PMプロジェクトマネージャ試験 午前Ⅱ
令和6年度秋期 プロジェクトマネージャ 午前Ⅱ 問8
問題文と選択肢を読んで答えを考えてから、下の「正解と解説を見る」で確認しましょう。
問題
選択肢
- ア実コストが予算コストを下回っているので,CPIに基づいて完成時総コストを下方修正する。
- イ実コストをCPIで割った値を使って,完成時総コストを見積もり,これを予想値とする。
- ウ超過コストの原因を明確にし,コスト効率を向上させるための対策に取り組むとともに,CPIの値を監視する。
- エプロジェクトの完成時にはCPIが1.0となることを利用して,CPIが1.0となる完成時期を予測し,スケジュールを見直す。
解き方のヒントを見る
EVM指標と対処の対応を見極める
EVMの指標は、計画・実績・出来高という複数の基準値の関係からプロジェクトの状態を表します。対処の適否を考える際は、まず指標が何の観点の良し悪しを示しているのかを整理し、その状態に対して対処が理にかなっているかを確かめる姿勢が大切です。
この問題で問われていること
この問題で意識したい観点は一つで、各指標が表している状態を正しく読み取り、その状態と対処が目指す改善の方向とが食い違っていないかという整合性です。指標の意味を取り違えると、もっともらしい対処でも判断を誤ります。
視点
EVMでは、ある時点までに予定していた作業の価値、実際に完了した作業の価値、実際にかかったコストを同じ尺度で比べます。そこから導かれる指標には差で表すものと比率で表すものがあり、どの値とどの値を比べるかによって、表す側面が変わります。値の大小を感覚で判断せず、それぞれの指標の定義に立ち返って、何を基準にどちら側へずれているのかを言葉で説明できる状態にしてから、対処の妥当性を考えると混乱を避けやすくなります。
確認ポイント
- 各指標がどの基準値同士を比べたもので、どの側面の状態を表すかを自分の言葉で説明できるか
- 指標の値が基準からどちら側にあるときに良好・不良と解釈するのかを、定義に立ち返って確かめたか
- 検討している対処が、読み取った状態のどの側面に働きかけるものかを対応付けて考えたか
正解と解説を見る
正解
ウ
解説
CPIはEVをACで割った値であり、CPI=EV/ACで表される。CPIが1.0未満なら、得られた出来高に対して実際のコストが大きく、コスト効率が悪化している。したがって、原因を分析して改善策を実施し、その後もCPIを監視する必要がある。
理由
CPIは、出来高EVと実コストACの比率です。CPI=EV/ACで、単位はない。1.0未満は、同じ成果を得るために相対的に多くのコストを使っている状態を意味するため、超過の原因を明確にし、コスト効率を改善する対応が必要になる。
比較
CPIの低下はスケジュールの遅れを直接示す指標ではありません。完成時期を予測するにはSPIなどのスケジュール指標を用いる。また、実コストと予算コストの単純な大小だけで判断せず、出来高との関係を踏まえて、CPIの推移を継続的に管理する。
選択肢ア
これは不正解だよ。CPIが1.0未満とは、実コストに対する出来高の割合が低く、コスト効率が悪い状態を示す。実コストが予算コストを下回っているとは限らず、この状態を根拠に完成時総コストを下方修正するのは適切ではない。
選択肢イ
これは不正解だよ。実コストをCPIで割る考え方は、完成時総コストの見積りに用いる一般的な関係とは一致しない。CPIはEVとACの比率であり、完成時の見積りにはBACなどの計画値や残作業の前提も関係するため、この方法だけで予想値とはできない。
選択肢ウ(正解)
これは正解だよ。CPIが1.0未満なら、出来高に対して実コストが大きく、コスト効率が悪化している。まず超過コストの原因を明確にし、効率向上の対策を実施する。そのうえでCPIを監視し、改善状況を継続的に確認する。
選択肢エ
これは不正解だよ。CPIはコスト効率を示す指標であり、完成時に必ず1.0になる性質はない。また、CPIが1.0になる時期を使って完成時期を予測することもできない。スケジュールの予測や見直しには、時間や進捗を表す指標を用いる必要がある。
学習のポイント
EVMの指標が示す状態と、異常時の是正・監視の考え方を学ぶ。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)令和6年度秋期 プロジェクトマネージャ試験 午前Ⅱ 問8(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例)
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