PMプロジェクトマネージャ試験 午後Ⅱ

平成31年度春期 プロジェクトマネージャ 午後Ⅱ 問1

事例を読んで設問の答えを考えてから、解説のポイントとIPA公式の解答例・採点講評で確認しましょう。

問題

システム開発プロジェクトにおけるコスト超過の防止について プロジェクトマネージャ(PM)には,プロジェクトの計画時に,活動別に必要なコストを積算し,リスクに備えた予備費などを特定してプロジェクト全体の予算を作成し,承認された予算内でプロジェクトを完了することが求められる。 プロジェクトの実行中は,一定期間内に投入したコストを期間別に展開した予算であるコストベースラインと比較しながら,大局的に,また,活動別に詳細に分析し,プロジェクトの完了時までの総コストを予測する。コスト超過が予測される場合,原因を分析して対応策を実施したり,必要に応じて予備費を使用したりするなどして,コストの管理を実施する。 しかし,このようなコストの管理を通じてコスト超過が予測される前に,例えば,会議での発言内容やメンバの報告内容などから,コスト超過につながると懸念される兆候をPMとしての知識や経験に基づいて察知することがある。PMはこのような兆候を察知した場合,兆候の原因を分析し,コスト超過を防止する対策を立案,実施する必要がある。 あなたの経験と考えに基づいて,設問ア~ウに従って論述せよ。 設問ア あなたが携わったシステム開発プロジェクトにおけるプロジェクトの特徴とコストの管理の概要について,800字以内で述べよ。 設問イ 設問アで述べたプロジェクトの実行中,コストの管理を通じてコスト超過が予測される前に,PMとしての知識や経験に基づいて察知した,コスト超過につながると懸念した兆候はどのようなものか。コスト超過につながると懸念した根拠は何か。また,兆候の原因と立案したコスト超過を防止する対策は何か。800字以上1、600字以内で具体的に述べよ。 設問ウ 設問イで述べた対策の実施状況,対策の評価,及び今後の改善点について,600字以上1、200字以内で具体的に述べよ。
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経験を根拠と判断のつながりで整理

自身が関わったシステム開発プロジェクトを振り返り、コストに関する判断がどのような根拠に基づいていたかを整理しましょう。兆候への気付きから防止対策、その評価までを、同じ視点でつなげて考えてみてください。

この問題で問われていること

設問が求める兆候、防止対策、評価について、自分が当時把握していた事実と、そこから行った判断とのつながりに注目しましょう。経験を述べる際は、それぞれの判断の理由を読み手がたどれるように説明を組み立ててください。

視点

経験の中でコストに関する判断を行った場面を選び、何を把握し、それをどう受け止めたのかを振り返ります。対策や評価を述べる部分でも、その判断を支えた根拠とのつながりを意識すると、説明の筋道を整理できます。

確認ポイント

  • 兆候と捉えた理由が、自身の経験の事実と結び付いているか
  • 防止対策を選んだ理由が、当時の判断の根拠から説明できるか
  • 評価の理由が、実際に確認した事実と結び付いているか
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解説

本問は、自身のプロジェクト経験に基づき、コスト管理で超過を予測する前に察知した兆候と懸念の根拠を示し、原因分析、予防的な対策、その実施と評価までを具体的につなげて論述する問題です。

問題の全体像

本問では、承認された予算内での完了を目指すシステム開発プロジェクトについて、自身の経験と考えに基づいて論述します。通常のコスト管理では、投入したコストをコストベースラインと比較し、完了までの総コストを予測します。中心となるのは、その管理で超過が予測される前に、会議の発言やメンバの報告などから兆候を察知し、予防的に対策した経験です。添付の公式資料は具体的な解答例ではなく出題趣旨であり、PMとしてのコスト管理に関する知識、経験、実践能力を評価するとしています。採点講評では、問題文の模倣や一般論に終始する論述が指摘されているため、自身の観察と判断、行動を具体的に示すことが重要です。

設問ア

着目するのは「プロジェクトの特徴」と「コストの管理の概要」です。800字以内で、開発の目的や対象、規模、体制などから、後続の兆候や対策を理解するために必要な特徴を選んで説明します。コスト管理については、活動別のコスト積算、予備費の設定、予算と実績の比較、完了時の総コスト予測など、実際に行った管理の要点を述べます。出題趣旨では予算内での完了がPMに求められるとされているため、どのようにコストを管理していたプロジェクトなのかを示す必要があります。設問イの兆候を理解できる背景に絞り、一般的な管理手法の説明だけで字数を使わないようにします。採点講評では、別途記入する「論述の対象とするプロジェクトの概要」と論述内容との不整合も指摘されています。

設問イ

最も重要な条件は「コストの管理を通じてコスト超過が予測される前に」です。800字以上1、600字以内で、察知した兆候、コスト超過を懸念した根拠、兆候の原因、立案した防止策を具体的に述べます。兆候については、いつ、どの発言や報告などから、どのような前触れを捉えたかを示します。懸念した根拠では、PMとしての知識や過去の経験から、その兆候が今後どのように追加の作業や費用につながると判断したのかを説明します。続いて、兆候を生んだ原因をどう分析し、その原因に対応する対策をなぜ選んだのかをつなげます。出題趣旨では、この予測前の兆候察知と原因・対策の具体的な論述が求められています。採点講評では、既に発生して対処が必要な問題を兆候としている論述が指摘されているため、察知時点の状況と、その後に懸念したコストへの影響を区別して書くことが重要です。

設問ウ

着目するのは、設問イで立案した対策の「実施状況」「評価」「今後の改善点」の三つです。600字以上1、200字以内で、誰が、いつ、どのように対策を実施し、PMとして実施をどう確認したかを述べます。評価では、兆候の原因や懸念した追加作業・費用がどう変化したかを、自身の経験で確認できた事実に基づいて説明します。数値を使う場合も、何と比較して効果を判断したのかを明確にすると、コスト超過防止との関係が伝わります。改善点は、その対策の成果や残った課題を受けて、今後の兆候察知や原因分析、対策の実施をどう改善するかを述べます。出題趣旨が掲げる実践能力を示すため、対策を立案しただけで終わらず、実施後の結果と自身の評価まで具体的に説明してください。

学習のポイント

兆候と既に発生した問題を区別し、知識・経験に基づく判断から原因に対応した対策と評価までを具体的に説明する力を養います。

出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成31年度春期 プロジェクトマネージャ試験 午後Ⅱ 問1(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例 / 採点講評)

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