SMITサービスマネージャ試験 午後Ⅰ
平成24年度秋期 ITサービスマネージャ 午後Ⅰ 問2
事例を読んで設問の答えを考えてから、解説のポイントとIPA公式の解答例・採点講評で確認しましょう。
問題







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比較の前提をそろえて考える
費用について考えるときは、示された情報をすぐに結論へ結び付けず、検討の前提がそろっているかに注目しましょう。何を対象にした情報なのかを意識すると、条件を整理しながら落ち着いて考えられます。
この問題で問われていること
この問題では、費用の扱いを考える前に、それぞれの情報が同じ前提で捉えられているかを確認する視点を持ちましょう。記載された条件を手掛かりに、判断に使う情報の範囲がぶれていないかを確かめてください。
視点
情報を比較する際には、その情報がどの範囲を対象としているかを意識することが大切です。検討の途中でも同じ範囲を保っているか、与えられた条件に立ち返って整理しましょう。
確認ポイント
- 判断の対象となる範囲を意識できているか
- 情報の前提を記載された条件に基づいて捉えているか
- 検討の途中で対象の範囲を変えていないか
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解説
要求の流れを踏まえると、追加購入が必要なのはWebサーバだけです。定率法による年度別の償却費と人件費削減を比較し、共用するインターネット接続費用はシステム間で配賦することが要点です。
問題の全体像
Y電鉄は、列車とホテルの業務を支える総合予約システムを運用しています。アクセス増加への設備投資、バックアップ自動化による運営費用削減、ネットワーク関連費用の割当てが検討課題です。公式の出題趣旨では、投資判断に関わるキャパシティ管理、費用の分類と明確化、予算の策定・管理の能力を問うとされています。要求の流れから必要な設備を判断し、減価償却を含めて年度別費用を比較し、共用費用の負担を適切に分ける問題です。
設問1(1)(a)
公式解答例では「APサーバ」です。表4ではインターネット予約が毎年3要求/秒、サイト閲覧が毎年0.5要求/秒増えているので、2012年度の予測はそれぞれ19要求/秒と2.5要求/秒です。表1によると、サイト閲覧はWebサーバだけで完結します。APサーバ群のインターネット予約用の処理能力20要求/秒は19要求/秒を処理でき、窓口予約用の10要求/秒も予測値7要求/秒を処理できるため、APサーバの追加購入は不要です。一方、Webサーバ群には合計21.5要求/秒が到達するので、現在の18要求/秒では不足します。
設問1(1)(b)
表1の要求の流れと、サイト閲覧はWebサーバだけで要求が完結するという注記に着目します。公式解答例では、APサーバが処理するWebサーバ経由の要求にサイト閲覧は含まれないことを理由としています。45字以内では「APサーバが処理するWebサーバ経由の要求にサイト閲覧は含まれないから。」とまとめられます。採点講評では、合計21.5要求/秒が全てAPサーバで処理されると誤解し、処理能力の割当て変更で対応する答案が目立ったとされています。Webサーバへの要求合計と、APサーバに到達する予約要求を区別することが重要です。
設問1(2)(a)
追加購入するのはWebサーバ1台です。表3のWebサーバの取得価額は1台5、000千円なので、空欄aは公式解答例の「5、000」となります。追加後のWebサーバ群の処理能力は6×4=24要求/秒となり、予測値21.5要求/秒を処理できます。ここで求めるのは購入費用なので、年間保守費は加えません。
設問1(2)(b)
空欄bは、追加購入分を含めた全サーバの年間保守費です。図1の既存構成はWebサーバ3台、APサーバ2台、DBサーバ1台なので、追加後はWebサーバが4台になります。表3から、4×750+2×1、500+1×3、000=9、000千円です。公式解答例も「9、000」です。表5で別の費目とされている通信機器保守費は、この全サーバ保守費には含めません。
設問1(3)
対象は2012年4月に使用を開始した取得価額5、000千円のWebサーバです。本文の定率法の式に従い、2012年度は5、000×0.5=2、500千円、2013年度は(5、000-2、500)×0.5=1、250千円です。2014年度は(5、000-2、500-1、250)×0.5=625千円となり、公式解答例の「625」に一致します。2014年度は使用開始から3年目であり、取得価額を毎年均等に割るのではなく、未償却の残額に0.5を掛けます。
設問2(1)
経営企画部の目標は、2015年度以降の年間システム運営費用を大幅に削減することです。大容量ディスクの償却費は定率法で年々減るため、早く使用を始めれば、目標年度の償却費負担を小さくできます。2013年度に使用を開始すると償却費は7、500千円、2014年度は3、750千円、2015年度は1、875千円です。公式解答例では、2015年度以降の減価償却費負担を減らし、費用削減効果を高めたいことを理由としています。40字以内では「2015年度以降の減価償却費負担を減らし、費用削減効果を高めるため。」とまとめられます。採点講評でも、特定年度の費用内訳だけでなく、定率法と早期使用開始に着目することが求められています。
設問2(2)(a)
公式解答例では「変更案」が選ばれています。2014年度について、変更案で増える大容量ディスクの費用は、年間保守費2、000千円と2年目の償却費3、750千円の合計5、750千円です。一方、オペレーション要員1名の削減によって年間6、000千円の運用人件費を減らせます。削減額が追加費用を250千円上回るので、変更案が有利です。購入額15、000千円をそのまま2014年度の運営費用に加えるのではなく、その年度の償却費として比較します。
設問2(2)(b)
両案で共通する既存設備などの費用は差額計算で相殺できます。変更案による運用人件費削減は6、000千円、大容量ディスクの年間保守費は2、000千円です。2014年度のディスク償却費は、2013年度の償却費7、500千円を差し引いた残額に0.5を掛け、(15、000-7、500)×0.5=3、750千円となります。したがって、差額は6、000-2、000-3、750=250千円で、公式解答例も「250」です。変更案の年間システム運営費用が現行案より250千円少なくなります。
設問3(1)
表6では、専用線は総合予約システムだけで使用される一方、インターネット接続は電子メールシステムにも使用されると記されています。そのため、インターネット接続費用の全額を総合予約システムに割り当てると、共用費用の負担が適切になりません。公式解答例も、インターネット接続費用は総合予約システムだけで使用している費用ではないことを理由としています。40字以内では「インターネット接続費用は電子メールシステムでも使用しているから。」と、共用されている事実を示します。
設問3(2)
改善には、共用するインターネット接続費用を総合予約システムと電子メールシステムに配賦する仕組みが必要です。公式解答例も、この二つのシステム間で費用を配賦する仕組みを挙げています。40字以内では「総合予約システムと電子メールシステムにインターネット接続費用を配賦する仕組み。」とまとめられます。採点講評では、システムごとの回線使用量を把握可能にすることだけを述べた答案が多かったとされています。使用量の把握にとどめず、サービスに費用を割り当てるところまで示すことが要点です。
学習のポイント
要求数を処理経路ごとに区別すること、定率法で年度別費用を計算すること、共用費用を適切に配賦することを学びましょう。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成24年度秋期 ITサービスマネージャ試験 午後Ⅰ 問2(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例 / 採点講評)
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