SMITサービスマネージャ試験 午後Ⅱ
平成22年度秋期 ITサービスマネージャ 午後Ⅱ 問1
事例を読んで設問の答えを考えてから、解説のポイントとIPA公式の解答例・採点講評で確認しましょう。
問題
解き方のヒントを見る
判断の前提となる条件に着目する
この分野を考える際は、判断の前提となる条件に着目しましょう。用語の印象だけで結論を急がず、与えられた情報のうち、どの条件を根拠として考えているのかを整理すると、検討の軸を保ちやすくなります。
この問題で問われていること
検討の焦点は、考えの根拠にした条件が、与えられた情報に基づいているかという点です。自分が補った想定と明示された条件を分け、何を前提として判断しようとしているのかを確かめてください。
視点
判断を支える前提は、与えられた情報と自分が補った想定に分けて整理できます。自分の理解の中で両者が混ざっていないかを振り返り、根拠となる条件を言葉にしてみましょう。
確認ポイント
- 判断の根拠にした条件を言葉にできているか
- その条件が与えられた情報に含まれているか
- 自分が補った想定を前提に混ぜていないか
正解と解説を見る
解説
CMDBの情報不足、更新不備、使い勝手などがITサービスに与えた影響を分析し、原因に対応する改善、その効果と評価、更なる活用の課題を一貫して論述する問題です。
問題の全体像
本問は、あなたが携わったITサービスでのCMDB利用を題材に、問題の分析から改善の実施、効果の評価までを論述する問題です。問題文では、管理対象にハードウェアやソフトウェアだけでなく、顧客情報、運用手順書、SLAなども含めています。また、構成品目そのものに加え、それらの関係を管理することが、顧客対応や障害回復、設備変更に役立つとしています。したがって、機器台帳を整備したという説明だけでなく、どの業務でどの情報を必要とし、情報管理の不備がサービスにどう影響したかを示すことが重要です。入力に示された出題趣旨では、CMDBの内容、運用方法、利便性などの改善と、その具体的な効果、今後の課題を通じて、ITサービスマネージャの問題分析能力、改善策の立案能力・遂行能力などを評価するとしています。個別の模範答案を再現するのではなく、設問アの原因、設問イの対策、設問ウの結果がつながる構成で書きます。
設問ア
800字以内で、ITサービスの概要、CMDBの利用で発生した問題、その原因を示します。まず、サービスの利用者、提供内容、運用体制、自身の担当を簡潔に説明し、問題が起きた利用場面を明確にします。着目するのは、問題文の「必要な情報がCMDBに登録されていない」「情報が更新されていない」「使い勝手が悪い」という原因と、サービス停止の長期化などの影響との関係です。例えば、障害対応時に連絡先を確認できなかったという経験を書くなら、何の連絡先が不足し、どの対応が遅れたのかを具体化します。さらに、登録対象の定義不足、変更時の更新手順の欠落、更新責任の曖昧さなど、自身の事例に即して原因を掘り下げます。これらは論述の組立て例であり、固定の正答ではありません。字数内では、サービス説明を必要最小限にし、後の改善につながる問題と原因に重点を置きます。出題趣旨に示された問題分析能力を伝えるには、発生した事象と、その事象を生んだ原因を区別して説明することが大切です。
設問イ
800字以上1、600字以内で、設問アの原因に対応して実施した改善を、工夫した点を中心に具体化します。問題文が示す改善の観点は、利用場面に応じた構成品目と関係の追加、運用ルールの徹底、利用目的に応じたツールなどの導入です。全てを列挙する必要はなく、自身の問題を解決するために選んだ対策について、選定理由と実施方法を書きます。例えば、情報不足への対策なら、利用部門と必要な情報を確認し、顧客・サービス・IT機器の関係をどう登録したかを説明します。更新不備への対策なら、更新の契機、担当者、確認方法をどう定め、実際の運用に定着させたかを示します。自動収集や期限通知を導入した場合も、導入したという事実に加え、対象範囲や通知後の対応まで説明すると、改善の実行内容が明確になります。工夫としては、登録負荷を抑えるための項目の絞込み、既存情報の照合、利用者への教育など、自身が判断して行ったことを理由とともに記述します。出題趣旨が挙げる立案能力・遂行能力を伝えるには、対策と原因の対応、導入時の課題への対処、自身の役割を明らかにすることが重要です。
設問ウ
600字以上1、200字以内で、設問イの改善による具体的な効果、その評価、更なる活用に向けた課題を述べます。着目するのは、問題文がCMDBの活用目的として挙げる、ITサービスの各プロセスを効率よく的確に行うことです。したがって、登録件数が増えたという説明だけでなく、必要な情報を探す時間、障害時の連絡や復旧に要する時間、期限切れに伴う停止の発生状況など、設問アの問題に対応する変化を示します。これらは評価指標の例であり、自身の事例で確認できる指標を用います。数値を示す場合は測定期間や比較条件を添え、数値がない場合も、対応記録などに基づく具体的な変化を説明します。その上で、当初の目的をどの程度達成したか、運用負荷などに残る問題はないかを評価します。更なる活用の課題では、管理対象や関係情報の拡充、情報の正確性の維持、他の業務での利用などから、自身のサービスに必要な事項を選び、必要性と対応方針を示します。出題趣旨が求める効果と今後の課題を満たすには、実施済みの改善で得た結果と、今後取り組む内容を区別し、一連の改善をサービスへの貢献として説明することが大切です。
学習のポイント
構成品目と関係の管理、更新責任と運用ルール、利用目的に応じた自動化を、サービス品質の改善に結び付けて説明する力を養います。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成22年度秋期 ITサービスマネージャ試験 午後Ⅱ 問1(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例 / 採点講評)
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