SMITサービスマネージャ試験 午後Ⅰ
令和6年度春期 ITサービスマネージャ 午後Ⅰ 問1
事例を読んで設問の答えを考えてから、解説のポイントとIPA公式の解答例・採点講評で確認しましょう。
問題




解き方のヒントを見る
費用を捉える範囲をそろえる
費用に関する情報を整理するときは、その金額が何を対象としたものかという範囲に注目しましょう。見積りや配賦、予算管理という言葉だけで判断せず、扱っている費用の範囲を確かめることが検討の出発点になります。
この問題で問われていること
この問題では、費用について示される情報が、どの範囲を対象としているかに着目して考えてみましょう。複数の情報を関連付ける際も、それぞれが扱う範囲を自分の中で整理し、同じ範囲として捉えてよいかを確認しましょう。
視点
費用の範囲とは、検討の対象としてどこまでを含めているかという見方です。示された情報を整理する際は、範囲が明示されている部分と、自分が補って解釈している部分を区別しておくと、前提を確かめやすくなります。
確認ポイント
- 費用の対象範囲を確認したか
- 範囲について自分の推測を加えていないか
- 関連付ける情報を同じ範囲として捉えてよいか
正解と解説を見る
解説
クラウドの料金条件と需要増加を踏まえて利用料を見積もり、移行後のリソース実績と費用負担を管理します。需要急増による予算超過に備え、追加支出前に承認を得る手順を整えることが要点です。
問題の全体像
Q社は、保守期限を迎える情報系サービスのITインフラ群をRクラウドへ移行します。移行の目的は、増加する需要に応じて迅速に容量・能力を変更し、費用を抑えることです。一方、移行後も運用人件費や契約済みのDC使用料は発生し、販売キャンペーンによる需要急増も見込まれます。公式解答例の出題趣旨では、料金体系と特徴を踏まえた予算化、費用の分類、予算の執行状況を監視・管理する能力が問われています。利用料の計算から、適切な費用負担、予算超過への対応までをつなげて読むことが重要です。
設問1(1)
表1の情報系サービスのサービス時間は「平日の6時から21時まで」です。本文には、従量制料金の場合、サーバはサービス時間だけ利用するとあります。したがって、1日の利用時間は21-6=15時間、年間の平日は設問指定の260日なので、1台当たりの年間リソース使用時間は15×260=3、900時間です。公式解答例では「3、900」と示されています。365日・24時間の条件は使用量予約の条件なので、この計算には使いません。
設問1(2)
表3のサーバ料金と、二つの価格モデルの利用時間を比較します。①従量制料金では、1台当たり100円/時間×3、900時間=390、000円/年です。②使用量予約では、サービス時間にかかわらず24時間×365日分を予約し、25%割引を適用するので、100円×24×365×0.75=657、000円/年です。390、000円の方が低額となるため、公式解答例では「①」です。割引率だけで判断せず、料金計算の対象となる時間の違いを押さえます。
設問1(3)
表1のストレージ容量100TBと、本文の「2024年度期初に20%の容量・能力増加が必要」という条件に着目します。必要容量は100×1.2=120TBで、表1の注記に従って120、000GBに換算します。表3の料金は10GB当たり100円/月で、ストレージには②使用量予約を適用するため、年額は(120、000÷10)×100×12×0.75=10、800、000円です。表4の金額単位は千円なので、空欄cは10、800となり、公式解答例と一致します。採点講評では、需要と容量・能力の変化を考慮した見積りの必要性が指摘されています。移行前の100TBのまま計算しないことが要点です。
設問2(1)
下線(ア)の直前には、費用実績とともに作業負荷や容量・能力の情報を報告し、需要見込みに対して実績が適切かを事業部も把握できるようにするとあります。新たな直接費はRクラウド利用料であり、料金の対象となるリソースはサーバとストレージです。そのため、費用額に加えて、この二つの使用量を報告することで需要見込みとの差異を確認できます。公式解答例では「Rクラウドのサーバとストレージの使用量」と示されており、30字以内の答案では、対象リソース二つとその使用量を押さえます。
設問2(2)
現在は運用人件費とDC使用料を各事業部に按分していますが、情報系サービスの専用ITインフラ群はRクラウドへ移行します。DC使用料自体は2026年3月まで固定で残るものの、現在の方法で配賦を続けると、DCを利用しないT事業部にもDC使用料を負担させることになります。公式解答例では、移行後もDC使用料を間接費として配賦すること、又はDCを利用しないT事業部にも按分することが示されています。30字以内なら「DCを利用しないT事業部にもDC使用料が按分されること」と、負担先の問題を具体的に表せます。採点講評では、直接費のクラウド利用料について誤って答えた例が指摘されており、問われている間接費に着目する必要があります。
設問3(1)
販売キャンペーンの規模は不透明で、拡大された場合には予算に織り込んだ見込み以上に需要が増える可能性があります。Rクラウドではリソースオンデマンドによって迅速に拡張できますが、使用量の増加は利用料の増加につながります。したがって、需要に対応してリソースを拡張した結果、予算を超過することが予算管理上のリスクです。公式解答例では「急増する需要に対応してリソースを拡張し,予算を超過する。」と示されています。35字以内では、需要急増、リソース拡張、予算超過という因果関係をまとめます。
設問3(2)
本文は、事業環境の変化に対応してタイムリーにリソースオンデマンドを活用するため、本番運用開始までに対策を利害関係者へ徹底するとしています。予算超過が見込まれる際に追加支出を適切に判断できるよう、承認手順を事前に作り、利害関係者と合意しておくことが必要です。公式解答例では「予算を超過して費用支出をする場合の承認手順を作り,利害関係者と合意する。」と示されており、40字以内に収まります。採点講評では、リソースのしきい値監視や支出後の請求にとどまる解答が指摘されています。答案では、予算超過時の支出前の承認手順と、利害関係者との事前合意を押さえます。
学習のポイント
利用時間・容量・割引率・金額単位を整理する計算と、間接費の配賦及び予算超過時の事前承認を重点的に学習しましょう。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)令和6年度春期 ITサービスマネージャ試験 午後Ⅰ 問1(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例 / 採点講評)
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