SMITサービスマネージャ試験 午前Ⅰ

平成26年度秋期 ITサービスマネージャ 午前Ⅰ 問22

問題文と選択肢を読んで答えを考えてから、下の「正解と解説を見る」で確認しましょう。

問題

在庫管理システムを対象とするシステム監査において,当該システムに記録された在庫データの網羅性のチェックポイントとして,適切なものはどれか。

選択肢

  1. ア
    設定された選定基準に従って,自動的に購入業者を選定していること
  2. イ
    適正在庫高であることを,責任者が承認していること
  3. ウ
    適正在庫量を維持するための発注点に達したときに,自動的に発注していること
  4. エ
    入庫及び出庫記録に対して,自動的に連番を付与していること
解き方のヒントを見る

監査手続が確かめる性質を見極める

システム監査で扱うデータの品質には複数の側面があります。ある手続や着眼点が、どの側面を確かめるためのものかを一つずつ対応づけて考えると、問われている観点との対応関係を整理しやすくなります。

この問題で問われていること

問われている品質の側面と、各着眼点が実際に検証している内容が一致しているかを見極めることが焦点です。似た言葉でも確かめる対象が異なる場合があるため、何を比べ何を確認するのかに注目します。

視点

監査の着眼点は、それぞれ特定の性質を確かめるために設定されます。着眼点ごとに『これが満たされたら何が保証されるか』を自問してください。その答えが問われている性質と一致するかどうかで判断すると、用語の印象に左右されにくくなります。

確認ポイント

  • 問われている性質の意味を、自分の言葉で説明できるか
  • 各着眼点が満たされた場合に何が保証されるかを考えたか
  • 用語の印象ではなく、実際に確認される内容そのもので判断したか
正解と解説を見る

正解

エ

解説

在庫データの網羅性とは、入庫・出庫の取引が漏れなく重複なく記録されていることだよ。入出庫記録に自動で連番を付ければ、欠番や重複を調べて記録漏れ・二重記録を見つけられるので、エが適切だよ。

理由

網羅性は、発生した取引がすべて、しかも一度だけ記録されているかを確かめる観点だよ。入庫・出庫の記録に自動で連番を付けておけば、欠番があれば記録漏れ、同じ番号が重複していれば二重記録の可能性を見つけられるよ。だから、エの連番付与は在庫データの網羅性を確かめる代表的なチェックポイントになるんだ。

比較

アの業者の自動選定は購買手続が基準どおりかどうか、イの責任者による承認は在庫高が妥当かどうか、ウの発注点での自動発注は必要なタイミングで発注できているかどうかに関わる統制だよ。どれも業務処理の正しさや有効性に関わるもので、入出庫記録の漏れや重複を検出する仕組みではないから、網羅性のチェックポイントとしては適切ではないんだ。

選択肢ア

これは不正解だよ。設定された選定基準に従って購入業者を自動で選んでいるかは、購買手続が規程どおりに行われているかという準拠性や正確性に関わる確認だよ。記録された在庫データに漏れや重複がないかを確かめるものではないんだ。業者選定が正しく行われていても、入出庫の記録漏れは見つけられないよ。

選択肢イ

これは不正解だよ。適正在庫高であることを責任者が承認しているかは、在庫水準が妥当かどうかを管理者が確認する統制で、在庫高の正当性や妥当性に関わるチェックだよ。承認の元になる入出庫記録に漏れや二重計上があっても、この承認だけでは記録の欠落を網羅的に見つけられないから、網羅性のチェックポイントとしては適切ではないんだ。

選択肢ウ

これは不正解だよ。発注点に達したときに自動で発注しているかは、欠品を防いで適正在庫量を保つために必要なタイミングで発注できているかという、業務処理の適時性や有効性に関わる確認だよ。発注が自動化されていても、入庫・出庫の記録そのものに漏れや重複がないことは保証されないので、在庫データの網羅性のチェックポイントにはならないんだ。

選択肢エ(正解)

これは正解だよ。入庫と出庫の記録に自動で連番を付けておけば、欠番を調べることで記録漏れを、番号の重複を調べることで二重記録を見つけられるよ。発生した入出庫取引が漏れなく、重複なく在庫データに記録されているかを確かめる手掛かりになるので、網羅性のチェックポイントとして適切なんだ。

学習のポイント

網羅性のチェックと、正確性・正当性・適時性などを確かめる統制との違いを区別できるようにしよう。

出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成26年度秋期 ITサービスマネージャ試験 午前Ⅰ 問22(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例)

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