AUシステム監査技術者試験 午前Ⅱ

平成30年度春期 システム監査技術者 午前Ⅱ 問25

問題文と選択肢を読んで答えを考えてから、下の「正解と解説を見る」で確認しましょう。

問題

ジェームス L. ヘスケットらが提唱したサービスプロフィットチェーンの説明はどれか。

選択肢

  1. ア
    企業のビジョンと戦略を実現するために,財務,顧客,内部プロセス及び学習と成長の視点から達成指標やアクションプランを具体化するためのモデル
  2. イ
    顧客ごとの購買履歴を蓄積することで顧客の収益貢献度を測定し,これに基づいて,収益貢献度が高い顧客に対するサービス水準を向上するためのモデル
  3. ウ
    市場の魅力度と市場内での自社の地位を基に,企業の製品やサービスを分類し,どの分野に経営資源を投下し,利益を回収すべきかを検討するためのモデル
  4. エ
    従業員満足度がサービス水準を高め,それが顧客満足度と企業利益を高め,高めた利益で従業員満足度が更に向上するという因果関係を表したモデル
解き方のヒントを見る

比較対象と条件の対応を確認する

設問の対象が何と何を比べているのか、また比較の前提となる条件がどこに置かれているのかを整理し、用語の対応関係を崩さずに各選択肢を読み分ける視点を持ちましょう。判断を急がず、同じ基準で確認することが重要です。

この問題で問われていること

確認する観点は、設問内で示された対象・基準・条件の三者が、選択肢の記述と同じ関係で結び付いているかです。対象の取り違えや条件の置き換えがないかだけを丁寧に見直しましょう。

視点

比較を伴う設問では、まず対象と比較基準を分けて捉え、どの条件が判断に関係するかを整理します。そのうえで、選択肢の表現が示された関係を保っているか、用語や前提が別のものに変わっていないかを確認しましょう。

確認ポイント

  • 比較される対象と基準を区別できているか
  • 前提条件がどの対象に関係するか確認したか
  • 選択肢で用語や条件が置き換わっていないか
正解と解説を見る

正解

エ

解説

サービスプロフィットチェーンは、従業員満足度の向上がサービス品質を高め、顧客満足度と企業利益につながり、その利益がさらに従業員満足度を高める循環的な因果関係を表します。

理由

サービスプロフィットチェーンは、従業員満足度、サービス水準、顧客満足度、企業利益の関係を一連の因果関係として説明する。従業員の満足度が高まることでサービス水準が向上し、その結果として顧客満足度と利益が高まり、利益が従業員満足度のさらなる向上につながる。

比較

アは財務・顧客・内部プロセス・学習と成長の視点で指標を整理するバランススコアカード、イは顧客別の収益貢献度を用いた顧客管理、ウは市場の魅力度と自社の地位で事業を分類するポートフォリオ分析に該当する。いずれも本問の因果連鎖とは異なる。

選択肢ア

これは不正解だよ。財務、顧客、内部プロセス、学習と成長という四つの視点から、経営目標や指標、アクションプランを整理する説明であり、バランススコアカードを示している。従業員満足度からサービス水準、顧客満足度、利益へ至る因果関係を表すサービスプロフィットチェーンの説明ではない。

選択肢イ

これは不正解だよ。顧客の購買履歴を蓄積し、顧客ごとの収益貢献度を測定してサービス水準を設定する内容は、顧客関係管理や顧客別収益性分析に関する説明である。従業員満足度、サービス水準、顧客満足度、企業利益の連鎖を説明していないため該当しない。

選択肢ウ

これは不正解だよ。市場の魅力度と市場内での自社の地位を基に製品やサービスを分類し、経営資源の配分を検討する内容は、事業ポートフォリオ分析の説明である。従業員満足度がサービスや顧客満足度を介して利益に結び付く因果関係を扱っていない。

選択肢エ(正解)

これは正解だよ。従業員満足度が高まるとサービス水準が向上し、それが顧客満足度と企業利益の向上につながるという流れは、サービスプロフィットチェーンの基本的な因果関係を表している。さらに、高まった利益が従業員満足度を高める循環も示されている。

学習のポイント

サービスプロフィットチェーンの構成要素と循環的な因果関係を理解する。

出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成30年度春期 システム監査技術者試験 午前Ⅱ 問25(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例)

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