SMITサービスマネージャ試験 午後Ⅰ
平成21年度秋期 ITサービスマネージャ 午後Ⅰ 問2
事例を読んで設問の答えを考えてから、解説のポイントとIPA公式の解答例・採点講評で確認しましょう。
問題



解き方のヒントを見る
需要の変化と監視結果を照合する視点
性能監視で得た傾向を、将来の利用量や業務上の要求と照らし合わせ、増強や見直しを考える順序を意識しましょう。個別の方式名や選択肢の表現ではなく、判断材料の関係に注目してください。
この問題で問われていること
一つの指標だけで結論を出さず、観測された負荷・応答の変化と、計画上想定した需要や余裕の関係を確認し、継続的に見直せるかという観点を中心に考えてください。
視点
監視値を単独で評価せず、時間的な傾向と利用状況の変化を並べて整理します。そのうえで、計画時の前提、現在の余裕、将来の見通しが同じ判断につながるかを確認すると、両者の連携を考えやすくなります。
確認ポイント
- 監視対象の変化が、計画時の前提と対応しているか確認する。
- 現在の余裕と将来の需要を、同じ時間軸で見比べる。
- 観測結果を次の計画や見直しへ反映できる流れか確かめる。
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解説
D社の事例は、需要予測とサービスレベルを踏まえ、平常時だけでなく片寄せ運用や運用変更時も含めてキャパシティを管理する問題です。
問題の全体像
D社は、昼間のオンライン業務と夜間のバッチ業務を同じ販売管理システムで運用している。業務サーバは2台構成だが、障害時には1台に処理を集中する片寄せ運用となる。問題文では、警告値によるリソース監視、サービスレベルの確認、運用変更前の性能テスト、障害時のメモリ不足、販売キャンペーンによる需要増加が示されている。出題の狙いは、ビジネス要件とサービスレベルを満たすため、キャパシティ計画を実際の運用・変更・障害対応に結び付けて考える力を問うことです。
設問1(1)
警告値は、基準値に達した後の異常を知らせる値ではなく、性能が急激に悪化する前に対策を始めるための値です。したがって、基準値より低く設定して余裕を持たせる理由を、30字以内で「パフォーマンスが悪化する前に是正処置がとれるから」とまとめる。
設問1(2)
本文では、CPUや磁気ディスクの使用率は監視しているが、オンラインレスポンスの遵守率は業務終了後にログ分析して確認している。そのため、応答性能の要求水準を満たせない状態をリアルタイムに検知できない。キャパシティ計画のサービス面の方針に照らし、「サービスレベルの要求水準を達成するための監視になっていない」と述べる。
設問1(3)
変更管理との連携内容として、単に変更要求を提案するだけでは不十分です。本文後半では、運用変更前に性能テストを行っているため、変更の計画段階で性能への影響を検証する活動を入れる。公式解答例も「変更の計画段階でパフォーマンスへの影響を検証する」としている。
設問2(1)
通常の本番構成での性能テストは実施済みだが、実際の障害時は片寄せ運用で、オンライン処理中にバッチを業務サーバAで実行する条件になる。この条件ではメモリ余裕が異なるため、運用変更前に、片寄せ運用かつオンライン業務中にバッチを実行した場合のピーク時性能を検証しておく必要がある。
設問2(2)
障害時に業務サーバAのメモリ使用量が限界に達し、ページングが多発したことが原因です。CPU使用率やディスク使用率だけではこの危険を捉えられないため、日常のリソース管理項目に「サーバの実メモリ使用状況」を追加する。
設問2(3)
暫定対応は、片寄せ運用時にオンライン業務中のバッチ処理を止める方法であり、オンラインレスポンス悪化は避けられる。しかし、バッチ処理を実行できる時間が不足すると、バッチ業務のトラブル発生時に翌日のオンライン業務開始が遅れるリスクが残る。
設問3(1)
キャンペーンで業務量が2割増加するため、既存の予測指標のままでは実際のピーク負荷を表せない可能性がある。まずキャンペーンを前提にしたピーク時トランザクション数を算出し、現在の予測値との乖離を把握する点を書く。
設問3(2)
需要予測の変化を確認しただけで終わらせず、その結果をキャパシティ計画に反映する必要がある。具体的には、販売計画の需要予測に基づいて、必要なリソースや導入時期を含むキャパシティ計画を見直す内容を書く。
学習のポイント
使用率監視だけに頼らず、性能検証・障害時の余力・需要予測の反映を一連の管理として捉える。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成21年度秋期 ITサービスマネージャ試験 午後Ⅰ 問2(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例 / 採点講評)
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