AUシステム監査技術者試験 午後Ⅰ
平成30年度春期 システム監査技術者 午後Ⅰ 問1
事例を読んで設問の答えを考えてから、解説のポイントとIPA公式の解答例・採点講評で確認しましょう。
問題


解き方のヒントを見る
監査要点と制度目的の対応
この問題では、投資対効果を確認する制度が、導入目的に沿って機能しているかを監査する視点に注目します。各設問の対象場面と、そこで確認すべき証拠の関係を整理してください。
この問題で問われていること
一つの視点に絞り、各ステージやゲートの確認内容が、制度の目的と監査上のリスクにどう結び付くかを考えます。具体的な項目や結論ではなく、確認の方向性を捉えてください。
視点
制度の設計、登録情報、審査記録、時期の管理などを、目的達成を裏付ける監査証拠として捉えます。問題文の各場面で、何を確認すれば判断の妥当性を評価できるかを考えてください。
確認ポイント
- 確認対象が、制度導入のどの目的に関係するか
- 登録内容や審査記録から、判断の根拠を評価できるか
- 確認時点と監査手続が、想定リスクに対応しているか
正解と解説を見る
解説
Z社のステージゲート制度について、導入目的が実現できる仕組みか、各ゲートの審査が適切かを監査する問題です。
問題の全体像
Z社は、システム投資の増加を背景に、プロジェクトを五つのステージに分け、各ゲートで投資委員会が継続や中止を審査するステージゲート制度を導入しました。導入目的は、開発途中・リリース後の投資対効果の検証、責任部署の明確化、環境変化への柔軟な対応です。設問では、各目的やリスクに対応して、何を確認し、どのような監査手続を行うべきかが問われています。
設問1
予備調査で示された目的②は、投資対効果についての責任部署を明確にすることです。ステージ1の登録内容にはシステムオーナが含まれるため、単に部署名が登録されているかではなく、実際にシステムを利用して業務を行う主管部署がシステムオーナになっているかを確認します。公式解答例も、この対応関係を示しています。
設問2(i)
費用見積りには機器導入費用、システム開発費、運用費が登録されています。これら以外にも、利用部門側で発生する教育費用が考えられるため、公式解答例では「ユーザ部門の教育費用」としています。字数が短いため、費用の発生主体と具体的な費目を簡潔に示します。
設問2(ii)
監査部は、費用項目の不足を防ぐコントロールの有無を確認しています。したがって、ゲートシステムの登録内容を閲覧し、費用項目が網羅されているか、必要な項目の入力が必須設定になっているかを確認します。公式解答例も、登録内容の閲覧、費用項目の網羅性、入力必須設定の確認を挙げています。
設問3
差戻し、条件付承認、承認の違いが分かりにくいと、審査が担当者の判断に左右され、プロジェクトの進行を阻害するおそれがあります。そのため、監査部は、投資委員会による各ゲートの審査に明確な判断基準があるかを確認します。採点講評でも、審査基準を明確に示すことが重視されています。
設問4
制度では、計画時に投資効果が得られるまでの期間を設定し、ステージ5で効果を測定します。ただし、効果が現れる時期はプロジェクトごとに異なるため、プロジェクトの特性に応じて投資対効果を測定する時期が定められているかを確認します。公式解答例もこの点を示しています。
設問5
表2のリスクは、実効性のある審査が行われないことです。審査者にプロジェクト上の利害関係があると、判断の客観性が損なわれる可能性があります。そのため、プロジェクトに利害がある者が審査に関わっていないことを監査要点とします。採点講評では、利害関係者の排除に加え、対象業務やシステムに知見のある者が審査する観点も示されています。
学習のポイント
監査目的から確認対象と監査手続を具体化する力を身に付ける。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成30年度春期 システム監査技術者試験 午後Ⅰ 問1(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例 / 採点講評)
関連する過去問一覧
IPA Advancedは非公式の学習サイトです。解説にはAIによる補助生成を含む場合があります。公式の問題冊子・解答例・採点講評を優先し、誤りは確認後に訂正します。運営・編集方針