・採点講評を優先し、誤りは確認後に訂正します。運営・編集方針