PMプロジェクトマネージャ試験 午前Ⅱ
平成31年度春期 プロジェクトマネージャ 午前Ⅱ 問23
問題文と選択肢を読んで答えを考えてから、下の「正解と解説を見る」で確認しましょう。
問題
選択肢
- ア自分とは違った視点から事態を見ることができず,客観性に欠けること
- イ組織内の権威に無批判的に服従すること
- ウ正しいことが何かは知っているが,それを実行する勇気や決断力に欠けること
- エ強い連帯性をもつチームが批判的思考を欠くことによって,不合理な合意へと達すること
解き方のヒントを見る
集団心理の用語は定義の要素で確かめる
技術者倫理を妨げる要因として語られる集団の心理的傾向は、名称の印象だけで判断すると取り違えやすい分野です。各用語が本来どのような状況で何を指す言葉なのかを、定義の構成要素に分けて照らし合わせる姿勢で臨みましょう。
この問題で問われていること
問われているのは、集団の中で個人の判断がゆがむ現象を表す用語とその意味の対応です。用語の響きや日常的な語感に引きずられず、その用語が学術的・実務的にどのような意味で使われているかという一点を確認することが焦点になります。
視点
倫理的な失敗は個人の悪意だけでなく、組織や集団の中で働く心理的な力によっても生じうると考えられています。この分野の用語は、似た場面を扱っていても指し示す対象が異なることがあります。そのため、『誰の』『どのような判断や行動が』『どういう状況で』変化するのかという要素に分けて定義を捉えておくと、用語同士を混同しにくくなります。
確認ポイント
- 用語が指しているのは誰の判断や行動の変化なのかを、定義に立ち返って確認する
- その変化がどのような状況や条件のもとで生じるとされているのかを確かめる
- 名称からの連想ではなく、定義の要素すべてが記述と矛盾なく合致しているかを照合する
正解と解説を見る
正解
エ
解説
集団思考とは、結束の強いチームで同調圧力が働き、異論や批判的検討が抑えられた結果、不合理な合意に至る現象です。技術者倫理では、この状態が誤った判断を組織内で見逃す要因になる。
理由
集団思考は、チームの連帯性が強い一方で、メンバーが反対意見を出しにくくなり、批判的思考や多面的な検討が不足する現象です。その結果、合理性を十分に確認しないまま、集団として不合理な合意に達する。
比較
集団思考は、権威への服従、個人の決断力不足、異なる視点を持てない個人の認知特性そのものを指すのではありません。集団の結束と同調によって、意思決定の質が低下する点が重要です。
選択肢ア
これは不正解だよ。自分と異なる視点から事態を見られず客観性に欠けることは、個人の認知上の偏りを表す説明である。集団思考は、強い結束をもつ集団で批判的検討が抑えられ、不合理な合意に至る集団の意思決定上の問題を指す。
選択肢イ
これは不正解だよ。組織内の権威に無批判的に服従することは、権威への服従や上下関係に関する態度の説明である。集団思考の中心は、権威者への服従ではなく、集団内の同調によって異論や批判的な検討が十分に行われなくなる点にある。
選択肢ウ
これは不正解だよ。正しいことを知りながら実行する勇気や決断力に欠けることは、個人の意志や行動力の問題を示している。集団思考は、個人の勇気不足ではなく、チーム全体の合意形成で批判的思考が不足する現象である。
選択肢エ(正解)
これは正解だよ。強い連帯性をもつチームでは、まとまりを保とうとする同調圧力により、反対意見や批判的な検討が抑えられることがある。その結果、十分に合理性を検討しないまま、集団として不合理な合意に達する。
学習のポイント
集団思考は、個人ではなく集団の意思決定過程に生じる問題として理解する。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)平成31年度春期 プロジェクトマネージャ試験 午前Ⅱ 問23(公式資料:問題冊子(PDF) / 解答例)
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