SMITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ
平成21年度秋期 ITサービスマネージャ 午前Ⅱ 問21
問題文と選択肢を読んで答えを考えてから、下の「正解と解説を見る」で確認しましょう。
問題
選択肢
- ア5
- イ10
- ウ15
- エ20
解き方のヒントを見る
並列処理の上限を考える視点
性能の上限を検討するときは、処理を単純にプロセッサ数へ対応させず、全体の構成、並列化の前提、処理間の待ち時間や共有資源への依存を同じ観点で整理しましょう。状況を分けて比較することが大切です。
この問題で問われていること
まず、性能向上を妨げうる要素が、処理の分担方法・同期・データの受け渡し・資源の競合のどこに現れるかを、問題文の条件と対応づけて確認してください。判断の根拠がどの条件に対応しているかを中心に見ます。
視点
上限を考える際は、理想的に全処理が同時に進むと仮定する前に、処理の依存関係や分割の粒度、調整に必要な時間を整理します。与えられた条件がどの要素を扱っているかを見極め、単一の数値だけで判断しないようにしましょう。
確認ポイント
- 処理全体のうち、同時に進める前提が置かれている範囲はどこか
- 処理の分担や同期に伴う待ち時間が、条件として考慮されているか
- プロセッサ数以外に、共有データや資源の競合が示されているか
正解と解説を見る
正解
イ
解説
性能式の分子と分母をnの大きい範囲で比較すると、定数項の影響は相対的に小さくなり、上限はnの係数の比で決まる。a=0.1を代入すると、上限は10となる。
理由
P=n/{1+(n−1)a}=n/(an+1−a)です。nを限りなく大きくすると、分子と分母の定数項は相対的に無視でき、Pの上限は1/aになる。したがって、a=0.1では、Pの上限は1/0.1=10(1台CPUを1とした相対性能単位)です。
比較
実際のCPU台数が4台のときはP≒3だが、これは上限そのものではありません。台数を増やすほど性能は上限へ近づく一方、オーバヘッドによって増加幅は小さくなる。この関係を理解すると、単純にCPU台数を増やせば性能が無限に伸びるわけではないことが分かる。
選択肢ア
これは不正解だよ。与えられたオーバヘッドはa=0.1なので、性能上限は1/a=10(1台CPUを1とした相対性能単位)となる。5という値は、同じ上限式ならa=0.2の場合に対応し、設問の条件とは一致しない。
選択肢イ(正解)
これは正解だよ。P=n/{1+(n−1)a}をnが十分大きい場合に考えると、上限は分子と分母におけるnの係数の比である1/aとなる。a=0.1を代入すると、1/0.1=10(相対性能単位)であり、条件に一致する。
選択肢ウ
これは不正解だよ。a=0.1のとき、式の上限は1/a=10(1台CPUを1とした相対性能単位)である。15という値になるには、同じ関係ではa=1/15≒0.0667が必要であり、問題で指定されたオーバヘッド0.1とは異なる。
選択肢エ
これは不正解だよ。指定されたa=0.1では、性能上限は1/a=10(相対性能単位)に定まる。20を得るには、上限式からa=1/20=0.05となる条件が必要であり、設問のオーバヘッド0.1を使った結果ではない。
学習のポイント
並列化の性能上限は、台数そのものではなくオーバヘッドの大きさで決まる。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成21年度秋期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅱ 問21(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例)
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