STITストラテジスト試験 午後Ⅱ
令和4年度春期 ITストラテジスト 午後Ⅱ 問2
事例を読んで設問の答えを考えてから、解説のポイントとIPA公式の解答例・採点講評で確認しましょう。
問題
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評価に用いる前提のそろえ方
検討を始めるときは、判断に用いる情報の前提がそろっているかに注目しましょう。示された内容をすぐに結論へ結び付けず、どの条件の下で述べられているのかを整理すると、考える土台を確かめられます。
この問題で問われていること
この問題では、判断の前提として明示されている条件と、自分で補っている想定を分けて捉えてみましょう。前提の違いを見落としたまま話を進めていないか、手元の情報に立ち返って確認することが検討の助けになります。
視点
判断の前提とは、考える出発点となる条件です。明示された条件と自分の想定を区別し、それぞれの情報がどの条件に基づいているかを整理しましょう。
確認ポイント
- 判断の前提となる条件を確認したか
- 明示された条件と自分の想定を区別したか
- 考える途中で前提を無意識に変えていないか
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解説
本問では、事業戦略を踏まえて基幹システムのサブシステムごとの再構築順序を検討し、その判断理由と工夫を論述します。課題の重要性・緊急性、投資効果、費用・期間、リソース制約やリスクを関連付け、経営層への説明と評価を受けた改善まで一貫して示すことが要点です。
問題の全体像
長年の改修によって複数のサブシステムが複雑に連携し、保守性が低下した基幹システムを再構築する場面です。一括再構築には多くの費用・期間が必要で、リソース制約やリスクもある一方、経営層は業務効率の向上と投資効果の早期享受を求めています。このため、全体システム化計画との整合性を保ちながら、各サブシステムの再構築順序を判断することが中心課題です。添付の公式資料に示されているのは具体的な解答例ではなく出題趣旨であり、事業戦略の理解力、再構築計画の策定力、情報システムと業務課題を関連付ける能力が評価対象とされています。答案では、設問アで背景と対象を明確にし、設問イで優先順位と判断理由・工夫を示し、設問ウで経営層への説明と評価後の改善につなげます。特定の再構築順序が一律に正解となる問題ではありません。
設問ア
「企業の事業概要」「背景となった事業環境の変化」「基幹システムの概要」「事業特性」に着目します。800字以内で、企業がどのような事業を行い、その事業にとって何が重要か、環境の変化によってどのような業務課題が生じたかを述べます。その上で、基幹システムを構成する主なサブシステムの役割と連携関係、現行システムでは課題への対応が難しい理由を示すと、設問イの優先順位を理解する土台になります。自身が携わった計画策定の立場も簡潔に示しましょう。採点講評では、論述対象の概要が適切に記述されていない答案や、記述に矛盾がある答案への注意が示されています。会社紹介や技術構成の説明に字数を使い過ぎず、再構築が必要になった事業上の背景と対象システムを、後続の判断につながる粒度で記述することが大切です。
設問イ
「それぞれのサブシステムを、どのような優先順位で再構築することとしたか」と「特に重要と考えて考慮したこと」「工夫したこと」が回答の中心です。800字以上1、600字以内で、対象サブシステムと再構築順序を明示し、なぜその順序を選んだのかを具体的に説明します。問題文の三つの観点、すなわち課題の重要性・緊急性、投資効果の早期享受と改修規模の極小化、現行機能の再利用・リソース制約・技術上の難易度を踏まえたリスク軽減から、自身の計画で特に重視した要因を掘り下げます。費用や期間、サブシステム間の連携が順序の判断にどう影響したかも、必要な範囲で示しましょう。工夫は、何を調整し、それが早期の効果実現や制約への対応にどう役立ったかまで述べます。採点講評では、サブシステムを明記し、経営層・事業部門の声やシステム部門のリソース制約を考慮した具体的な論述が多く見られたとされています。一方、構築のマネジメントリスクや基盤技術の選定に終始した論述も指摘されています。クラウドやSaaSなどを採用した場合も、技術名だけで終えず、どの経営課題をどう解決し、そのためにどの順序としたかを説明することが重要です。
設問ウ
「経営層にどのような説明を行い」「どのような評価を受けたか」「評価を受けて改善したこと」の三点を、600字以上1、200字以内で具体的に記述します。問題文には、検討した優先順位を定性・定量の両面における投資効果とともに経営層に説明する必要があると示されています。したがって、設問イの順序によって、どの事業課題をいつ解決できるか、どの程度の費用と期間が必要か、どのような効果を見込むかを、説明内容として示します。定量面では自身の事例に即した削減時間や費用など、定性面では変化への対応力などを用い、効果の見積りの根拠も簡潔に述べると判断理由が伝わります。続いて、経営層が評価した点や改善を求めた点を具体化し、それを受けて順序、対象範囲、費用・期間などをどう見直したかにつなげます。「説明して了承された」だけでは、設問が求める評価と改善の内容が不足します。採点講評では、事業面から見た投資効果を適切に論述することや、具体性を持たせることが重視されています。改善後の計画も、設問アの業務課題と設問イの判断理由に整合させましょう。
学習のポイント
業務課題とサブシステムを対応付け、再構築順序の根拠を事業上の効果と実行可能性から説明する力を養いましょう。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)令和4年度春期 ITストラテジスト試験 午後Ⅱ 問2(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例 / 採点講評)
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