SAシステムアーキテクト試験 午後Ⅰ
平成30年度秋期 システムアーキテクト 午後Ⅰ 問4
事例を読んで設問の答えを考えてから、解説のポイントとIPA公式の解答例・採点講評で確認しましょう。
問題





解き方のヒントを見る
導入効果を測る視点
物流の改善策を考えるときは、技術の新しさだけで判断せず、導入前後で業務上の目的や成果がどう変わるかを軸に、現場への負担や継続性も同じ視点で整理しましょう。
この問題で問われていること
確認する観点を、導入によって現場の意思決定や作業の流れがどう変わり、その変化を継続的に評価できるかという一点に絞って、問題文の主張を読み取ってください。
視点
技術要素を個別に評価するのではなく、業務上の目的、利用する情報、現場の運用、評価方法が一つの流れとしてつながっているかを確認します。
確認ポイント
- 導入前後で比べる業務上の目的が明確か
- 現場の運用に無理なく組み込めるか
- 効果と負担を継続的に見直せるか
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解説
本問は、コンテナターミナルの人手不足や荷役遅延などを背景に、NCTキャリア、Tクレーン、積替えゲート、管理・運営システムを組み合わせ、IoT・AIで無人化、効率化、省エネルギー化、予防保守を実現する構成を問う問題です。
問題の全体像
従来のコンテナターミナルでは、コンテナ運搬車やトレーラ連結車の運転手確保、Tクレーンの手動操作、エネルギー消費、道路渋滞による到着遅延、設備故障が課題となっていた。そこで、Tクレーンとトレーラ連結車の直接受渡しをやめ、無人自律走行のNCTキャリアと積替えゲートを導入し、管理・運営システムで走行、荷役、スケジュール、データ収集・監視を一括管理する。設問は、このアーキテクチャ変更が無人化・省エネルギー・作業効率・予測精度・衝突防止にどうつながるかを、本文の因果関係に沿って説明させている。
設問1(1)
無人化のために、従来コンテナヤード内で人が担当していた運転作業を特定する。本文では、従来の設備としてコンテナ運搬車は人が乗って運転し、トレーラ連結車も運転手が必要です。一方、NCTキャリアは自律走行し、トレーラ連結車は積替えゲートまで移動した後、ヤード内の搬送を行わない構成です。したがって、公式解答例では「トレーラ連結車の運転」と「コンテナ運搬車の運転」を挙げている。
設問1(2)
エネルギー効率の観点では、重量の大きいTクレーンを長距離移動させるより、比較的効率よく搬送できるNCTキャリアを主に使うことに着目する。本文には、NCTキャリアによるコンテナ搬送をメインにし、Tクレーンがコンテナをつり上げて走行する距離をできるだけ短くするとある。したがって、35字以内では「コンテナの移動を可能な限りNCTキャリアで行う」という要素を押さえる。
設問1(3)
NCTキャリアとTクレーンは、直接コンテナを受け渡さず、Tクレーンが地表に降ろしたコンテナをNCTキャリアが受け取る。直接受渡しの場合に必要となる両機の位置・動作の同期が不要になるため、各機械を個別に動かしやすく、作業効率が向上する。公式解答例の「TクレーンとNCTキャリアの移動を同期させる必要がないから」がこの因果関係を簡潔に表している。
設問2(1)
スケジュール組替えの条件は、到着予測時刻と予定時刻の差だけではありません。本文では、予測到着順序を基に荷役スケジュールを組み替えるとしているため、各トレーラ連結車の到着順が変化すれば、荷役対象や順番も変わる。公式解答例の「トレーラ連結車の到着の順番が変わったこと」を、25字以内で明確に示す。
設問2(2)
到着時刻の予測精度を高めるには、周辺環境の情報だけでなく、実際に走行している各トレーラ連結車の状態を用いる。表3には位置・速度などの走行状態データを一定時間間隔で収集するとあるため、公式解答例では「各々のトレーラ連結車の走行状態のデータ」としている。
設問3(1)
サーバ性能アップの背景は、AI導入による処理負荷だけではありません。表3の荷役管理・スケジューリング機能は、荷役スケジュールを短い時間間隔で組み替えるため、従来より頻繁な計算・更新処理が必要になる。公式解答例の「荷役スケジュールの組替えの高頻度化」は、この追加処理負荷を示している。
設問3(2)
故障予測は、データ収集・監視で得た設備や荷役機械の稼働状態を蓄積し、そのデータをAI機能で分析する仕組みです。稼働期間が長くなるほど学習・分析に利用できるデータが増えるため、予測精度は向上すると考える。公式解答例も「データの蓄積が進むので精度は向上する」としている。
設問3(3)
NCTキャリア側のセンサ検出に加え、管理・運営システム側では全キャリアの位置や稼働状況を把握し、走行ルートや出発時刻を調整する。したがって、キャリア同士が同じ場所・時間に進入しないようスケジューリングし、その指示をNCTキャリアへ送ることが答案の要点です。公式解答例では「衝突しないようにスケジューリングしてNCTキャリアに指示する」としている。
学習のポイント
システム変更の目的と、本文中の課題・機能・データを対応付けて答案化する力を養う。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成30年度秋期 システムアーキテクト試験 午後Ⅰ 問4(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例 / 採点講評)
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