AUシステム監査技術者試験 午前Ⅱ

平成31年度春期 システム監査技術者 午前Ⅱ 問8

問題文と選択肢を読んで答えを考えてから、下の「正解と解説を見る」で確認しましょう。

問題

金融庁“財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準(平成23年)”における,内部統制の基本的要素である“統制活動”はどれか。

選択肢

  1. ア
    経営者の命令及び指示が適切に実行されることを確保するために定める方針及び手続である。
  2. イ
    組織の気風を決定し,組織内の全ての者の統制に対する意識に影響を与えるものである。
  3. ウ
    組織目標の達成を阻害する要因をリスクとして識別,分析及び評価し,適切な対応を行うプロセスである。
  4. エ
    必要な情報が識別,把握及び処理され,組織内外及び関係者相互に正しく伝えられることを確保することである。
解き方のヒントを見る

内部統制の要素と活動の目的を対応づける

財務報告に係る内部統制は、複数の基本的要素で構成されます。問われている要素が何を目的とする仕組みなのかを自分の言葉で整理しましょう。そのうえで各活動がその目的を直接担うものか、他の要素との役割の違いに注意して見極めます。

この問題で問われていること

問題の中心は、ある活動がどの基本的要素に属するかの判断です。活動の名称や表面的な言葉に引きずられないことが大切です。その活動が組織の中で何を実現するために行われるのかという目的に着目して考えることが求められます。

視点

内部統制の基本的要素は、互いに関連し合いながらそれぞれ異なる役割を持っています。一つの活動が複数の要素と関わるように見えることもあります。そのため、分類を判断する際は『その活動が主として何を達成するためのものか』という目的を一つに定めることが有効です。目的を定めてから、問われている要素の役割と照らし合わせて考えます。用語の暗記だけに頼らず、各要素が組織全体の中でどのような働きを担うのかを、自分の言葉で説明できるようにしておくと判断が安定します。

確認ポイント

  • 問われている基本的要素が、組織の中でどのような目的を果たす仕組みなのかを自分の言葉で説明できるか
  • 検討している活動について、それが主として何を達成するために行われるのかを一つに絞れているか
  • 活動の目的が、問われている要素の目的と直接一致しているか、それとも別の要素の目的に近いかを比べたか
正解と解説を見る

正解

ア

解説

統制活動とは、経営者の命令や指示が適切に実行されることを確保するため、組織内で定められる方針や手続を指します。ほかの選択肢は、統制環境、リスク評価と対応、情報と伝達に該当する説明です。

理由

統制活動は、業務の承認、職務分掌、記録の確認、実績の検証など、経営者の指示を実際の業務に反映させるための具体的な方針や手続です。したがって、設問ではその定義に一致する記述を選びます。

比較

組織の気風や統制意識は統制環境、目標達成を阻害する要因への対応はリスク評価と対応、必要な情報の伝達は情報と伝達に関する説明です。これらは統制活動そのものの定義ではありません。

選択肢ア(正解)

これは正解だよ。統制活動は、経営者の命令や指示が適切に実行されることを確保するために、組織が定める方針や手続を指す。この選択肢は、統制活動の目的と手段を定義どおりに説明している。

選択肢イ

これは不正解だよ。組織の気風を決定し、構成員の統制に対する意識へ影響を与えるという説明は、組織全体の姿勢や環境に関するものだ。業務上の具体的な方針や手続を示す統制活動の説明とは異なる。

選択肢ウ

これは不正解だよ。組織目標の達成を妨げる要因をリスクとして識別し、分析・評価して対応するという説明は、リスクを把握して対処するプロセスを表している。経営者の指示を実行する方針や手続の定義ではない。

選択肢エ

これは不正解だよ。必要な情報を識別、把握、処理し、組織内外や関係者間で正しく伝えることを確保する説明は、情報の取得と伝達に関する要素を示している。統制活動の中心である方針や手続とは役割が異なる。

学習のポイント

内部統制の基本的要素を、それぞれの目的と記述上の特徴で区別することが重要です。

出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成31年度春期 システム監査技術者試験 午前Ⅱ 問8(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例)

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