SAシステムアーキテクト試験 午後Ⅱ
平成23年度秋期 システムアーキテクト 午後Ⅱ 問2
事例を読んで設問の答えを考えてから、解説のポイントとIPA公式の解答例・採点講評で確認しましょう。
問題
解き方のヒントを見る
業務影響から考えるテスト計画
業務上の重要度と利用条件を起点に、何をどの順序で確かめると計画として妥当かを考えます。技術要素だけでなく、失敗時の影響や確認可能な範囲との釣り合いに注目してください。
この問題で問われていること
一つの観点として、テスト対象の優先順位が業務への影響と制約に照らして説明できるかを確認します。網羅性だけで判断せず、目的・リスク・実施可能性の関係を整理してください。
視点
業務の目的を起点に、想定される影響の大きさ、利用される条件、期限や体制などの制約を整理し、限られた資源をどこへ配分する計画になっているかを確認します。
確認ポイント
- 業務上の影響が大きい領域ほど、確認の優先度や深さが計画上で説明されていますか?
- 想定利用と実施条件のずれが、テストの範囲や順序に反映されていますか?
- 限られた期間・体制・環境で、目的に対する確認結果を得られる構成ですか?
正解と解説を見る
解説
本問は、対象業務の重要度や特性を踏まえて重点確認項目を設定し、期間や費用の制約下で効率よく品質を確保するシステムテスト計画を、実務経験に基づき一貫して論述する問題です。
問題の全体像
題材は、システムテスト計画の策定です。問題文は、銀行ATMや小売POSのように障害時もサービス継続が必要な業務、株式取引のように処理量が大きく変動する業務を例示し、業務の重要度・特性に応じて重点確認項目を変える必要性を示している。また、本番同等の環境や十分な期間が望ましい一方、実際には期間・費用の制約があるため、準備工数や人件費を抑えながら品質を確保する工夫も求めている。設問アで具体的な経験の前提を置き、設問イでその業務に即した重点項目を設定し、設問ウで制約下の効率化策を述べる構成です。採点講評では、業務の重要度・特性、システムテスト計画、制約と品質確保の工夫をそれぞれ具体的に書くことが重視され、一般論だけの答案や、システムの説明・テスト経験の経過に偏る答案は評価されにくいとされている。
設問ア
まず、設問イ・ウで扱う対象を明確にするため、実際に携わった対象業務と対象システムの概要を書く。業務では、何を処理し、利用者や業務上の役割は何かを示し、システムでは主要機能、利用形態、連携先、オンライン処理やバッチ処理の有無など、後の重点確認項目につながる情報を選ぶ。さらに、テスト期間、要員、予算、テスト環境の利用可能期間などの制約を具体化する。800字以内なので、プロジェクトの経緯を長く説明するのではなく、業務の重要度・特性と制約を判断できる事実に絞る。設問イで述べる項目と矛盾しない前提を置くことが重要です。
設問イ
設問アの業務について、業務の重要度や特性から、何を重点的に確認するかを具体化する。例えば、停止が許されない業務なら障害発生時に縮退運転へ円滑に移行できること、処理量が変動する業務なら想定最大量を処理できることに加え、変動に適切に追随できることが確認対象になる。これらを単に列挙せず、業務上なぜ重要なのか、どの状況・条件でテストするのか、期待する結果は何かまで結び付けて述べる。オンラインとバッチのピーク、異常系、障害復旧、データ整合性、性能などを挙げる場合も、対象業務の特性との関係を明示する。800字以上1、600字以内なので、複数の項目を挙げるなら優先順位や相互関係を示し、実際の計画として読める粒度にする。採点講評では、業務について述べずシステム説明だけに終わる答案や、テストの経緯だけを書く答案が多かったとされているため、業務の重要度・特性を中心に書く必要がある。
設問ウ
設問イで設定した重点確認項目を、期間・費用などの制約の中でどのように効率よく実施し、品質を確保するかを述べる。問題文の例のように、月次処理に続けて年次処理を実施できる日付を選び、テスト準備工数を減らす方法や、自動化ツールで多くのケースを実行し人件費を抑える方法が参考になる。ただし、工夫の名称だけでなく、どの制約に対して、何を変更し、どの品質を確保できるのかを具体的に示す。例えば、重点項目への優先配分、テストデータや環境の再利用、準備作業の標準化、自動化の適用範囲、結果確認や回帰テストの効率化などを、設問イの計画と対応付けて説明する。600字以上1、200字以内では、制約の記述、工夫の内容、実施方法、品質確保への効果を一つの因果関係としてまとめる。採点講評では、制約内容が書かれていないもの、制約と品質確保の工夫が対応していないもの、プロジェクト全体の制約とシステムテストの制約を混同したものが問題とされている。
学習のポイント
業務視点の重点化と、制約に対応する具体的なテスト計画の立案力を身につける。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成23年度秋期 システムアーキテクト試験 午後Ⅱ 問2(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例 / 採点講評)
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