SAシステムアーキテクト試験 午後Ⅱ
平成23年度秋期 システムアーキテクト 午後Ⅱ 問3
事例を読んで設問の答えを考えてから、解説のポイントとIPA公式の解答例・採点講評で確認しましょう。
問題
解き方のヒントを見る
検討の基準を一貫して捉える
この分野を学ぶ際は、判断の基準が途中で変わっていないかに注目しましょう。何を重視しているのかを自分の言葉で整理し、その基準が検討の各段階でも同じ意味で使われているかを確かめると、考えを整理しやすくなります。
この問題で問われていること
着目するのは、判断に使う基準の一貫性です。検討の段階が変わったときに、同じ言葉を別の意味で受け取っていないかを確認しましょう。個々の情報を結論に結び付ける前に、どの基準に照らして考えているかを意識してみてください。
視点
判断の基準とは、考えを整理する際のよりどころです。検討を進めるときは、基準を表す言葉の意味をそろえたまま考えているか、立ち止まって確認してみましょう。
確認ポイント
- 判断の基準を自分の言葉で整理できているか
- 段階が変わっても、基準を表す言葉の意味はそろっているか
- 結論を考える際にも、同じ基準を意識しているか
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解説
本問は、組込みシステムへのプラットフォーム導入について、目的の明確化、複数候補の比較と選択、導入後の評価を具体的に論述する問題です。導入目的と比較項目・比較結果・達成度を一貫させ、システムアーキテクトとしての判断を示すことが要点です。
問題の全体像
組込みシステムの高機能化・多機能化によって開発規模が拡大し、リアルタイムOSなどのプラットフォームが導入される状況が背景です。本問では、自分が開発に携わったシステムを対象に、導入目的、複数候補の比較、選択したプラットフォームの導入後の評価を論述します。添付の問3の公式資料は具体的な答案例ではなく出題趣旨であり、開発工程設計、コスト設計、性能設計、再利用性などへの影響を評価する比較項目の設定と比較結果、導入後の評価を通じて、組込みシステムのシステムアーキテクトとしての実施能力を評価するとしています。採点講評では、比較項目が具体的でも比較結果の分析が浅い論述や、導入目的と達成度に一貫性がない論述が指摘されています。そのため、製品や技術の紹介に終始せず、何のために導入し、何を比較して選び、その目的をどこまで達成したかをつなげて説明することが重要です。
設問ア
問題文の「その機能の概要及びプラットフォームの導入目的」に着目します。800字以内で、開発対象の組込みシステムがどのような機能を実現するものか、導入したプラットフォームが何か、何を目的として導入したかを整理します。導入目的は、本文に挙げられた機能の実現、品質の確保、開発期間の短縮、開発コストの削減などのうち、自分の事例で該当するものを具体化します。機能の説明は、その目的が必要となった事情を理解できる範囲に絞ると、字数内で後続設問の前提を示せます。出題趣旨では、要求仕様に基づく要件分析と機能仕様の決定を背景に、導入目的を明確にすることを求めています。したがって、「開発を効率化するため」といった抽象的な表現だけでなく、対象システムの開発で解決したかった課題と目的の関係を述べます。採点講評では、実際の経験に基づき設問に沿った具体的な論述を求めており、答案用紙の冒頭にある製品又はシステムの概要の記入漏れにも注意を促しています。
設問イ
問題文の「比較した複数のプラットフォーム」「重要な要素となった比較項目と比較結果」「導入目的を踏まえて」に着目します。800字以上1、600字以内で、候補を示し、重要な比較項目ごとに、導入目的との関係、各候補の比較結果、選択判断への影響を具体的に述べます。出題趣旨で示される開発工程設計、コスト設計、性能設計、再利用性などへの影響を、設問アの目的と結び付けて整理することが中心です。例えば、開発期間の短縮を目的とするなら開発工程への影響、開発コストの削減なら費用への影響、機能の実現や品質の確保なら必要な機能・性能を満たすかという観点が対応します。また、問題本文は開発環境、採用実績、ライセンス、開発要員のスキル、再利用性も評価することが重要としています。これらを事例に即して取り上げ、開発環境や要員スキルが工程にどう影響するか、ライセンスがコストにどう影響するかなど、選択に関わる意味を説明します。本文に挙げられた項目を列挙するだけでは比較結果の説明になりません。採点講評では比較結果の分析が浅く論述が不十分な答案が指摘されているので、候補間にどのような差があり、その差を導入目的に照らしてどう評価し、最終的な選択に至ったかまで述べます。字数内では、選択を左右した比較項目を中心に、項目と結果を対応させて記述します。
設問ウ
問題文の「設問イで述べた比較結果に基づいて選択したプラットフォーム」と、「導入目的の達成度」「副次的な利点」「発生した問題点」「あなたの評価」に着目します。600字以上1、200字以内で、まず設問アに示した目的について、導入後の結果を述べ、どこまで達成できたかを評価します。設問イで選択の根拠とした比較結果が、実際の開発でどのような成果につながったかも説明すると、選択と評価の関係が明確になります。次に、当初の目的に対する成果とは区別して、導入によって得られた副次的な利点を述べます。さらに、導入したことによって発生した問題点を具体化し、その影響や重要性について自分の評価を加えます。出題趣旨は導入後の評価を求め、問題本文はその評価を将来の開発に備えるためのものとしています。そのため、結果の列挙だけでなく、目的の達成状況と利点・問題点を踏まえ、今回の導入をどう評価するかを示します。採点講評では導入目的と達成度に一貫性がない論述が指摘されています。開発期間の短縮を目的に掲げたなら開発期間の結果を評価するなど、当初の目的を別の成果に置き換えずに述べることが重要です。
学習のポイント
導入目的を比較項目へ具体化し、候補間の差を分析して選択理由を説明する力と、当初の目的に照らして導入後の成果を評価する力を養います。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成23年度秋期 システムアーキテクト試験 午後Ⅱ 問3(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例 / 採点講評)
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