PMプロジェクトマネージャ試験 午前Ⅱ

令和5年度秋期 プロジェクトマネージャ 午前Ⅱ 問20

問題文と選択肢を読んで答えを考えてから、下の「正解と解説を見る」で確認しましょう。

問題

要件定義プロセスにおいて、要件を評価する際には、矛盾している要件、検証できない要件などを識別することが求められている。次のうち,要件が検証可能である例はどれか。

選択肢

  1. ア
    個々の要件に、対応必須、対応すべき、できれば対応,対応不要といったように重要性のランク付けがなされている。
  2. イ
    システムのライフサイクルの全期間を通して、システムに正当な利害関係をもつ個々の利害関係者が識別できている。
  3. ウ
    システムやソフトウェアが、要件定義書の記述内容を満たすか否かをチェックするための方法があり、チェック作業が妥当な費用内で行える。
  4. エ
    実現可能か否かにはこだわらず、全ての利害関係者のニーズ及び期待が漏れなく要件定義書に盛り込まれている。
解き方のヒントを見る

要件評価の観点を問いの記述と照合する

要件の性質を判別する問題では、記述が要件のどの側面を問題にしているのかを見極めることが出発点です。用語の印象だけで決めず、評価の観点ごとに何を確かめようとしているのかを自分の言葉で整理してから照らし合わせましょう。

この問題で問われていること

記述されている状況が、要件のどの部分に着目して述べられているのかという『着目対象』を特定することに絞って考えます。着目対象がはっきりすれば、どの評価観点の話かを落ち着いて判断しやすくなります。

視点

要件評価は、定義した要件を次の工程へ渡してよいかを複数の観点から点検する活動です。観点はそれぞれ確かめる対象が異なるため、ある記述がどの観点に当たるかは、その記述が何を確かめようとしているかで決まります。名称が似た観点に惑わされないよう、各観点の意味を自分で説明できるかを先に確認しておくと判断がぶれにくくなります。

確認ポイント

  • 記述が指摘している点は、何についての問題または性質なのかを一言で言い表せるか
  • 評価の各観点について、それが何を確かめるためのものかを自分の言葉で説明できるか
  • 語句の表面的な似通いではなく、着目対象が一致するかどうかで判断しているか
正解と解説を見る

正解

ウ

解説

検証可能な要件とは、要件定義書の記述をシステムやソフトウェアが満たしているかどうかを確認する方法があり、その確認を妥当な費用で実施できる要件です。

理由

要件が検証可能であるためには、達成または未達成を判断するチェック方法が明確でなければならない。さらに、そのチェックが過大な費用や負担にならず、実際に実施可能であることも求められる。

比較

重要性のランク付けは優先順位、利害関係者の識別は関係者管理、ニーズの記載は要求の網羅性に関する観点です。これらは重要な評価項目だが、要件を検証できることそのものを示してはいない。

選択肢ア

これは不正解だよ。個々の要件に対応必須や対応不要などの重要性を付けることは、要件の優先順位や扱いを明確にするための評価である。しかし、その要件をシステムが満たしたかどうかを確認する具体的な方法があることや、確認を実施できることまでは示していない。

選択肢イ

これは不正解だよ。システムのライフサイクル全体を通じて利害関係者を識別することは、要求の出所や関係者を把握するために重要である。ただし、利害関係者を識別できていることだけでは、要件の達成状況をチェックする方法が存在するとはいえない。

選択肢ウ(正解)

これは正解だよ。要件定義書の記述をシステムやソフトウェアが満たすか否かを確認する方法があり、そのチェック作業を妥当な費用内で実施できると示している。達成状況を客観的かつ現実的に確認できるため、検証可能な要件の例に該当する。

選択肢エ

これは不正解だよ。全ての利害関係者のニーズや期待を要件定義書に盛り込むことは、要求の網羅性に関する内容である。また、実現可能か否かにこだわらない条件は、実装や確認の現実性を損なうため、要件が検証可能である例とはいえない。

学習のポイント

要件の検証可能性と、重要度・網羅性・利害関係者識別の違いを整理する。

出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)令和5年度秋期 プロジェクトマネージャ試験 午前Ⅱ 問20(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例)

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