SMITサービスマネージャ試験 午後Ⅰ
平成23年度秋期 ITサービスマネージャ 午後Ⅰ 問2
事例を読んで設問の答えを考えてから、解説のポイントとIPA公式の解答例・採点講評で確認しましょう。
問題






解き方のヒントを見る
性能予測と監視を整理する視点
キャパシティ管理では、将来の需要や資源余力を見通す観点と、実際の状態を継続的に把握する観点を分けて整理し、テストで得た根拠との関係にも注目します。各活動の役割を混同しないことが大切です。
この問題で問われていること
一つの観点として、予測・監視・テストがそれぞれ何を明らかにする活動なのか、対象と得られる根拠の違いを問題文の表現と照らして確認してください。特に、扱う時間軸と観測方法に注目します。
視点
概念を整理するときは、将来を見通す活動、現在の状態を測る活動、条件を与えて確かめる活動を混同せず、それぞれの目的と得られる情報の役割を切り分けて考えます。
確認ポイント
- 対象としている時間軸を確認する
- 得られる情報の種類を整理する
- 活動の目的と根拠の関係を確認する
正解と解説を見る
解説
将来の会員構成と端末別負荷を基に、WebサーバのCPU使用率やディスク増設量を計算する。さらに、ピーク時間帯の競合処理による応答遅延を防ぐテスト、暫定対策、応答時間の監視方法を問う問題です。
問題の全体像
F社はPC会員と携帯会員が利用する予約システムを運用し、携帯会員の増加と新サービスの導入を計画している。設問1では将来需要に対するCPU使用率とディスク容量を算出し、設問2ではピーク時に高負荷プログラムが同時実行される問題へのテストと暫定対策を考える。設問3では、既存のCPU・メモリ・ディスク使用率だけでは発見できなかった応答遅延を検知する管理項目と判定方法を問う。出題趣旨では、将来需要に適合させるキャパシティ管理と、性能問題への実務的な対策が重視されている。
設問1(1)
現在のWebサーバCPU使用率48%を基準に、端末別のピーク時トランザクション量とCPU使用時間の比率を反映する。現在の負荷をPC1.0+携帯0.5×1.2=1.6、1年後の負荷をPC0.9+携帯1.2×1.2=2.34と置く。したがって、48×2.34÷1.6=70.2%となり、小数第1位を四捨五入して70%です。携帯電話のCPU使用時間がPCより1.2倍である点を、単なるトランザクション数の増加に加えて考えることがポイントです。
設問1(2)
現在のディスク容量は300GB×10台=3、000GBで、ファイル使用量は合計1、200GBです。1年後は、座席マスタ200×1.2=240GB、会員マスタ300×1.4=420GB、座席予約700×1.5=1、050GBとなり、合計1、710GBになる。磁気ディスク使用率をしきい値50%以下にするには、必要容量は1、710÷0.5=3、420GB以上です。1台300GBなので12台必要となり、現在の10台から2台増設する。
設問2(1)
機能テストと、ピーク時間帯を想定した性能テストは実施されていたが、予約状況表示プログラムは性能テストの対象になっていなかった。実際の障害は、ピーク時間帯にこの高負荷プログラムがAPサーバで動作したことで発生したため、予約システムの性能テスト中に予約状況表示プログラムを実行するテストが必要です。40字以内では、ピーク時の通常処理と高負荷処理の同時実行を簡潔に押さえる。公式解答例もこの同時実行のテストを示している。
設問2(2)
応答遅延は、ピーク時間帯に予約状況表示プログラムが実行されたことが直接の発生条件です。したがって、営業部と調整した上で、予約状況表示プログラムをピーク時間帯に実行しない運用に変更する。公式解答例では、ピーク時間帯にかかる実行を禁止する内容としている。
設問3(1)
既存の管理項目はCPU使用率、メモリ使用率、磁気ディスク使用率です。しかし今回の問題では、これらの資源使用率だけでは、利用者が体感するサービスの遅さを直接把握できなかった。したがって、追加すべき管理項目は応答時間です。
設問3(2)
応答遅延の予兆を検知し、是正処置につなげるには、応答時間について許容範囲を定め、測定値がそのしきい値を超えたか判定できるようにする。公式解答例では、応答時間のしきい値を判定条件として設定する内容を示している。30字以内では、応答時間の測定、しきい値、超過時の対応という関係を意識する。
学習のポイント
需要予測、資源使用率の計算、性能テスト、応答時間の監視を重点的に学ぶ。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成23年度秋期 ITサービスマネージャ試験 午後Ⅰ 問2(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例 / 採点講評)
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