PMプロジェクトマネージャ試験 午後Ⅰ
令和5年度秋期 プロジェクトマネージャ 午後Ⅰ 問1
事例を読んで設問の答えを考えてから、解説のポイントとIPA公式の解答例・採点講評で確認しましょう。
問題
解き方のヒントを見る
協働を生む運営の見方
チームで価値を生み出す場面では、個人の指示力だけでなく、目的の共有、意見の扱い、役割間の連携、振り返りによる改善がどう結び付くかを全体として捉えることが大切です。
この問題で問われていること
選択肢を比べるときは、リーダーや管理者の行動がメンバーの参加と相互作用をどのように支え、成果だけでなく協働の過程にもつながる説明になっているか、という一点に注目してください。
視点
価値共創を考える際は、誰か一人が価値を決めて配分する構図に限定せず、関係者が目的や知識を持ち寄り、対話を通じて成果の方向を調整する過程として整理します。リーダーシップとマネジメントの役割が、参加しやすい環境づくりや継続的な学習にどう関係するかを確認しましょう。
確認ポイント
- チームの目的と、参加者が共有している前提が結び付いているか
- 意思決定や役割分担に、対話と相互理解の機会が含まれているか
- 短期的な成果だけでなく、協働を続ける条件にも目を向けているか
正解と解説を見る
解説
本問は、経験のない新たな体験価値を創出するXプロジェクトを題材に、PMがメンバーの状況に応じて自律的マネジメントや支援型リーダーシップへ移行し、挑戦と知見共有を促す考え方を問う問題です。
問題の全体像
E社、G社、H社は、それぞれの強みを結集して、従来にない体験価値を提供するX社を設立しました。Xプロジェクトは、成果を確認しながら内容を修正する必要がある未知の事業であり、迅速な開発とメンバーの積極的な挑戦が求められます。そこでF氏は、アジャイル型開発、チームの自律的マネジメント、状況に応じた支援型リーダーシップ、目標の共有、挑戦を支える環境、知見の共有を重視しました。公式解答例は、これらの施策の直接的な狙いを簡潔に示しています。
設問1(1)
本文では、Xプロジェクトは各社が過去に経験したことのない新たな価値創出であり、社長も開発成果を確認しながら共同事業化計画を修正する意向です。このため、最初から計画を固定するのではなく、成果を随時確認しながら進められる点が、アジャイル型開発を採用する理由になります。公式解答例も「成果を随時確認しながらプロジェクトを進められるから」としています。
設問1(2)
自律的なマネジメントへ移行するには、メンバーが自分の考えや気持ちを安心して発言できることが前提です。本文には、現時点では誰に対してでも安心して発言できず、意見を主張することを控えているとあります。したがって、改善された状態は、誰に対してでも安心して発言できる状態です。
設問1(3)
本文では、メンバーはXプロジェクトの目的実現に前向きであり、各自の経験に基づく意見も持っています。このようなメンバーに対してPMが作業分担などを一方的に決める必要性は低いため、指示型リーダーシップを控えます。公式解答例は「メンバーは目的の実現に前向きな姿勢である状況」としています。
設問1(4)
Xプロジェクトは、メンバー全員が新たな価値創出を理解し、自発的にチャレンジすることを重視しています。そのため、PMの指示を待つのではなく、各メンバーが自ら行動を起こすセルフリーダーシップを発揮できるようにする必要があります。公式解答例も、理由を「メンバーの自発的なチャレンジが重要だから」としています。
設問2(1)
メンバーは体験価値についてそれぞれ異なる思いを持っていますが、まだ共有されていません。目標をメンバーで議論し、理解・納得した上で設定すれば、提供する体験価値に対する思いを統一し、共有できます。したがって、答案では目標への合意そのものではなく、体験価値に対する思いを統一・共有する狙いを押さえます。
設問2(2)
メンバーは出資元各社の期待を意識しており、それが挑戦の制約になりそうだと本文にあります。そこで、社長から各社とメンバーへ、失敗から学びながら目標を達成する進め方を説明し、納得を得ました。整備された環境は、出資元各社の期待に制約されず、メンバーがチャレンジできる環境です。
設問3
行動原則は、チャレンジの過程で得たものを他のメンバーへ提供し、自分の専門性に固執せず他者の意見を取り入れることを求めています。これは、個人の経験や新たに得たスキルをチーム全体で共有し、価値の共創力を高めるためです。公式解答例も「知見や体験を共有して価値の共創力を高めるため」としています。
学習のポイント
本文の事実から、PM施策の狙いを因果関係で説明する練習が重要です。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)令和5年度秋期 プロジェクトマネージャ試験 午後Ⅰ 問1(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例 / 採点講評)
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