SMITサービスマネージャ試験 午後Ⅰ
平成21年度秋期 ITサービスマネージャ 午後Ⅰ 問3
事例を読んで設問の答えを考えてから、解説のポイントとIPA公式の解答例・採点講評で確認しましょう。
問題




解き方のヒントを見る
判断に使う前提条件をそろえる
運用の工夫を検討するときは、まず判断に使う前提条件がそろっているかを確かめましょう。扱う状況や対象範囲が途中で変わっていないかに注目し、見えている情報と自分で補った仮定を分けて整理します。
この問題で問われていること
検討の焦点は、結論の根拠にする条件を一貫して扱えているかです。与えられた条件を確認し、明示されていない点を無意識に補っていないか振り返りながら、同じ前提の下で考えられる範囲を整理しましょう。
視点
前提条件は、判断の土台となる情報です。自分の経験から想像した状況も、与えられた事実と混ざると根拠が曖昧になります。両者を区別しておくと、どの条件に基づいて考えているかを確かめやすくなります。
確認ポイント
- 判断の前提にした条件は明示されているか
- 途中で対象範囲や状況の想定が変わっていないか
- 経験から補った仮定を事実と混同していないか
正解と解説を見る
解説
本問は、365日稼働を支えるチーム編成、外部データ到着待ちを利用したジョブ構成の変更、監視メッセージ対応工数の削減、バックアップ作業の時間帯変更を扱います。予備時間や遠隔地保管などの条件を維持して改善することが要点です。
問題の全体像
E社は、日中のオンライン処理、バックアップ、夜間バッチ処理をシフト制で運用しています。サービス開始時刻の前倒しと運用オペレータの省人化に向け、チーム編成、ジョブ構成、監視メッセージ、バックアップ方法を見直す事例です。出題趣旨では、これらの具体的な改善策を通じて、オペレーション業務の生産性を向上させる実務的能力を問うとされています。
設問1
公式解答例では12人です。まず、1日3シフトなので、1週間に必要なのは3×7=21チーム分の勤務です。各チームは週1日以上非番とするため、担当できるのは週6日以下となり、必要チーム数は21÷6=3.5を切り上げた4チームです。次に、図1の最大所要人数は2人で、各チームの人数は同一、さらに常に1人分の余裕を見込むので、1チームは2+1=3人です。したがって、4チーム×3人=12人となります。設問の指示に従い、休憩時間は計算に含めません。
設問2(1)
図3では、X社のファイルX01が必要になるのはS23であり、S21とS22はJ1が作成するF14から実行できます。しかし現在は、J2全体の起動条件にX01の作成完了が含まれ、J1終了後に約40分待っています。公式解答例では、S21・S22を別ジョブに分離してJ1終了時に起動する方法、又は両ステップをJ1のS13の後に移す方法が示されています。60字以内の答案例は「J2のS21・S22を別ジョブに分離し、J1終了時に起動する。」です。分離後のS23は、F23とX01の両方がそろってから実行します。
設問2(2)
公式解答例では8時30分です。J2全体は60分、S23は30分なので、S21・S22の合計処理時間は30分です。この30分を、J1終了後の約40分のデータ到着待ち時間に実行できます。変更後は約10分待ってX01を受け取り、S23を実行するため、取込み処理の終了が30分早まります。取込み処理中にほかの処理は実行していないという条件から、夜間バッチ全体も30分短縮され、終了時刻は6時から5時30分になります。そこから必要な3時間の予備時間を確保すると、オンラインサービスは8時30分に開始できます。
設問3(1)
公式解答例では60%です。表の対応方法別の件数に平均対応時間を掛けると、月間の総対応工数は18、694×1+705×3+15×60+17×30=22、219分です。半減させるには11、109.5分以上を削減する必要があります。「対応なし」も確認に1件1分を要するため、この区分の工数は18、694分です。必要な件数削減率は11、109.5÷18、694×100≒59.43%となり、小数第1位を切り上げて60%です。出力件数全体の半分ではなく、対応時間で重み付けした総工数の半分を削減する点が重要です。
設問3(2)
公式解答例では「現在設定しているCPU使用率のしきい値の妥当性」です。本文には、「連絡だけ」となったしきい値超過メッセージのほとんどがCPU使用率の警告であり、しきい値は1年前の導入時から変更されていないとあります。連絡しても対応不要となる警告が多いため、現在の稼働状況に対して設定値が適切かを調査します。30字以内の答案では、対象をCPU使用率と明示し、しきい値の妥当性を確認するという要素を押さえます。調査前に、しきい値を引き上げると断定するのは避けます。
設問4
公式解答例では、磁気ディスクにバックアップを取得し、予備時間帯に磁気テープへコピーする対策が示されています。本文の「磁気ディスクへの取得は早い」「磁気ディスクには十分な空き容量がある」「テープは翌朝9時発で遠隔地へ配送する」という条件に着目します。20~21時はディスクへの取得とし、テープ装置の操作を予備時間帯へ移すことで、短い時間に2人の連携を要する作業を見直せます。テープへのコピーを配送前に完了させ、災害に備えた遠隔地保管も維持します。50字以内の答案例は「磁気ディスクにバックアップを取得し、予備時間帯に磁気テープへコピーする。」です。
学習のポイント
チーム数とチーム人数を分けた計算、ジョブステップの依存関係、件数に対応時間を掛ける工数計算を重点的に学習しましょう。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成21年度秋期 ITサービスマネージャ試験 午後Ⅰ 問3(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例 / 採点講評)
関連する過去問一覧
IPA Advancedは非公式の学習サイトです。解説にはAIによる補助生成を含む場合があります。公式の問題冊子・解答例・採点講評を優先し、誤りは確認後に訂正します。運営・編集方針