AUシステム監査技術者試験 午前Ⅱ

平成31年度春期 システム監査技術者 午前Ⅱ 問5

問題文と選択肢を読んで答えを考えてから、下の「正解と解説を見る」で確認しましょう。

問題

システム管理基準(平成30年)に規定されたアジャイル開発において留意すべき取扱いとして,最も適切なものはどれか。

選択肢

  1. ア
    開発チームは,あらかじめ計画した組織体制及び開発工程に基づく分業制をとり,開発を進めること
  2. イ
    開発チームは,開発工程ごとの完了基準に沿って,開発プロセスを逐次的に進めること
  3. ウ
    プロダクトオーナー及び開発チームは,反復開発の開始後に,リリース計画を策定すること
  4. エ
    プロダクトオーナー及び開発チームは,利害関係者へのデモンストレーションを実施すること
解き方のヒントを見る

基準の記述を立場と目的で読み解く

管理基準系の問題では、記述が誰の立場から何を目的として定められているかを押さえることが大切です。開発手法の知識だけで判断せず、基準全体の考え方と結び付けて、各記述が妥当かどうかを検討しましょう。

この問題で問われていること

問われているのは個々の用語の暗記ではなく、管理のための基準が開発の進め方に対してどのような姿勢で留意を求めているかという観点です。記述の主体と目的が基準の趣旨と整合するかを一つずつ確かめてください。

視点

システム管理基準は、組織が情報システムを適切に統制するための拠り所として整理された文書です。特定の開発手法に関する留意事項も、その統制の考え方の延長として位置付けられます。記述を読むときは、手法そのものの説明なのか、管理の観点から確認すべき事柄なのかを区別してください。そうすると、基準の意図を捉えやすくなります。

確認ポイント

  • 記述の主語(誰が行い、誰が確認するのか)を明確にしたか
  • その記述が何を目的としているのかを自分の言葉で説明できるか
  • 主体と目的の組合せが、基準全体の統制の考え方と矛盾していないか
正解と解説を見る

正解

エ

解説

システム管理基準(平成30年)のアジャイル開発では、プロダクトオーナーと開発チームが利害関係者にデモンストレーションを行い、フィードバックを得ることが留意点になっているよ。だから正解はエだよ。

理由

システム管理基準(平成30年)のアジャイル開発では、プロダクトオーナーと開発チームが反復の成果を利害関係者にデモンストレーションし、フィードバックを得て次の開発に生かすことが示されているよ。動くソフトウェアを早めに見せることで、要求とのずれを早い段階で見つけられるんだ。だからエが最も適切だよ。

比較

アの「あらかじめ計画した組織体制と開発工程に基づく分業制」と、イの「工程ごとの完了基準に沿った逐次的な進行」は、どちらも従来型(ウォーターフォール型)開発の特徴だよ。ウのリリース計画は、基準ではプロダクトオーナーと開発チームが反復開発を始める前に策定するものとされているんだ。選択肢は「反復開発の開始後に策定する」と、策定の時期を逆にしているから不適切だよ。

選択肢ア

これは不正解だよ。あらかじめ計画した組織体制と開発工程に基づいて分業制をとる進め方は、工程ごとに担当を分けるウォーターフォール型開発の特徴だよ。アジャイル開発では、開発チームが協働しながら反復ごとに設計・実装・テストをまとめて進めることを重視するから、アジャイル開発の留意点としては適切じゃないんだ。

選択肢イ

これは不正解だよ。開発工程ごとに完了基準を決めて、その基準に沿って工程を順番に進める逐次的なプロセスは、ウォーターフォール型開発の進め方だよ。アジャイル開発では短い反復を繰り返し、反復ごとに動くソフトウェアを作って確認していくから、逐次的に進めることはアジャイル開発の留意点には当たらないんだ。

選択肢ウ

これは不正解だよ。システム管理基準(平成30年)のアジャイル開発では、プロダクトオーナーと開発チームは反復開発を始める前にリリース計画を策定するとされているよ。選択肢は策定の時期を「反復開発の開始後」としていて、基準で定められた時期(開始前)と逆になっているから不適切なんだ。

選択肢エ(正解)

これは正解だよ。システム管理基準(平成30年)のアジャイル開発では、プロダクトオーナーと開発チームが反復で作った動くソフトウェアを利害関係者にデモンストレーションし、フィードバックを得て次の開発に生かすことが留意すべき取扱いとして示されているよ。成果を早めに見せて、要求とのずれを防ぐことが大切なんだ。

学習のポイント

アジャイル開発と従来型開発の違い、そしてリリース計画を反復開発の開始前に策定することを押さえよう。

出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成31年度春期 システム監査技術者試験 午前Ⅱ 問5(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例)

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