SAシステムアーキテクト試験 午後Ⅰ
平成23年度秋期 システムアーキテクト 午後Ⅰ 問4
事例を読んで設問の答えを考えてから、解説のポイントとIPA公式の解答例・採点講評で確認しましょう。
問題



解き方のヒントを見る
要件が成り立つ前提を確認する
要件を検討するときは、その内容がどのような前提のもとで成り立つのかに注目しましょう。書かれている条件と自分で補った想定を分け、判断の根拠が与えられた情報の範囲に収まっているか確認します。
この問題で問われていること
判断に使おうとしている記述が、どの条件を前提としているかを確かめることが焦点です。条件が明示されている部分と、自分の経験から想定している部分を区別し、前提を勝手に広げていないか見直しましょう。
視点
要件を理解する際は、記述の内容だけでなく、それが成り立つ前提を意識します。自分で置いた前提は、与えられた条件と同じ根拠として扱わず、区別して整理しましょう。
確認ポイント
- 判断に用いる前提は、与えられた情報に基づいているか
- 自分の経験や思い込みで条件を補っていないか
- 記述が適用される条件を、根拠なく広げていないか
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解説
学校側の要望を、電子黒板・タブレット端末・サーバなどの機能と連携に落とし込む問題です。電子黒板の保存・再表示、ログイン情報による生徒の特定、氏名と座席位置の関連付けを押さえ、連動相手を特定する情報と教材のページ対応を区別することが要点です。
問題の全体像
D社が、従来のプロジェクタとホワイトボードによる授業を発展させ、電子黒板と生徒用タブレット端末を用いた教育用システムを開発する事例です。電子黒板は教材の表示や手書き入力、タブレット端末は問題の表示や解答入力を担い、サーバなどと連携します。公式の出題趣旨では、利用者の要望を分析し、システムアーキテクチャと機能仕様を検討・策定する能力が問われています。学校側の要望を出発点に、それを実現する機器、機能、連携に必要な情報を具体化することが中心です。
設問1(1)
〔電子黒板の機能及び仕様〕の「手書き入力した情報をサーバに格納し,再表示できる」に着目します。従来のホワイトボードへの投影に比べ、授業中に書き込んだ文字や図形を保存し、後で再表示できる点が利点です。公式解答例では「電子黒板に手書きした文字や図形を保存し,再表示できる。」としています。30字以内では、手書きした文字・図形、保存、再表示という要素をまとめます。採点講評では、教育用システム全体の機能を述べた解答が散見されたとされており、電子黒板の機能に焦点を合わせる必要があります。
設問1(2)
〔電子黒板の機能及び仕様〕には、同一利用者がログインしている2台の電子黒板が「LANによって相互に情報を交換して連動できる」とあります。この連動はLANを通じた情報交換に依存するため、切断されると利用できません。一方、電子黒板内のメモリに保持したコンテンツの表示などは、LAN経由の情報交換を必要としません。公式解答例は「2台の電子黒板の連動」です。15字以内では、この連動機能を簡潔に示します。
設問2(1)
〔本システムの運用〕に、生徒はタブレット端末の起動時に「利用者IDとパスワードを入力してログインする」とあります。起動時に使用者を特定する根拠は、このログイン時の情報です。公式解答例では、これを「ログイン情報」とまとめています。10字以内では、この語で要点を表せます。RFタグから読み込む情報は座席位置を把握するためのものであり、生徒本人を特定するログイン情報とは役割が異なります。
設問2(2)(a)
設問の条件である「タブレット端末単体で語学の学習に用いる場合」と、表2の音声信号入出力用オーディオコーデックに着目します。語学学習では教材の音声を聞くとともに、自分の発音を入力する用途が考えられます。この音声の出力と入力に対応する外部接続機器として、公式解答例では「マイク付きヘッドフォン」を挙げています。採点講評では、教材と直接関係しない外部機器を答えた解答が散見されたとされており、語学学習での使い方に即して機器を選ぶことが重要です。
設問2(2)機能
マイク付きヘッドフォンを接続すると、学習者の発音を入力し、教材の音声や自分の発音を聞くことができます。その学習用途を実現するには、音声を録音し、再生する機能が必要です。表2のオーディオコーデックは音声信号の入出力を支える仕様ですが、ここではタブレット端末に必要な機能を答えます。公式解答例は「音声録音再生」です。10字以内では、録音と再生の両方を含めて表します。
設問3(1)
学校側には、タブレット端末に問題を表示し、文字や図形で解答を入力したいという要望があります。また、電子黒板には授業で使用するコンテンツが表示されます。これらを授業の流れに沿って連動させると、電子黒板に表示している内容に対応する問題を生徒のタブレット端末へ配信する機能になります。公式解答例は「電子黒板の表示内容に対応した問題のタブレット端末への配信」です。35字以内では、表示内容との対応、配信する問題、配信先のタブレット端末を押さえます。
設問3(2)
〔本システムに対する要望〕の「生徒の氏名とその座席位置との対応が分かるようにしてほしい」に着目します。机のRFタグには座席位置情報が記録され、端末はその情報を読み込んでサーバへ送信します。ログイン情報で特定した生徒と、この座席位置情報を組み合わせることで要望を実現できます。公式解答例は「生徒の氏名と座席位置とを関連付ける。」です。25字以内では、RFタグを読む手順ではなく、その目的である氏名と座席位置の関連付けを述べます。
設問4(1)
〔電子黒板の機能及び仕様〕の「同一利用者がログインしている2台の電子黒板」が連動するという条件に着目します。サーバが補助コンテンツを他方へ自動的にダウンロードするには、どの2台がその教師の連動対象なのかを特定する必要があります。公式解答例は「教師がログインしている2台の電子黒板を特定する情報」です。30字以内では、教師のログインと対象の2台の特定を含めます。採点講評でも、連動する2台に共通する情報を考慮することが解答の手掛かりとして示されています。
設問4(2)
設問では、更新されたコンテンツのページ番号を他方の電子黒板へ送信するところまでが示されています。受信側が補助コンテンツの表示ページを決めるには、その番号が補助コンテンツの何ページに対応するかを知る必要があります。両コンテンツの対応ページが同じ番号であるとは記載されていません。公式解答例は「コンテンツと補助コンテンツとのページ番号の対応」です。30字以内では、両者のページ番号の対応関係を示します。受信するページ番号そのものと、表示先を決めるための対応情報を区別することが要点です。
学習のポイント
設問の対象機器と利用場面を絞り、要望・運用・仕様を対応付けて読む練習が重要です。機器間の連動では、相手を特定する情報と処理内容を対応付ける情報を分けて考えます。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成23年度秋期 システムアーキテクト試験 午後Ⅰ 問4(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例 / 採点講評)
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