PMプロジェクトマネージャ試験 午後Ⅰ
令和5年度秋期 プロジェクトマネージャ 午後Ⅰ 問2
事例を読んで設問の答えを考えてから、解説のポイントとIPA公式の解答例・採点講評で確認しましょう。
問題
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協力会社との関係を整理する視点
協力会社との協働や契約を考えるときは、立場や責任、作業範囲、成果物、連絡や判断の流れを切り分け、問題文の条件がどの関係を示しているかを丁寧に照合しましょう。特に、誰が何を担うのかを中心に読み進めることが大切です。
この問題で問われていること
この問題では、契約上の名称や印象に引きずられず、関係者の役割分担と責任の置かれ方に注目して、記述された状況を整理する手順を意識しましょう。まず、主体ごとの担当と関与の範囲を確認してください。
視点
関係者ごとに担当する作業、負う責任、成果を受け渡す相手を整理し、契約や協働の説明と矛盾がないかを確認します。
確認ポイント
- 関係者ごとの担当範囲を分けて読めているか
- 成果や判断に関する責任の所在を確認したか
- 契約や協働の説明と役割分担が対応しているか
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解説
本問は、顧客価値が変化する環境で、計画変更の負担やリスクの転嫁に依存せず、協力会社と対等にリスクを共有し、適応力と回復力を高めるEPSの実践を問うています。
問題の全体像
S社は、予測型開発で予算・期限・品質を管理してきましたが、顧客の事業環境が変化し、要件や顧客価値も変わるため、従来の計画重視だけでは対応しにくくなっています。そこでT課長は、適応力と回復力を高めるとともに、発注者の優越的な立場が協力会社へ悪影響を及ぼさないよう、A社とイコールパートナーシップを共同で探求します。設問は、計画変更の課題、再委託リスクの限界、相手の視点を取り入れる姿勢、共同リスク管理、契約・動機付けの効果を本文から説明させる構成です。
設問1
下線①の直前では、顧客価値が事業環境の変化によって受託当初から変わることが示されています。そのため、各活動が顧客価値に結び付くかを見直す必要が生じ、顧客価値に直結しない計画変更に掛ける活動が増加する、という課題を押さえます。公式解答例も、顧客価値に直結しない計画変更への活動増加を挙げています。35字以内なので、原因と増加する負担を簡潔にまとめます。
設問2
請負契約で協力会社へ再委託しても、納期遅延後に損害賠償や追完請求を行えるだけでは、プロジェクトの納期リスクを実質的に解消できません。したがって、既に対応困難な状況とは、資源をどれだけ投入しても納期に間に合わせられない状態です。公式解答例の「どんなに資源を投入しても、納期に間に合わせることができない状況」をそのまま要素として押さえます。
設問3
T課長は、自分の受託者としての経験だけを正解とせず、A社との対話で考えを修正・深化させたいと伝えています。「共同探求」としたのは、A社にも意見を出してもらい、A社の視点を加えてほしいというメッセージを示すためです。公式解答例もこの点を要点としています。
設問4(1)
本文では、過去にT課長自身が協力会社へ顧客と同じような強い監視や細かな報告要求をしていたことを反省し、発注者の優越的立場が協調関係を損なうと認識しています。したがって、S社が発注者として優越的な立場にあることを意識し、その立場が悪影響を及ぼさないように行動することが答えの中心です。公式解答例も、優越的な立場が悪影響を及ぼさないようにすることとしています。
設問4(2)
両社が自律的にリスクを判断し、予兆を隠さず共同で管理すれば、リスクの顕在化を早く把握し、協力して対処できます。本文の、伝達を躊躇した結果として負荷や士気低下が生じた経験と対比して、最速で予兆を検知し、協調して対処する効果を書くのがポイントです。公式解答例もこの効果を示しています。
設問4(3)
本文の各空欄は、EPSで採用する考え方や契約条件を用語で補います。[a]は、ObserveからActまでを高速に回すOODAループです。[b]は、変化や予測困難な状況から立て直す回復力です。[c]は、準委任契約で成果に応じた支払を行う成果報酬型、公式解答例の表現では「成果報酬」又は「成果完成」です。[d]は、達成基準を満たした場合に追加支給するインセンティブ・フィーです。
設問4(4)
A社の意見では、請負契約によって計画力・遂行力が高まり、生産性向上へのモチベーションが上がった一方、準委任契約ではモチベーションが下がりがちだと述べています。そこで、成果に応じた支払やCPIFのインセンティブを組み合わせ、顧客価値の変化に対応しながら、生産性向上のモチベーションを維持する効果を狙っています。公式解答例もこの内容を示しています。
学習のポイント
本文の課題、EPSの行動原則、契約による動機付けを結び付けて読む力を養います。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)令和5年度秋期 プロジェクトマネージャ試験 午後Ⅰ 問2(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例 / 採点講評)
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