SMITサービスマネージャ試験 午後Ⅰ
平成22年度秋期 ITサービスマネージャ 午後Ⅰ 問2
事例を読んで設問の答えを考えてから、解説のポイントとIPA公式の解答例・採点講評で確認しましょう。
問題





解き方のヒントを見る
検討の前提と対象をそろえる
宿泊予約システムの運用を考える際は、まず何を対象に、どのような条件の下で検討するかをそろえましょう。複数の情報に触れる場合も、同じ前提に基づく内容かを確かめ、条件の違いと内容の違いを混同しないことが大切です。
この問題で問われていること
検討する内容ごとに、対象となる範囲や前提条件がそろっているかに注目してください。条件が明示されている部分と、自分が補って考えた部分を区別し、示された情報を共通の前提で扱えるかを落ち着いて確認しましょう。
視点
同じシステムに関する情報でも、検討の対象や条件が異なると、そのまま結び付けて考えられるとは限りません。まず対象と前提を短く整理し、明示されていない条件を自分で付け加えていないかを見直しましょう。
確認ポイント
- 検討の対象と範囲を確認したか
- 判断に用いる前提条件を確認したか
- 示されていない条件を補っていないか
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解説
本問では、複数サーバによるサービス継続、障害サーバへの処理割当て停止、パッチの段階的適用、バックアップを含む保守時間の確保を考えます。販売拡大に対しては、DB負荷の増加と利用者から見た応答時間の管理が要点です。
問題の全体像
C社は約100か所のホテルの宿泊予約を集中管理し、手数料の掛からない自社Webサイト経由の予約方式1を拡大しようとしています。WebサーバとAPサーバ1・2は、片方だけでも処理できる構成ですが、APサーバ3とDBサーバはそれぞれ1台です。出題の狙いは、この構成と運用条件から、サービスを継続できる増強・復旧・保守方法を判断することです。予約方式1の月間平均稼働率99.5%以上、障害検知後の回復時間15分以内という目標に加え、販売拡大時の処理性能と応答時間も検討します。
設問1
公式解答例画像では「増強方式2」に丸印が付いています。表2では、方式1は既存サーバへのCPUやメモリなどの追加、方式2は専用LBによる複数サーバへの処理分散とサーバ追加です。方式2なら、既存サーバでサービスを継続しながら増強できるため、可用性の観点で優れています。現在の方式1で部品を二重化していることは、サービスを継続したまま増強できる根拠にはなりません。公式解答例の理由は「サービス全体を停止させずにサーバの増強が可能だから」であり、30字以内ではこの要素を押さえます。
設問2
図2では、障害状況の確認と再起動の前に行う作業が問われています。着目するのは、LBの監視が5分間隔であることと、設定変更で特定のWebサーバへの処理割当てを停止できることです。監視装置が障害を検知しても、LBが直ちにそのサーバを割当て対象から外すとは限りません。そこで先にWebサーバ1への割当てを止め、正常なWebサーバ2でサービスを継続させます。公式解答例に沿った40字以内の表現は「LBの設定を変更し、Webサーバ1への処理割当てを取りやめる。」です。
設問3(1)
APサーバ1・2は、片方だけでも処理でき、Webサーバからの割当て設定もオンライン中に変更できます。この条件を使えば、一方への割当てを止めてパッチを適用し、その後もう一方を作業できます。公式解答例では、APサーバ1・2を昼間の時間帯に、サービスを停止させず1台ずつ適用する方法が示されています。昼間に作業することで夜間作業のリスクを減らし、残る1台でサービスを継続します。50字以内では「APサーバ1と2は昼間に1台ずつパッチを適用し、他の1台でサービスを継続する。」とまとめられます。
設問3(2)
問題文には、DBサーバの変更前にフルバックアップを取得するルールがあり、取得には1時間必要とあります。今回はDBサーバもパッチ適用対象で、適用にはさらに50分掛かります。最大5台への並行適用が可能でも、DBサーバではバックアップ完了後に変更する順序を守る必要があるため、午前2時から3時までの1時間では完了しません。公式解答例も、事前バックアップが必要なため保守時間内に作業が完了しない点を挙げています。50字以内では「DBサーバの事前バックアップとパッチ適用で1時間を超え、保守時間内に完了しない。」と表せます。
設問4(1)
予約方式1では、予約確定までに空室検索や料金参照が多数行われ、それらもDBサーバを利用します。問題文は、予約方式2・3よりもDBサーバの負荷が高いことを明示しています。したがって、予約方式1の件数が増えると、予約更新だけでなく検索・参照処理も増え、DBサーバの処理性能が不足する可能性があります。公式解答例では、空室検索や料金参照の増加による負荷増加を理由としています。40字以内では「空室検索や料金参照処理の増加でDBサーバの負荷が増えるから。」とまとめられます。
設問4(2)
表3の既存項目は、サービスの可用性と回復時間です。一方、販売拡大への対応では、利用者が快適に空室検索や予約を行えることが求められています。サービスが稼働していても応答が遅ければ、この要求を満たせません。そのため月次レポートには、利用者の操作に対して結果が返るまでの時間を管理する項目を追加します。公式解答例は「サービス利用者から見た応答時間」で、20字以内に収まります。サーバ内部の処理時間だけでなく、利用者から見た時間を示すことが要点です。
学習のポイント
機器単体の信頼性とサービスの可用性を区別し、冗長構成の活用方法、保守作業の依存関係、利用者視点の性能指標を学びます。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成22年度秋期 ITサービスマネージャ試験 午後Ⅰ 問2(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例 / 採点講評)
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