AUシステム監査技術者試験 午前Ⅱ

平成31年度春期 システム監査技術者 午前Ⅱ 問6

問題文と選択肢を読んで答えを考えてから、下の「正解と解説を見る」で確認しましょう。

問題

システム監査基準(平成30年)において,システム監査人が実施する予備調査の作業として,適切なものはどれか。

選択肢

  1. ア
    監査対象部門から事前に入手した資料を閲覧し,監査対象の詳細や業務分掌の体制などを把握する。
  2. イ
    監査テーマに基づいて,監査項目を設定し,監査手続を策定し,個別監査計画書に記載する。
  3. ウ
    経営トップにインタビューを行い,現在抱えている問題についての認識を確認することによって,システム監査に対するニーズを把握し,監査目的を決定する。
  4. エ
    個別監査計画を策定するために,監査スケジュールについて監査対象部門と調整を図る。
解き方のヒントを見る

与えられた条件と推測を分ける

システム監査について考える際は、判断の根拠が与えられた条件にあるか、自分で補った前提にあるかを意識しましょう。普段の経験や印象を加える前に、何が明示されているかを丁寧に確かめます。

この問題で問われていること

今回の検討では、根拠と推測の区別だけに注目します。名称から内容を決めつけず、判断に使おうとしている情報が、与えられた条件のどこに基づくのかを確かめ、明示されていない前提とは分けて捉えてください。

視点

根拠は判断を支える情報、推測は明示されていない部分を自分で補った考えです。両者を分けて意識すると、知っている言葉の印象だけに引かれず、与えられた条件に沿って検討しやすくなります。

確認ポイント

  • 判断に使う情報は、与えられた条件に明示されているか。
  • 自分の経験や印象から、前提を付け足していないか。
  • 明示された条件と、自分で補った推測を分けて捉えているか。
正解と解説を見る

正解

ア

解説

正解はアです。予備調査では、事前に入手した資料などから監査対象の業務や体制を把握します。監査目的の決定や個別監査計画の具体化とは、作業の目的が異なります。

予備調査に該当する理由

アは、監査対象部門から事前に入手した資料を閲覧し、監査対象の詳細や業務分掌の体制を把握する作業です。業務分掌とは、組織内で各部門や担当者が受け持つ業務の分担を指します。こうした対象の業務や組織体制を理解する作業が、予備調査に該当します。

ほかの作業との比較

イは監査項目と監査手続を定めて個別監査計画書に記載する作業、ウは経営トップの認識から監査ニーズを把握して監査目的を決定する作業です。エは個別監査計画の策定に向けたスケジュール調整です。対象の状況を把握する予備調査と、目的や実施計画を定める作業を区別することがポイントです。

選択肢ア(正解)

これは正解だよ。事前に入手した資料を閲覧し、監査対象の詳細や業務分掌の体制を把握する作業は、予備調査に該当する。対象の業務や組織上の役割分担を理解し、その後の監査で何を確認するかを具体化するための情報を得ることが、この段階の目的である。

選択肢イ

これは不正解だよ。監査テーマに基づく監査項目の設定、監査手続の策定、個別監査計画書への記載は、個別監査計画を具体化する作業である。予備調査で把握した対象の状況を踏まえて、実際に確認する項目と確認方法を定める段階の作業なので、設問の予備調査には当たらない。

選択肢ウ

これは不正解だよ。経営トップへのインタビューで現在の問題に関する認識を確認し、監査ニーズを把握して監査目的を決定する作業である。記述の到達点は監査目的の決定であり、対象の詳細や業務体制を把握する予備調査とは、作業の目的が異なる。

選択肢エ

これは不正解だよ。個別監査計画を策定するために、監査対象部門と監査スケジュールを調整する作業である。監査の実施時期などを調整して計画に反映することが目的であり、対象の業務や組織体制を理解する予備調査の作業には該当しない。

学習のポイント

予備調査による対象の把握と、監査目的の決定、個別監査計画の策定を区別しましょう。

出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成31年度春期 システム監査技術者試験 午前Ⅱ 問6(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例)

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