PMプロジェクトマネージャ試験 午後Ⅰ
平成31年度春期 プロジェクトマネージャ 午後Ⅰ 問3
事例を読んで設問の答えを考えてから、解説のポイントとIPA公式の解答例・採点講評で確認しましょう。
問題

解き方のヒントを見る
判断の根拠となる情報を確かめる
この分野を学ぶ際は、判断の根拠として扱う情報と、判断したい事柄のつながりに注目しましょう。用語の印象だけで理解を進めず、その情報から何について考えようとしているのかを、自分の言葉で整理すると役立ちます。
この問題で問われていること
取り組む際も、扱う情報が何を判断するための根拠なのかという一点を確認してください。情報の名前を知っていることと、判断とのつながりを説明できることを分けて考え、根拠にしている箇所を意識しましょう。
視点
情報と判断のつながりを整理するには、「この情報を、何について考えるために使っているか」と言い直してみましょう。説明に使う言葉を増やすより、情報と判断の関係を短く説明できるかを意識してください。
確認ポイント
- 何について判断しようとしているかを意識できているか。
- その判断の根拠として、どの情報に着目しているか。
- 着目した情報と判断のつながりを、自分の言葉で説明できるか。
正解と解説を見る
解説
品質重視の組織文化を生かしながら、客観的な出来高評価、早期レビュー、具体的なリカバリ策、クリティカルパスの監視によって進捗管理を改善する問題です。標準の導入では、メンバ自身の検討と実行意欲も重視します。
問題の全体像
R社は品質重視を強みとする一方、進捗遅れの発見が遅く、リカバリ策の具体的な裏付けも不足しています。S課長は、初めて受注した首都圏顧客向けの請負開発で、定量的な管理を取り入れたR社標準の試案を適用します。公式資料の出題趣旨では、品質やリスクを含めた正確な状況把握、問題の早期発見、関係者と共有できる客観性が重視されています。各設問では、改善の優先順位、組織文化を生かした導入、品質を反映した進捗評価、会議とSPIの活用を本文に即して説明します。
設問1(1)
冒頭の経営陣の説明にある「品質重視が浸透している」「この組織としての強みは、今後も大切にしていく」に着目します。公式解答例では、品質重視の価値観が組織の強みになっていることを理由としています。採点講評でも、品質に課題はあるものの、組織の価値観の効用が期待できると説明されています。品質に問題がないからと捉えず、既存の強みを根拠にします。30字以内では「品質重視の価値観が組織の強みとなっているから」とまとめられます。
設問1(2)
進捗遅れがプロジェクトの佳境で発覚し、リカバリ策の具体的な裏付けも不足していたという経営陣の説明に着目します。顧客の信頼を得るには納期遵守が必須なので、遅れを予防し、発生時の回復策を具体化することが優先課題となります。公式解答例もこの二点を理由としています。採点講評では、スケジュール改善が経営課題であることを示しています。30字以内では「進捗遅れの予防とリカバリ策の具体化が優先課題だから」とまとめられます。
設問2(1)
担当者が自分の努力で回復できると判断し、遅れていても予定どおりと報告する点と、自負や責任感を生かす改善方針を結び付けます。担当者自身が回復に取り組む姿勢を生かし、その対応を具体的かつ客観的にすることが狙いです。公式解答例では、裏付けのあるリカバリ策を担当者自身に提案してもらう記述と、遅延リカバリの進捗を担当者自身に定量的に報告してもらう記述が、別々の解答候補として示されています。両方を一つの答案にまとめることは必須とされていません。35字以内の候補は「担当者自身が具体的な裏付けのあるリカバリ策を提案する。」または「担当者自身が遅延リカバリの進捗状況を定量的に報告する。」です。
設問2(2)
初回レビューの時期がレビューイの判断に任され、品質のギャップの検出が遅いとリカバリが難しくなる点に着目します。すぐに変えられるのは、初回レビューの実施時期の決め方です。公式解答例では、成果物作成の初期段階に計画すること、または実施時期をあらかじめ決めておくことが示されています。採点講評でも、早期レビューがスケジュールと品質の両面に効果を持つことを重視しています。35字以内の候補は「初回レビューの実施時期を成果物作成の初期段階に計画する。」または「初回レビューの実施時期をあらかじめ決めておく。」です。
設問2(3)
標準の導入に抵抗や反発が予想されることと、チームメンバ自身が議論して試案を具体化する指示に着目します。自ら改善策を検討すれば、その実行に向けた意欲が高まると期待できます。公式解答例も、メンバによる改善策の検討と実行意欲の向上を結び付けています。答案では、単に理解を得ると述べるだけでなく、自ら検討することによる効果を示します。40字以内では「チームメンバが自ら改善策を検討することで実行の意欲が高まるから」とまとめられます。
設問3(1)
表1の当初案は、担当者が作成済みのページ数を分子にしています。しかし、本文では担当者の認識する品質と実際の品質にギャップがあり、品質確認も成果物を作成する活動に含まれています。このため、品質の観点を加え、レビューの実施状況や指摘への対応状況を進捗評価に反映します。公式解答例では「レビュアがレビュー済のページ数/計画ページ数」と「担当者がレビュー指摘対応済のページ数/計画ページ数」が別々の解答候補として示されています。両者を組み合わせた分子にしたり、両方を答案に含めたりする必要はありません。30字以内では、いずれか一つを選び、表1に倣って分子/分母の形で記述します。
設問3(2)
報告と分析を会議前に済ませ、会議では分析内容を共有し、遅れのあるメンバがリカバリ策を検討して参加するという見直しに着目します。これにより、会議の時間を対策の合意やチーム全体の調整に使えます。公式解答例では、分析結果を共有して適切なリカバリ策を合意する場、または課題をチーム全体で共有して調整する場が示されています。採点講評でも、会議前と会議中に行うことの区別を重視しています。30字以内の候補は「分析結果を共有し、適切なリカバリ策を合意する場」または「課題をチーム全体で共有し、調整を行う場」です。
設問3(3)
原因分析にある、クリティカルパス上の活動の問題検知と対応が遅れ、マイルストーンに間に合わなくなるという記述に着目します。改善方針でも、これらの活動を識別して重点的に監視するとしています。担当者別のSPIに加えて、プロジェクト全体の遅れにつながる活動群をまとめたSPIを監視するという対応です。公式解答例では「クリティカルパス上の活動群のSPI」と示されています。この表現で25字以内の条件を満たし、監視する切り口を明確にできます。
学習のポイント
本文の課題と改善策を対応付け、公式解答例の候補を混同せず、設問の要求と字数に合わせて答案をまとめる練習が重点です。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成31年度春期 プロジェクトマネージャ試験 午後Ⅰ 問3(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例 / 採点講評)
関連する過去問一覧
IPA Advancedは非公式の学習サイトです。解説にはAIによる補助生成を含む場合があります。公式の問題冊子・解答例・採点講評を優先し、誤りは確認後に訂正します。運営・編集方針