AUシステム監査技術者試験 午後Ⅰ
平成30年度春期 システム監査技術者 午後Ⅰ 問2
事例を読んで設問の答えを考えてから、解説のポイントとIPA公式の解答例・採点講評で確認しましょう。
問題

解き方のヒントを見る
業務目的と監査証拠の対応を考える
設問全体を、データ分析システムが掲げた業務目的と、収集・運用・活用の各場面を監査で確かめる視点から整理します。個別の結論ではなく、事実とリスク、確認手続の結び付きを意識してください。
この問題で問われていること
一つの焦点は、システムの目的や利用実態に照らして、どの事実を根拠にリスクを捉え、どの証拠や手続で確かめるかを区別することです。関係者の説明だけで判断しない点も確認します。
視点
監査では、目的、業務上の影響、データの扱い、運用方法、活用結果を混同せず、観察された事実から想定される懸念と、それを確かめる証拠の種類を対応づけて整理します。
確認ポイント
- システムの構築目的と、実際に想定されている利用場面が同じ方向を向いているか
- 収集・申請・運用・分析の各場面で、誰が何を管理し、どの記録が残るか
- 想定したリスクを確かめる際、ヒアリング以外にどの資料や事実を照合できるか
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解説
データ分析システムの収集・運用・活用を題材に、事例からリスクを識別し、適切なコントロールや監査手続を具体化する問題です。
問題の全体像
P社は、勤怠・人事・スケジュール・認証基盤のデータを蓄積し、働き方改革の施策検討に活用している。設問では、データ収集による本番システムへの影響、個人情報保護、サービスレベル設定、分析目的の明確化、分析結果の活用状況について、リスク・コントロール・監査手続を問う。出題趣旨では、広くデータを集めて分析する方法と、目的を明確にして必要なデータを集める方法の特徴を踏まえることが重視されている。
設問1
本調査では、今後さらに詳細なスケジュールデータを本番運用中のサーバから収集する予定です。したがって、本番サーバへの負荷が増え、スケジュール管理システムの応答性能が低下するリスクを捉える。公式解答例では、レプリケーションサーバを検討する前提となるこの性能低下のリスクを示している。45字以内なので、原因である本番サーバの負荷増大と、影響であるレスポンス低下を簡潔に書く。
設問2
利用申請後に申請者を個人情報取扱者として登録し、受渡し内容を記録するだけでは、サンプルデータ自体に含まれる個人情報の漏えいを防げない。そこで、サンプルデータ中の個人情報に該当する項目をマスキングするコントロールを押さえる。公式解答例も、サンプルデータの個人情報項目をマスキング処理する内容としている。
設問3
データ分析システムは、1日停止しても事業運営に支障がなく、当面は月次分析で足りると説明されている。それにもかかわらず、他のシステムと同じ上位から2番目のサービスレベル、停止時間1時間を設定しているため、必要以上に高いサービスレベルによって運用コストが高くなるリスクを答える。単に設定が不適切とするだけでなく、コスト増加という結果まで示す。
設問4
B委員は、分析目的が曖昧なままデータを収集すると、手間を掛けても成果が得られない可能性があると指摘していた。本調査では、そのリスクへの対処が行われたかを文書で確認している。公式解答例では、活用検討会の議事録を入手し、データ分析の目的が明確に説明されていることを確認する手続としている。したがって、証拠資料と確認内容の両方を50字以内で具体的に示す。
設問5
会議の効率向上施策では、全ての会議を見直し、1人当たりの会議時間を減らすことが目標です。状況確認の監査手続として、目的別・部署別に集計した「会議開催実績表」を閲覧し、1人当たりの会議時間が減少しているかを確かめる。公式解答例も、この資料の閲覧と減少状況の確認を組み合わせている。
学習のポイント
リスク、統制、監査証拠を事例の記述と結び付けて答案化する力を養う。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成30年度春期 システム監査技術者試験 午後Ⅰ 問2(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例 / 採点講評)
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