AUシステム監査技術者試験 午前Ⅱ

令和7年度秋期 システム監査技術者 午前Ⅱ 問12

問題文と選択肢を読んで答えを考えてから、下の「正解と解説を見る」で確認しましょう。

問題

情報システムの設計の例のうち,フェールソフトの考え方を適用した例はどれか。

選択肢

  1. ア
    UPSを設置することによって,停電時に手順どおりにシステムを停止できるようにする。
  2. イ
    制御プログラムの障害時に,システムの暴走を避け,安全に運転を停止できるようにする。
  3. ウ
    ハードウェアの障害時に,パフォーマンスは低下するが,構成を縮小して運転を続けられるようにする。
  4. エ
    利用者の誤操作や誤入力を未然に防ぐことによって,システムの誤動作を防止できるようにする。
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設計意図から考え方を見極める

信頼性設計の考え方は名称の暗記だけでは区別しにくく、具体的な設計例に当てはめる力が問われます。例に書かれた仕組みの表面ではなく、その仕組みが何を想定し何を守ろうとしているのかという設計意図に注目して整理しましょう。

この問題で問われていること

設計例を読むときは、その仕組みがどのような事態を前提に置き、その事態に対してシステムや利用者の状態をどう保とうとしているのかを自分の言葉で言い表せるかが焦点です。前提と狙いを結び付けて捉えることが区別の鍵になります。

視点

信頼性設計の考え方は、いずれも望ましくない事態への備えを扱います。ただし、どの時点で何に働きかけるのか、備えの結果として何を優先するのかという設計意図はそれぞれ異なります。具体例では技術的な手段が前面に出やすいため、手段そのものより、その手段を採用した理由に目を向けると考え方の違いが見えやすくなります。

確認ポイント

  • 設計例の仕組みが、どのような事態が起こることを前提にしているかを言葉にできるか
  • その事態が起きたとき、仕組みが何を優先して保とうとしているかを説明できるか
  • 採用された技術的手段ではなく、その手段を選んだ理由に基づいて判断しているか
正解と解説を見る

正解

ウ

解説

フェールソフトとは、システムに障害が発生しても、利用できる機能を限定したり性能を低下させたりしながら、運転やサービスを継続できるようにする設計思想です。

理由

ハードウェア障害が起きたとき、システムの構成を縮小してパフォーマンスを低下させながら運転を続ける設計は、障害の影響を限定して機能を継続するものです。これはフェールソフトの考え方に合致する。

比較

安全確保のために停止する設計はフェールセーフに当たり、誤操作や誤入力を防ぐ設計は障害の発生を未然に防ぐ対策です。停電時に手順どおり停止できるようにすることも、継続運転を目的とするフェールソフトとは異なる。

選択肢ア

これは不正解だよ。UPSによって停電時の電源を確保し、手順どおりにシステムを停止できるようにするのは、障害発生時の正常な停止やデータ保護を意図した対策である。利用可能な機能を縮小して運転を継続するフェールソフトの説明ではない。

選択肢イ

これは不正解だよ。制御プログラムに障害が起きた際、システムの暴走を避けて安全に運転を停止するのは、安全側へ移行するフェールセーフの考え方である。障害後も性能や機能を制限して運転を続けるフェールソフトとは目的が異なる。

選択肢ウ(正解)

これは正解だよ。ハードウェア障害が発生しても、パフォーマンスを低下させ、構成を縮小した状態で運転を継続するのは、障害の影響を限定しながら可能な機能を維持する設計である。これはフェールソフトの典型例である。

選択肢エ

これは不正解だよ。利用者の誤操作や誤入力を未然に防ぎ、システムの誤動作を防止するのは、障害や事故が発生しないようにする予防的な設計である。障害が起きた後も縮小運転を続けるフェールソフトとは段階が異なる。

学習のポイント

フェールソフト、フェールセーフ、障害予防の違いを、障害発生後の動作で整理する。

出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)令和7年度秋期 システム監査技術者試験 午前Ⅱ 問12(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例)

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