PMプロジェクトマネージャ試験 午後Ⅰ
令和6年度秋期 プロジェクトマネージャ 午後Ⅰ 問3
事例を読んで設問の答えを考えてから、解説のポイントとIPA公式の解答例・採点講評で確認しましょう。
問題
解き方のヒントを見る
変化に応じた計画と協働の見極め
状況の変化に対応する計画の見直しと、チームが共通理解を保ちながら進めるための関係に注目して、各選択肢の考え方を整理しましょう。
この問題で問われていること
計画を調整する判断とチーム管理のつながりに焦点を当て、変化への対応が進行の透明性や協働の維持とどう関係するかを確認しましょう。
視点
変化への対応を考えるときは、計画だけでなく、判断の共有、役割の理解、継続的な確認が互いにどう影響するかを整理します。
確認ポイント
- 計画の調整が必要になる状況をどのように捉えているか
- 変更内容や判断が関係者に共有される前提になっているか
- チームの協働と進行状況を確認する視点が含まれているか
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解説
本問は、1年後のサービス開始を必達目標とするネット専業銀行のシステム開発を題材に、予測型の標準を適応型プロジェクト向けにテーラリングする判断を問う。要求事項の柔軟な取込みと、若手リーダー育成を両立するプロセス設計が中心です。
問題の全体像
Hプロジェクトは、1年後の銀行業務開始を守りながら、市場ニーズに応じて要求事項と開発項目を順次決める必要がある。そこでI課長は、習熟済みのA銀行マネジメント標準を基礎に、適応型開発の要素を加えてテーラリングした。設問1では、要求事項を柔軟かつ効率的に取り込むための定義プロセス、設問2では、若手リーダーを育成しながら進捗遅延を防ぐチームマネジメントを問う。
設問1(1)
本文では、要求事項を市場状況に応じて順次確定し、予算内で取込みに最大限柔軟に対応する方針が示されている。一方、既存の変更管理プロセスは、変更要求の提出部門や他部門とのやり取りが何度も発生していた。したがって、修整の目的は、要求事項の取込みに最大限柔軟に対応することです。25字以内では、柔軟な取込みという目的を端的に示す。
設問1(2)
各業務部門の要求事項を、H銀行企画部があらかじめ判定基準で確認してから提示する流れに変えている。これは、効果が不明確な要求や他部門と相反する要求を後工程で調整する状況を減らすためです。公式解答例では、要求事項を提出した業務部門への確認などのやり取りを減らす効果が示されている。
設問1(3)
レベル高・中の要求事項は通常DDBに付議されるが、DDBの決定によって遅延リスクを30%未満に下げられれば、PM承認で取り込める。本文の具体的な手段は、開発項目への追加に伴う影響を抑えるため、開発項目内のほかの要求事項を外すことです。したがって、その入替えの決定を答える。
設問1(4)
H銀行は要求事項を受け入れ続けたい一方、必達目標は1年後のサービス開始です。プロジェクトが進むほど残作業や余裕が減り、新たな要求事項を取り込む余地は小さくなる。この前提をDDBで共有し、要求事項を受け入れ続けた結果としてスケジュール遅延を招かないようにする理由を答える。
設問2(1)
A銀行標準は、PMとリーダーが明確に指示・報告し、課題解決方法やメンバー活動を指示する管理を重視している。しかし、H銀行の課題は適応型プロジェクトを担う若手リーダーの育成です。このような指示中心の管理では、支援型リーダーの育成に適さないため、修整が必要になる。
設問2(2)
本文では、若手リーダーとして、モチベーションが高く、自発的に仕事に取り組む姿勢をもつメンバーを積極的に登用するとしている。この姿勢があるからこそ、細かな指示を与えるのではなく、支援型リーダーシップを身につけたベテランが育成役として支援できる。字数内では、高い意欲と自発性を押さえる。
設問2(3)
過去の失敗では、若手リーダーがメンバーに細かく指示したり課題解決に過度に介入したりして、チームのパフォーマンスが低下し、進捗が遅れた。ベテランが動機付けや自律的な課題解決を後方支援すれば、若手リーダーが適切にチームを運営できる。公式解答例では、チームのパフォーマンス低下による進捗の遅れを防ぐ効果が示されている。
設問2(4)
週次進捗会議だけでは、遅れを隠して問題が深刻化するおそれがある。朝会で全員が昨日の進捗、今日の予定、障壁や不安要素を共有すれば、問題を日々把握できる。したがって、問題が大きくなる前に原因を把握し、早期に解決を図る効果を答える。
学習のポイント
標準プロセスを事例の目的・制約に合わせて修整し、施策の効果まで説明する練習が重要です。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)令和6年度秋期 プロジェクトマネージャ試験 午後Ⅰ 問3(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例 / 採点講評)
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