SMITサービスマネージャ試験 午後Ⅰ
平成24年度秋期 ITサービスマネージャ 午後Ⅰ 問1
事例を読んで設問の答えを考えてから、解説のポイントとIPA公式の解答例・採点講評で確認しましょう。
問題




解き方のヒントを見る
判断の前提となる条件をそろえる
この分野を検討するときは、判断に使う前提条件がそろっているかに注目しましょう。示された情報の意味を急いで決めず、どの条件の下で成り立つ内容なのかを整理し、考える範囲を確かめてください。
この問題で問われていること
考える際には、与えられた条件と自分が補っている前提を分けて捉えてください。情報を結び付ける前に、同じ前提で扱えるかを確認し、条件が明確でない部分については、決め付けずに保留することが手掛かりになります。
視点
情報の意味は、置かれた前提によって捉え方が変わります。明示された条件と、経験や印象から補った条件を区別し、判断の出発点をそろえて整理しましょう。
確認ポイント
- 明示されている前提条件を押さえたか
- 自分の推測を前提条件に加えていないか
- 情報を結び付ける際に前提がそろっているか
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解説
顧客の要求から設定したサービスレベル目標を、クラウドの契約条件と自社の運用作業によって実現する問題です。稼働率の計算、性能改善と復旧の時間制約、初期提供期間の計画と実績の確認、利用者の満足度を関連付けて読み解きます。
問題の全体像
Z社はオンラインショッピングサイトを新設し、アプリケーションを自社開発、プラットフォームをクラウドから調達します。営業管理部の要求に基づく目標は、応答時間3秒以内、性能低下時の2時間以内の改善、年間の計画外停止50時間以内、5時間以内の復旧、障害検知から30分以内の連絡です。公式の出題趣旨では、顧客の要件を踏まえて目標値を設定・管理し、達成に必要なリソースを調達して適切に対応する能力を問うとしています。各設問では、サービス全体の目標と、事業者の提供条件、自社の確認作業、利用実績との関係を具体的に説明することが重要です。
設問1
表1の計画停止と計画外停止を分けて計算します。年間の総時間は365×24=8、760時間です。計画停止は毎月第3日曜日の23時から翌日8時までの9時間なので、年間9×12=108時間となります。計画停止を除く時間を分母にすると、稼働率は(8、760-108-50)÷(8、760-108)×100=約99.422%で、指定どおり丸めると99.42%です。一方、計画停止を含む年間総時間を分母にすると、(8、760-108-50)÷8、760×100=約98.196%となり、98.20%です。公式解答例では99.42又は98.20が示されています。計算過程では、計画停止を分母から除くか、停止時間として含めるかを明確にします。
設問2(1)①
〔クラウドサービスの活用〕にある、プラットフォーム部分の稼働率を99.9%以上にする必要があるという判断と、表2のA社の標準サービスを比較します。A社の条件は99.5%以上であり、必要な99.9%以上を満たす保証がありません。比較対象はWシステム全体の稼働率ではなく、アプリケーション部分の稼働率を踏まえて求められたプラットフォーム部分の条件です。公式解答例では、この稼働率の不足を理由に挙げています。30字以内の答案例は「プラットフォームの稼働率が99.9%未満だから。」です。
設問2(1)②
表1では、障害検知から30分以内に営業管理部へ連絡することを求めています。しかし、表2のA社の標準サービスには、障害発生時の連絡時間の規定がありません。この条件では、プラットフォームの障害について事業者から適時に連絡を受け、営業管理部への連絡目標を達成できる裏付けが得られません。B社には障害検知から15分以内という規定があります。公式解答例では、A社に連絡時間の規定がないことを理由に挙げています。30字以内の答案例は「障害発生時の連絡時間に規定がないから。」です。
設問2(2)
表1では、応答時間が3秒を超えた場合、システムを停止させずに2時間以内に改善することを求めています。本文では、その改善方法としてCPUやメモリなどの迅速な増強を選んでいます。B社の標準サービスはリソース追加まで1営業日以内なので、2時間以内の改善に間に合う保証がありません。表3のオプションを選べば、依頼から30分以内に追加できます。公式解答例では、3秒を超えた応答時間を2時間以内に改善する必要があることを理由としています。40字以内の答案例は「応答時間が3秒を超えた際に、2時間以内に改善するため。」です。
設問3(1)
表1の復旧時間5時間以内と、表2のプラットフォームの復旧時間4時間以内に着目します。社内ルールでは、システム回復後に全機能の正常動作を確認してからサービスを再開します。自動化しなければ、この確認に1時間30分掛かるため、プラットフォームの復旧に4時間掛かった場合、再開まで合計5時間30分となり、目標を超えます。公式解答例では、プラットフォームの復旧が3時間30分を超えると5時間以内に復旧できない、という説明などが示されています。50字以内の答案例は「プラットフォームの復旧が3時間30分を超えると、確認作業を含め5時間以内に復旧できない。」です。
設問3(2)
本文では、初期提供期間は限定した利用者数に見合うリソースで運用し、本格サービス開始時にリソースを追加する計画です。そのため、初期提供期間には、リソースの使用状況と応答時間の実績値が計画に見合っているかを確認します。応答時間が3秒以内かを確認するだけでは、利用者数に応じたリソース計画の妥当性まで判断できません。公式解答例では、リソースの使用状況と応答時間の実績値を計画と照合することが示されています。採点講評でも、計画や各種実績値への着目と、初期提供期間を設けた意図の理解を求めています。40字以内の答案例は「リソースの使用状況と応答時間の実績値が計画に見合っているか。」です。
設問3(3)
営業管理部の要望は、サービス稼働中に利用者が快適に使用できる環境を提供することです。これを表1の目標と対応付けると、利用者が操作した際のWeb画面の応答性能が該当します。顧客満足度調査では、応答時間の測定値とは別に、その応答性能を利用者がどう感じているかを質問します。公式解答例では「Web画面の応答性能に関する満足度」と示されており、この表現は20字以内に収まります。サイト全般の満足度ではなく、サービスレベル目標に対応する対象を明示します。
学習のポイント
サービス全体の目標を構成要素の条件と運用作業に分解し、時間制約や計画と実績の整合性を確認する力を養います。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成24年度秋期 ITサービスマネージャ試験 午後Ⅰ 問1(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例 / 採点講評)
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