SMITサービスマネージャ試験 午後Ⅱ

平成27年度秋期 ITサービスマネージャ 午後Ⅱ 問2

事例を読んで設問の答えを考えてから、解説のポイントとIPA公式の解答例・採点講評で確認しましょう。

問題

外部サービス利用における供給者管理について ITサービスを提供する際に、業務の一部や全てを外部委託すること、ITサービスの基盤に外部のデータセンタやクラウドサービスを活用することなど、供給者が提供するサービス(以下、外部サービスという)を利用することが広く行われている。 外部サービスを利用する上で、ITサービスマネージャは、顧客からの要求事項に応えるために供給者に対して次のような要求事項を明らかにしなければならない。 ・品質や性能、費用 ・インシデント連絡や業務報告などのコミュニケーション ・機密情報の取扱いなどの情報セキュリティ ITサービスの提供時には、ITサービスマネージャは供給者管理を徹底し、ITサービスの可用性低下、業務の遅延、情報セキュリティ事故発生などの品質低下が起こらないようにする必要がある。 このため、ITサービスマネージャは、次のような活動を行うことが重要である。 ・供給者への要求事項に基づいて、例えば、故障発生などの品質項目、機密情報へのアクセスなどの情報セキュリティ項目について、範囲・間隔を定めて監視する。 ・評価基準を設け、監視結果や業務報告から外部サービスについて評価する。 ・供給者への要求事項に照らして不適合がある場合は、原因と再発防止策について報告を求める。 また、顧客からの要求事項などの変化に応じて供給者への要求事項を見直すだけでなく、品質項目の監視内容を見直すなど、供給者管理の改善の継続も重要である。 あなたの経験と考えに基づいて、設問ア~ウに従って論述せよ。 設問ア あなたが携わったITサービスの概要、顧客からの要求事項、及び利用した外部サービスについて、800字以内で述べよ。 設問イ 設問アで述べた顧客からの要求事項に応えるために、供給者に求めた要求事項と、供給者管理の活動内容について、800字以上1、600字以内で具体的に述べよ。 設問ウ 設問イで述べた供給者管理の活動の評価と、供給者管理の改善の継続について、600字以上1、200字以内で具体的に述べよ。
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外部関係を継続的に捉える視点

外部に依存する仕組みを学ぶときは、個別の名称や用語の暗記よりも、関係者との役割分担、期待する状態、変化への対応を一つの流れとして捉えることが大切です。全体のつながりを意識して整理しましょう。

この問題で問われていること

この問題では、個々の対応を単独で判断せず、外部との関係をどの観点で見直し続けるかに焦点を置き、目的と確認のつながりを丁寧に読み取ってください。表現の細部だけで決めないことが重要です。

視点

学習では、外部との関係を安定して扱うために、目的、責任、確認、見直しという観点を分けて整理し、それぞれがどのようにつながるかを考えます。特定の用語の意味だけでなく、継続して管理する視点を持つと理解しやすくなります。

確認ポイント

  • 誰が何を担う関係として整理されているかを確認する
  • 期待する状態と確認対象が対応しているかを考える
  • 変化や結果を次の見直しにつなげる観点があるかを見る
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解説

外部サービスを利用するITサービスについて、顧客要求を起点に供給者への要求事項を定め、監視・評価・是正を行い、その活動を評価して継続的に改善する考え方を問う問題です。

問題の全体像

本問は、外部委託、データセンタ、クラウドなどの外部サービスを利用してITサービスを提供する状況を題材にしている。ITサービスマネージャには、顧客が求める品質・性能・費用、インシデント連絡や業務報告、機密情報の取扱いなどを供給者への要求事項として明確化し、サービス品質の低下を防ぐことが求められる。問題文は、要求事項に基づく監視、評価基準による評価、不適合時の原因・再発防止策の報告要求を示した上で、顧客要求や環境の変化に応じて要求事項や監視内容を見直す継続改善まで論述させている。採点講評では、問2について顧客要求、利用した外部サービス、供給者への要求事項、供給者管理の活動内容を具体的に述べることが求められ、さらに活動の評価と改善の継続について、発生した不適合への対応だけでなく大局的に考察することが期待されている。

設問ア

まず、自分が携わったITサービスを、誰にどのようなサービスを提供したか、規模や重要性が分かるように示す。その上で、顧客から求められた可用性、性能、処理時間、費用、障害時の連絡、報告、機密情報の保護などを、サービスの特徴と結び付けて整理する。続いて、データセンタ、クラウド、運用委託、ヘルプデスクなど、どの業務をどの供給者の外部サービスに依存したかを明記する。800字以内なので、一般論を広げるよりも、後続の設問イ・ウで扱う要求事項と供給者管理の対象が自然に導かれる事例設定に絞ることが重要です。採点講評では、顧客要求と利用した外部サービスを踏まえて供給者管理を論述することが重視されているため、外部サービスの説明だけで終わらず、顧客要求との関係を示します。

設問イ

設問アの顧客要求を、供給者が守るべき測定可能な要求事項へ展開する。例えば、可用性や性能の目標値、障害・インシデントの連絡期限、定期報告の内容と頻度、バックアップや復旧、アクセス権限、ログ管理、機密情報の取扱い、費用や変更手続などを、サービス特性に応じて具体化する。次に、要求事項を満たしているか確認するため、何を、どの範囲で、どの間隔で監視するかを示します。監視結果、供給者の業務報告、顧客からの申告などを収集し、あらかじめ定めた評価基準と比較して評価する。不適合があれば、事実と影響を確認し、原因分析、暫定対応、是正処置、再発防止策、期限、責任者、完了確認まで供給者に求める流れを書く。採点講評では、顧客要求を踏まえて供給者管理を的確に実践した記述が評価される一方、要求との整合性がない記述や、監視・評価が表面的な記述も見られたとされるため、各活動がどの要求事項に対応するかを明確にする。800字以上1、600字以内なので、要求事項、監視、評価、不適合対応を複数の観点で具体化する。

設問ウ

設問イで実施した供給者管理について、設定した目標や評価基準に照らして、どの程度有効だったかを評価する。例えば、障害件数、復旧時間、SLA達成率、報告の遅延、セキュリティ上の指摘、是正完了率などの結果を用い、要求を満たした点と未達の点を区別する。未達の場合は、単に供給者を責めるのではなく、要求事項の明確さ、監視項目や間隔、評価基準、報告の信頼性、責任分担、エスカレーションなど管理プロセス自体の妥当性を振り返る。その評価を踏まえ、顧客要求、業務環境、サービス構成、法令・セキュリティ上の変化を契機として、供給者要求、契約やSLA、監視範囲・頻度、評価方法、会議や報告の運用を見直す。改善後は再度測定し、効果を確認して標準化するという循環まで述べる。採点講評では、設問ウで不適合の改善だけにとどまる記述が多く、供給者管理を継続して改善する取組を大局的に考察することが期待されている。600字以上1、200字以内なので、評価結果、原因・課題、具体的な改善、効果確認のつながりを保つ。

学習のポイント

顧客要求、供給者要求、管理活動、評価、継続改善を一つの事例で一貫させる力を養う。

出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成27年度秋期 ITサービスマネージャ試験 午後Ⅱ 問2(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例 / 採点講評)

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