SMITサービスマネージャ試験 午後Ⅰ
平成23年度秋期 ITサービスマネージャ 午後Ⅰ 問3
事例を読んで設問の答えを考えてから、解説のポイントとIPA公式の解答例・採点講評で確認しましょう。
問題


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検討の前提と対象範囲をそろえる
この分野を考えるときは、判断の前提と対象範囲がそろっているかに注目しましょう。扱う場面や条件を整理し、その条件が検討の途中で変わっていないかを確かめると、考えを落ち着いて進められます。
この問題で問われていること
問われている内容について、どの範囲までを対象に考えるかを意識してください。一般的な知識をそのまま当てはめる前に、与えられた条件の範囲で考えているかを確認し、根拠と前提のつながりを整理しましょう。
視点
判断は、その判断が成り立つ条件と合わせて整理すると捉えやすくなります。検討の対象範囲をそろえ、与えられた条件と自分で補った想定を区別して考えましょう。
確認ポイント
- 検討の対象範囲を把握しているか
- 与えられた条件に独自の想定を加えていないか
- 考える途中で前提や対象範囲が変わっていないか
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解説
不要な利用者IDの即時削除と定期確認、共用特権IDの利用者特定、ポートスキャンのログ分析を理解する問題です。ログ管理では個人情報の最小化、1年間の保存、改ざん・削除防止を区別し、IDSの配置は監視対象と処理負荷から判断します。
問題の全体像
A社は、電話やメールで受け付けていた健康食品の注文をWebでも受け付けるため、注文受付システムを導入します。既存のアカウント管理に加え、顧客情報の保護、攻撃の監視、調査に必要なログの保存が課題になります。公式の出題趣旨では、アカウント管理、インターネットからのアクセスログ分析、セキュリティ改善を通じた実務管理能力を問うとしています。各設問では、一般的な対策を列挙するのではなく、本文の手順、セキュリティ要件、図1の配置に結び付けて説明することが重要です。
設問1(1)
削除プロセスの(2)にある「毎月月末のID一覧表更新作業に合わせて」に着目します。退職などで不要になった利用者IDでも、削除申請から月末まで利用可能な状態が続き、不正利用の機会が残ります。公式解答例では、削除申請のあった利用者IDをすぐに削除するとしています。30字以内の答案では、対象と実施時期を明確にし、「削除申請のあった利用者IDを直ちに削除する。」とまとめられます。
設問1(2)
IDの付与と削除が上長からの申請に基づく点に着目します。申請による管理だけでは、削除申請の漏れや登録内容の不一致を見逃すおそれがあるため、実際の登録内容を定期的に確認する作業が必要です。公式解答例では、システムに登録されている全ての利用者IDを抽出し、登録内容を確認することを挙げています。C氏は登録済みIDの一覧を基に、各上長へ担当社員の登録内容の確認を依頼します。40字以内では、「登録済みの全利用者IDを抽出し、登録内容を確認する。」という粒度で示せます。
設問1(3)
システム部全員が一つの特権IDを共用している点に着目します。共用IDだけでは、誰が特権を使用したのかを区別できません。個人の利用者IDでログインしてから切り替える仕組みは、特権IDの利用を個人に結び付けるためのものです。公式解答例では、特権IDの利用者を特定できるようにすることを理由としています。25字以内では、「特権IDを使用した個人を特定するため。」とまとめられます。
設問2(a)
分析手順②の「同一の[a]から」に着目します。ポートスキャンを疑う通信をまとめるには、同じ送信元から発生していることを確認します。図2の項目で通信の送信元を表すのは「発信元IPアドレス」です。公式解答例でも、aは「発信元IPアドレス」としています。発信元ポート番号ではなく、送信元の識別に用いるIPアドレスを選びます。
設問2(b)
「複数の[b]へのログが短時間に大量に発生」という条件と、調査対象がポートスキャンである点を結び付けます。ポートスキャンでは、相手の複数のポートへ通信を試み、利用可能なサービスなどを調べます。そのため、同じ発信元から異なる宛先ポートへの通信が集中しているかを確認します。公式解答例では、bは図2の「宛先ポート番号」です。宛先IPアドレスとの取り違えに注意してください。
設問3(1)
セキュリティ要件(3)の「顧客情報などの個人情報は、必要最小限にする」に着目します。リカバリ用のDB更新ログをそのまま流用すると、復旧のために記録された多くの個人情報をアクセスログとして保存することになります。公式解答例では、多くの個人情報を含み、セキュリティ要件に反することを理由としています。新しいDBアクセスログでは、利用者IDや対象データのキー項目など、調査に必要な項目を保存します。30字以内では、「DB更新ログは個人情報が多く、要件に反するため。」と示せます。
設問3(2)
セキュリティ要件(2)の「1年間保存」と、ログ管理の「ディスク容量の制約」を結び付けます。ディスクに長期間分を蓄積できないため、磁気テープへ退避して、必要な保存期間を確保します。公式解答例では、容量制約のある中でログの1年間保存に対応することを目的としています。採点講評では、直近1か月分がディスクに残るため、月ごとの退避は改ざん防止対策にはならないと指摘しています。35字以内では、「ディスク容量の制約下でログを1年間保存するため。」とまとめられます。
設問3(3)
図1でLAN2がWebサーバを置く非武装セグメントであることと、セキュリティ要件(4)のログの改ざん・削除防止に着目します。外部向けのWebサーバと同じセグメントにログサーバを配置すると、外部からの不正アクセスにより、調査の証拠となるログが改ざん・削除されるおそれがあります。公式解答例でも、この危険を問題点としています。40字以内では、「外部からの不正アクセスでログを改ざん・削除されるおそれ。」と、原因と被害を具体的に示せます。
設問4(場所)
図1のFWとWebサーバの位置関係を確認します。LAN1はFWで遮断される通信も流れる外部接続セグメント、LAN2はFWを通過してWebサーバへ届く通信が流れる非武装セグメントです。Webサーバへの通信を監視し、IDSの解析負荷も抑える配置として、公式解答例では「LAN2」を選んでいます。LAN3では、インターネットからLAN2のWebサーバへ向かう通信を直接監視する配置になりません。
設問4(理由)
本文末尾の、トラフィックが増加するとIDSの侵入検知機能が停止するおそれがあるという制約に着目します。LAN2では、FWが遮断した通信を解析対象から除き、許可された通信に対象を絞れるため、LAN1に置く場合よりIDSの負荷を軽減できます。公式解答例でも、この負荷軽減を理由としています。HTTPSだけを許可していても改ざんが発生した事例から、許可された通信も監視対象になると読み取れます。40字以内では、「FWが許可したパケットだけを解析し、IDSの負荷を軽減するため。」と示せます。
学習のポイント
各対策の目的をセキュリティ要件と対応付け、ネットワーク図と運用上の制約から具体的な答案を導く練習をしてください。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成23年度秋期 ITサービスマネージャ試験 午後Ⅰ 問3(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例 / 採点講評)
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