SAシステムアーキテクト試験 午後Ⅱ
平成23年度秋期 システムアーキテクト 午後Ⅱ 問1
事例を読んで設問の答えを考えてから、解説のポイントとIPA公式の解答例・採点講評で確認しましょう。
問題
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実務での判断と根拠を結び付ける
複数システムの構造を見直した実務経験を振り返り、自分が行った判断と、その根拠となった事実のつながりに注目しましょう。選定や課題への対応も、当時何を踏まえて判断したのかという同じ視点で整理します。
この問題で問われていること
設問で求められた観点ごとに、経験の中の判断と根拠が対応しているかを確かめましょう。出来事を順に並べるだけでなく、なぜその判断に至ったのかを、自分が把握した事情に結び付けて説明できるかが整理の軸です。
視点
振り返る経験の中で、自分が判断した場面を取り上げ、その判断を支えた事実や認識を書き出します。判断と根拠を一組として整理し、設問で説明する内容とのつながりを確認しましょう。
確認ポイント
- 自分が行った判断を具体的に示せているか
- その判断の根拠を自身の経験から説明できるか
- 判断と根拠のつながりが設問の観点に沿っているか
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解説
複数のシステムにまたがる要求に対し、業務とシステムの現状を分析し、機能・データの配置を全体最適の観点で見直す問題です。背景、分析と構造の選定理由、選定した構造のデメリットと軽減策を、一貫した具体的な経験として論述します。
問題の全体像
本問は、事業統合や事業を横断した顧客動向の把握など、複数のシステムに関連する要求を背景として、システム構造を見直した経験を論述する問題です。固定された事例への解答ではなく、自分が携わった事例を用います。問題文の「機能やデータの配置」「全体最適」「機能追加の容易性」「変更時の影響範囲」が中心となる着目点です。添付の公式資料には具体的な答案例ではなく出題趣旨が示されており、業務分析力と、全体最適の観点からシステム構造を設計する能力を評価すると説明されています。設問アで背景と対象を定め、設問イで分析結果と構造の選定理由を示し、設問ウでその構造のデメリットと軽減策を説明する流れを作ります。採点講評では、問題文の引用や一般論に偏らず、実際の経験に基づき設問に沿って具体的に論述することが求められています。
設問ア
「見直しの背景と概要」「対象になった複数のシステムの概要」の両方を、800字以内で説明します。背景では、どの業務上の要求が生じ、従来の構造では何が問題になったのかを明確にします。対象システムの概要では、それぞれが担う業務、主要な機能や保有データ、システム間の関係を、後の分析が理解できる程度に示します。見直しの概要では、機能やデータの配置をどの範囲で変更しようとしたかを簡潔に述べます。こうして業務上の要求と構造上の課題を結び付けることで、設問イの選定理由を説明する土台ができます。採点講評では、答案用紙冒頭で求められるシステムなどの概要に未記入や記入漏れがある答案についても指摘しています。冒頭の記入欄と設問アの要求をそれぞれ満たし、詳細な分析や対策は後続の設問に配分します。
設問イ
800字以上1、600字以内で、分析の視点、具体的な分析結果、選定した構造、メリットなどの選定理由を説明します。問題文が挙げる「新たな商品やサービスに対応する際の変更箇所や変更方法の傾向」「システムによる機能の配置の違い」「データの配置や流れ」が着目点です。例えば、商品追加時の業務手順や部門ごとのルールの違いを確認し、それが各システムの機能変更やデータ更新にどう影響するかまで分析します。その結果を受け、共通化する機能と個別に残す機能、コンポーネントの分割・統合、マスタファイルの分離・統合など、機能とデータの配置を具体的に示します。複数の構造案がある場合は、機能追加の容易性、変更時の影響範囲、業務への適合性など、自分の事例に必要な観点で選定理由を説明します。公式の出題趣旨では、現状分析と全体最適に基づく構造設計が求められています。採点講評では、業務の視点からの分析がない答案や、構造ではなく連携方式だけを述べる答案が多かったと指摘されています。ハブ型接続を取り上げる場合も、接続方式の説明だけで終えず、機能・データの配置と業務上の効果を示すことが重要です。
設問ウ
600字以上1、200字以内で、設問イで選定した構造に伴うデメリットと、その軽減方法を具体的に説明します。問題文の「それぞれにメリットやデメリットがある」「デメリットの軽減方法を検討した上で」という記述に着目し、採用する構造の何が不利益を生むのか、どの業務やシステムに影響するのかを明らかにします。その上で、原因に対応する対策と、対策によって何を軽減できるかを示します。問題文では、接続の複雑化に対する連携基盤によるハブ型接続や、統合対象のマスタのコード体系の相違に対する新たなコード体系と新旧コードの相互変換が例示されています。ただし、例をそのまま並べるのではなく、自分が選定した構造との関係を説明する必要があります。採点講評では、選定した構造のデメリットではなく、システム統合などの背景そのもののデメリットを述べる答案が指摘されています。「事業統合で業務調整が必要になった」といった背景上の問題と、「マスタを統合する構造を選んだため、異なるコード体系を対応付ける必要が生じる」といった構造に伴う問題を区別して論述します。
学習のポイント
業務上の要求から機能・データの配置を設計する力と、構造のメリット・デメリットを対応付けて説明する力を養います。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成23年度秋期 システムアーキテクト試験 午後Ⅱ 問1(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例 / 採点講評)
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