SMITサービスマネージャ試験 午後Ⅰ
平成22年度秋期 ITサービスマネージャ 午後Ⅰ 問3
事例を読んで設問の答えを考えてから、解説のポイントとIPA公式の解答例・採点講評で確認しましょう。
問題



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検討する対象と範囲をそろえる
この分野を検討するときは、扱っている対象と範囲をそろえることに注目しましょう。同じ言葉が使われていても、どこまでを含めているかによって意味が変わるため、前提を丁寧に確かめることが大切です。
この問題で問われていること
考える際には、そこで扱われている内容がどの範囲を指しているかを意識しましょう。範囲を自分の思い込みで広げたり狭めたりせず、示された条件に照らして、同じ範囲の中で検討できているかを確認します。
視点
対象と範囲は、考察の出発点となる前提です。扱う範囲が途中で変わっていないかを意識すると、与えられた条件に沿って考えを整理しやすくなります。
確認ポイント
- 扱う対象と範囲を確認したか
- 示された範囲を思い込みで広げたり狭めたりしていないか
- 検討の途中で範囲が変わっていないか
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解説
本問は、インシデント履歴を活用したFAQの改善、初期診断による連絡経路の削減、サポートツールの整備による一次窓口解決率の向上、回答までの時間の管理を扱う。各対策を、本文で示された問題と結び付けて具体化することが要点です。
問題の全体像
D社のサポートセンタは、営業店舗と法人会員から販売システムに関する問合せを受け付け、初期診断やFAQの参照を行い、必要に応じて専門部署に対応を依頼している。事例では、FAQの不適合、余分な連絡経路、営業店舗チームの一次窓口解決率の未達、法人会員への回答の遅さが改善対象となっている。公式の出題趣旨では、サポートツールの使用、インシデント管理、管理指標の設定・評価分析、顧客満足度を向上させる管理能力を問うとしている。
設問1(1)
公式解答例では、aは「インシデント履歴」です。本文の〔サポートセンタの概要〕では、FAQに適合した場合、問合せ内容と参照したFAQ番号をインシデント履歴に記録するとある。この記録を分析すれば、一定期間以上参照されていないFAQ項目を抽出できるため、〔FAQの改訂〕の分析元に当てはまる。
設問1(2)
窓口担当者の要望は、FAQが問合せ内容に適合しない場合が多く、記録に手間が掛かるというものです。本文では、不適合の場合に問合せ内容、回答内容、FAQ不適合の旨をインシデント履歴に記録している。公式解答例では、この履歴からFAQ不適合のものを抽出し、当該問合せと回答内容をFAQに追加する。既存の削除方法や事前予測だけでは補えていない、実際の問合せを反映する改善です。55字以内の答案例は「インシデント履歴からFAQ不適合の問合せと回答内容を抽出し、FAQに追加する。」となる。
設問2(1)
対応例では、サポートセンタが不具合箇所を特定できずにシステム運用課へ依頼し、その後、システム運用課が営業店舗にルータの状態を確認している。ルータの異常を示すランプが点灯していたことが、ネットワーク保守課への依頼につながっている。公式解答例では、サポートセンタが営業店舗にルータの状態を確認し、異常があればネットワーク保守課に対応を依頼する。受付時のヒアリングでこの確認を行えば、依頼先を早く特定できる。50字以内の答案例は「ルータの状態を営業店舗に確認し、異常があればネットワーク保守課に対応を依頼する。」となる。
設問2(2)
公式解答例では、連絡経路数は「4」です。設問2(1)の見直しによって、受付時にルータの異常を確認し、サポートセンタからネットワーク保守課へ直接対応を依頼する。経路は「営業店舗→サポートセンタ」「サポートセンタ→ネットワーク保守課」「ネットワーク保守課→サポートセンタ」「サポートセンタ→営業店舗」の四つとなる。システム運用課を介した依頼や確認が不要になるため、元の六つから四つに減る。
設問3
営業店舗チームの一次窓口解決率は、目標80%以上に対して72%です。下線(ア)では、業務アプリケーションの問合せが増え、その都度アプリケーション保守課へ依頼していたことが原因として示されている。サポートセンタだけで対応するには、専門部署の診断方法や回答内容を、窓口で使える情報にする必要がある。公式解答例では二つの案が示されている。第一案は「アプリケーション保守課の診断手順の一部を診断スクリプトに反映する。」で、初期診断の能力を高める対策です。第二案は「アプリケーションに関する問合せと回答内容をFAQに反映する。」で、蓄積した回答を窓口で利用できるようにする対策です。いずれも40字以内の別々の答案例であり、どちらか一方を具体的に書けばよい。診断スクリプトとFAQの両方を一つの答案に盛り込む必要はない。
設問4
法人会員の不満は、問合せの受付から回答までに時間が掛かることです。表1の平均応答時間は、着信から窓口担当者が電話に出るまでの時間なので、この不満を直接捉える指標ではありません。また、本文では専門部署からの回答に時間が掛かっており、解決時間の目標値を設定する対象は重要トラブルに限られている。公式解答例では、二つの案が示されている。第一案は「サポートセンタで受け付けてから利用者に回答するまでの時間を管理する。」で、利用者が回答を待つ時間全体を管理対象にする。第二案は「すべてのインシデントについて目標解決時間を設定して、管理する。」で、重要トラブル以外にも目標を設けて管理する。いずれも40字以内の別々の答案例であり、どちらか一方を記述する。両案を結合して書く必要はない。
学習のポイント
記録情報を改善に活用する方法と、初期診断・専門部署への依頼・回答時間の管理を学ぶ。複数の解答例は別々の案として理解する。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成22年度秋期 ITサービスマネージャ試験 午後Ⅰ 問3(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例 / 採点講評)
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